第9回 デジカメが嫌になる暗~いお話 3

皆さんこんにちは、新緑の季節から日本列島は梅雨に入ろうかというこの時期、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回もしつこく「デジカメの嫌になる暗~いお話PART3」と行きますが、デジカメの欠点を突つくのはこれが最後という事にいたしたいと思います。
では行ってみましょう。

(いやなところその九)
【夕日を撮ったけど夕日っぽく写らない】
夕日の撮影では先ずは場所を決め、そして日時を決め、天気予報で天候の状態を良く把握し、寒い時はそれなりの防寒の準備を、真夏の暑い海では少々体が濡れても良いように、地形の険しい場所では転んで大事なカメラを壊さぬように動きやすい格好で、とまあここまで用意周到しなくてもとは思いますが、 いかんせん太陽が同じ気候で同じ位置に落ちるのは年一回、となると失敗した日にゃまた一年待たねばと思うとつい気合が入るものでごわす。
(こんな几帳面さ私じゃございません。別の方です。)
とまぁ思い入れはともかく、夕焼け空に向かってデジタルカメラを向け写真を撮りますと、 それなりに写ってはおります。(夕焼け1)

デジカメ通常撮影の場合(夕焼け1)
35mm銀塩フィルム撮影の場合(夕焼け2)

デジカメ露出補正し撮影(夕焼け3)
ホワイトバランス設定の違い

オートホワイトバランスの場合(夕焼け4)

ホワイトバランスをプリセット
設定にした場合(夕焼け5)

ここで35mm判フィルムで撮影したものと比較してみましょう。(夕焼け2)
同じ時間に撮影したのですがどうでしょうフィルムの方が、夕焼けらしく表現豊かに撮 影されていると思いませんか。 フィルムには今までの長きに渡ってのノウハウが積み込 まれているのか、夕焼けは赤いのだという人間のイメージをうまく表現しているので しょう。使用フィルムはディーライトタイプで地味な発色の“SINBI”を使用、“ベルビア”の様に特別鮮やかのものではありませんし、使用カメラの“EOS-10”ではオート撮影そのものです。 一方デジカメですが、恐らく風景の色は忠実に再現しているのでしょう。でも人の気持 ちまではまだプログラムの中に反映しきれていないといった感じですね。

それどころか、ホワイトバランス等をオートに設定しておくと、中途半端な光は色カブ リとしてとらえ、勝手に白くしてしまうかも知れません。フィルムではホワイトバラン スを変える事はできませんから、かえって変動要因が無いと言えます。 この当りは撮影側でのコントロールが必要になります。

(夕焼け3)ですがこれはマイナスに露出補整をして撮影しています。これにより夕焼け空の感じをより強くしました。太陽光が直接レンズに入るような場合はオート撮影で画面を動かすと、露出が変ってきますので(特にスポット測光など)、良いと思うところでシャッターを半押し状態にしてAEロックをし、露出を固定、それから構図を決めましょう。すばやくやらないと、夕日って奴は結構速く動くので、あっという間に沈んでしまい、ハイまた次の日という事もになりかねません。

先ほどホワイトバランスの事に触れましたが、機種によっては夕日モードという物がある場合は、これを使用しましょう。夕日が白っぽくなるような事はありません。いわば夕日専用フィルムの様なものですね。オートの場合は対象となる太陽の光源自身をホワイトにしようとするので、プリセットを使いホワイトバランスを固定する事も一つの手法です。 (夕焼け4)と(夕焼け5)はデジタルズームを使用して撮影したので絵が荒れていますが、(夕焼け4)がオートホワイトバランス撮影、(夕焼け5)が別の時刻に白紙でプリセットホワイトバランスを取り、このホワイトバランスにて撮影したものです。他は一切変更しておりませんが、結構違うものですね。

《余談》
毎日拝める朝日と夕日は(新聞の話じゃない)
照明や太陽には色温度があり、色温度が高ければ青っぽく低ければ赤っぽくなります。朝焼け写真は、昼間の日光より色温度が低い為に空が赤く見えるのだそうです。また太陽光を波長で表わすと太陽が地平線ぎりぎりになる夕方は、光の入射角がが浅くなります。波長の短い青い光は波長の長い赤い光より屈折散乱しやすいため、青い光は散乱してしまい。我々の目に届く光は赤味の光が多く、よって夕日が赤く見える事になります。(学校の先生が30年前に教えてくれた)ところで朝日と夕日では微妙に赤みが違うように思えますがいかがでしょうか。

朝焼けの方が写真より白っぽく眩しく、夕日の方がオレンジ色の鮮やかな感じを受けます。実際はどちらもそれ程変らないでしょうが、人のイメージの中での感性がそう思わせているようなのです。ただ、朝の方がチリホコリも少なく酸素量も多い。夕刻は地表温度が朝に比べ高いなどの事から微妙に光の屈折率等に影響しているのではとも思います。
(今度スタジオのカラーメーターで計ってみようと思ってから数ヶ月、実行できないのは朝寝坊を克服できない私の気力の無さが原因です。)

夕方になるとなぜ太陽は赤くなるの?

青い波長の光は赤い波長の光に比べ屈折率が高く散乱しやすい。光の入射角がきつくなる夕刻には赤い光しか地表に届かない。

(いやなところその十)
【友人が一眼レフデジタルカメラの受光面にゴミが入ったと言って騒いでいた】
私の友人で昔からのカメラ好きがおりまして、1年ほど前にデジタル一眼レフを購入したと見せびらかしに来ました。が、最近になってゴミ取りだ、ゴミ取りだと騒ぎはじめました。うむ、公園の掃除でもボランティアでやっとるのかい、感心だねぇと思いきや、何のことはない、彼の愛機のCCDにゴミが付着してそれが撮影画像に写ってしまい、後の画像処理で消去しているとの事でした。レンズの絞りをどうも絞ると同じ場所に出てくるとの事です。「そりゃ大変、買い替えたら」と申し上げましたところ。簡単に言うなと、目を向いて怒りはじめました。


Canon Eos-1Dsのレンズマウント部
フィルムタイプの一眼レフなら屋外ででもレンズ交換をするが、デジカメでは絶対に嫌!。極力屋外撮影にはその撮影をカバーできるズームを最初から付けていく事が望ましい。

レンズを外せばミラーが見えその奥にシャッター、さらにその奥に受光素子が!銀塩一眼レフと構造的に何も変わらないのに、ミラーボックス内に侵入する汚れがデジカメは大嫌いなのです。

一般コンパクトカメラはレンズ固定でCCDが外気に触れる事はありませんが、一眼レフになると銀塩タイプもデジタルタイプもレンズ交換が出来ます。その撮像交換レンズを通した光学ファインダーが魅力なのですが、このレンズ交換の際に空中のゴミホコリがミラーボックス内に混入する事が大変な問題なのです。露光時に跳ね上がるミラーでボックス内の空気をかき回し、シャッターが開いた瞬間、CCD等撮像素子面にゴミが付着してしまうようです。これが影として写り込んでしまいます。フィルムと違い撮像素子は固定ですから、気を付けないと徐々に汚れてくるので始末が悪いですよね。絞りを絞り込めば込むほど、はっきり浮かび上がってきまして、たまたまF22などで撮った時に始めて気がつくといったあんばいです。
そんなのブロアーで吹き飛ばせば、とお思いでしょうが、絞り込んで出てくるゴミはかなり小さく、メーカーでクリーニングしてもらわないと素人では無理。フジのS2Pro等はCCDクリーニング法が“取り説”に記載されているようですが、傷がつく事を考えると、とても恐くて拭く事なんか出来ませんね。(メーカークリーニングは時間がかかるらしい)
会社のスタジオで3年ほど前、“KodakのDCS660”というカメラを購入した時、(当時ボディー価格ウン百万円だった)わたくし早速、野次馬根性むき出しで「CCDはどこだぁ」とレンズを外そうとしたところ、「あぁ~だめ、不潔な人は触らないで、それからウッカリ落すと高級車壁にぶつけるようなものだよ。なんたって太田原さんのポンコツ“パルサー”10台は買える値段なんだから。」
ふん失礼な、私の愛車を対象にだすなてんだ。

(いやなところその十一)
【デジカメの一眼レフファインダーってなぜあんなに小さいの】
デジタルカメラの一眼レフのファインダー覗いた事ありますか。35mmのフィルムカメラのそれに比べ、黒い部分が多く視野がやたら狭いと思いませんか。そうこれは“CanonEOS-1Ds”“KodakPro14n”などフルサイズ一眼デジカメは別にして、ほとんどのカメラのCCD撮像素子は35mmより小さい。(APSサイズ前後)そこへ持ってきて35mm判カメラのファインダー設計をそのまま転用している事が多く、結果として35mm枠の中で小さく表示がされてしまう事になってしまう訳です。中には“EOS-1D”の様にファインダー部をデジカメ専用設計にして、見やすいようにしているものもありますが、ボディ価格が20~30万クラスではファインダーを覗いた時の視野の狭さは、ぐっと我慢してその機種になれるようにしましょうね。

F80のボディを流用したフジFinePixS2Pro

銀塩カメラ ニコンF80

フジFinePixS2Proのファインダーを覗いたところ。視野が狭い。


フジFinePixS2Proと同じボディーの銀塩一眼レフ ニコンF80のファインダーを覗いたところ。
報道スポーツ関係で使用される事を考えたCanon Eos-1Dは高価な分、ファインダーを覗いた時の視界は広い。

(いやなところその十二)
【背景をぼかしたいけどなかなかボケない】
ポートレート写真などモデルさんにピントを合せ背景をぼかして、女性を引き立たせる事は良くやりますね。35mmスチルカメラでは85mm~150mm位の明るいレンズを使う事が多いのでしょうか。ところがデジタルカメラではこのバックを“ボカス”のに苦労するケースが多いようです。これは35mm一眼レフの場合24×36mmというサイズなのに対し、一眼レフデジタルカメラの撮像面積はAPSサイズクラスで、準広角35mmが標準レンズになってしまいます。ご存知のように背景を“ボカス”という事は被写界深度を浅くする事、こうするにはレンズが明るく焦点距離が長くならなくてはならないのに、APSサイズレベルのカメラでは、被写界深度の深いレンズがどうしてもメインになり、結果的に“背景がぼけにくい”という事になります。
一眼レフデジタルカメラでこのレベルですから、一般コンパクトカメラではレンズを見ると大体、焦点距離f7、8mm~20、30mm位のズームレンズ、明るさもF2.0~F3.○○位で、とても35mmスチルカメラのレンズには程遠い代物です。
こんなことでデジカメでは撮影時に出来るだけ望遠よりで、シャッタースピードを上げ絞りを開放近くにしてがんばり、それ以上はあきらめるしかなさそうです。
どうしても不満とおっしゃる方は、パソコン上の画像処理で“ボカス”、或いは高価格な「KodakDCS14n」「コンタックス Ndigital」「Canon EOS1Ds」等の35mmフルサイズ一眼デジタルカメラを購入という事になります。合掌……。

Contax N digital
35mm判フルサイズのCCDを搭載する。

レンズが長焦点で口径が大きい方がピントの合う範囲は狭くなる。55mmレンズでは人物の赤い光束線はピントが合っており、背景の木の青い光束はフィルム上では結合せずピントはぼける。
一方35mmレンズでは両方の光束線は共に近いレベルで結ばれてピントは大体合っている。デジタルカメラの場合銀塩フィルムより撮影サイズが小さい物が多いのでレンズの焦点距離は小さく、その分被写界深度は深くなりバックがぼけにくい。

(いやなところその十三)
【パララックスで失敗した】(デジカメだけじゃないよ)
一眼レフ”ユーズオンリーの人はあまり気にしませんが、近接撮影をした所ファインダーで見た時より、実際に写っているものが切れていたなんて経験ありませんか。
これは「パララックス」と言って、撮影レンズとファインダーレンズが分かれている場合、撮影で写る範囲とファインダーで見える範囲角度に違いが生じ、これによって起こる視差の事です。当然遠方でなく、近い方がその現象が起きます。
これはデジタルカメラに限った事でなく銀塩でも同じ事。嫌、むしろコンパクトデジタルカメラの方が液晶モニターを使用していれば、撮影レンズでの画像を表示しているので気にしなくても良いのです。じゃあなぜここに載せんのよ。
あ~それは紙面をかせぐためー。じゃぁなくって。えーつまりデジタルカメラの撮影時に、屋外での液晶モニターでは頼れない時など、小さなビューファインダーを使って撮影したとします、その時つい「パララックス」を頭に入れずに写す時があるからなのです。普段は視差の事なんか気にしてませんものね。レンジファインダー専用の高級カメラ“コンタックスG2”や“ライカM7”等はパララックス自動補整付きですが、コンパクトデジタルカメラのビューファインダーはあくまで補助使用、それ程お金はかかっておらずズーム機能が精一杯なんですね。だから接写でビューファインダーを使用する時などはそんな事をちょっと気にしましょう。

(写真7)は液晶ファインダーで撮影した場合、それに対し(写真8)はサブのビューファインダーを見てそれをだけを信用して撮影した場合です。
もちろん一眼レフでは、デジタル、銀塩とわずこのような現象はありません。(写真9)

(写真7)
コンパクトカメラで液晶ファインダーを使い撮影。CCDからの画像をそのままファインダーに写し出すので、撮影写真に誤差は少ない。
(写真8)
コンパクトカメラで光学式ビューファインダーのみを使い撮影。白い花がケラレてしまった。
(写真9)
一眼レフカメラでの撮影、視差はない、ただし35mmフィルム全てをファインダー上に表示しない機種が多い。
視野率○○%という数値がカタログ上に掲載されている
撮影レンズとビューファインダーには、各々位置にちょっと差がある。これがパララックスの要因となる。
撮影レンズとビューファインダの位置による視差
img01
Contax G2
レンジファインダー型の35mmフォーカルプレン銀塩カメラとしては最高級レベル。16mmから90mmのツファイス交換レンズが魅力。

さてさて3回にわたりデジタルカメラの悪いところを言いたいほうだいしゃべってまいりましたが、結論としては欠点は日々直っていくものだ、デジタル産業の進化は実に速いもの。欠点、裏返せば利点と成りにけり、昨日の欠点今日はなんぞや、なのであります。
ただデジタルカメラの特徴はそれぞれ把握しておきましょう。 では次回もよろしくお願いいたします。

第10回 解像度ってな~にというお話


梅雨明けまじかの7月、もうすぐ夏、なつ、な~つです。皆さんご機嫌いかがでしょうか。え!この“梅雨が終わりゃくそ暑い日々だっていうのに、機嫌が良いわけないだろう”ですって、まあそうおっしゃらずに、これも日本の四季のひとつ、ありがたい地球から頂いた自然です、その風景なぞを被写体として、肌で季節を感じましょうよ。
てなわけで私、雨の中も気にせず写真撮れるようにと、買いましたねえ。生活防水デジタルカメラ“オリンパスμ-10”を!。これであわて丸のわたくしめ、水にぬらしても安心なんであります。これ最近流行の小さいカメラ、手軽です。便利です。どこでも持って行けます。何も考えなくても撮れちゃいます。まるっきりオートちゅーかぁ、何もいたずらしようがない。しかしメモ替わりにと買ったけど写り良いですね。ついでに海にも潜れるよう、水中ハウジングも買いました。
液晶モニターの動きが“どろん”としていることとストロボが小さいのが気になるけど、まあこの価格では充分なのかな。
今や浮世では写真を撮るのに、薄型コンパクトデジカメか、1メガカメラ付き携帯か、という事で迷っている方も結構いらっしゃるようですな。

さて今回は“デジタル画像の解像度”と“画素数”についてお話したいと思います。「解像度」とは簡単に言えばデジタル画像の密度と思って下さい。「解像度が高い」と言えば密度細かく精細にみえるというわけです。
一方「画素数」とはデジタル画像を形成している小さな色のついたモザイク状のタイルの数と思って下さい。

デジタルカメラの性能を表わすカタログデータに「画素数」という単語を見かけます。よく[300万画素のコンパクトカメラ登場]とか、[手の中に収まる3.3MegaPixelの感触]なんていうキャッチフレーズが雑誌広告などに載っているのは「画素数」の事で、結構なじみ深いものになりました。一種のカメラグレードを表わす代名詞の様になってきたこの「画素数」とは、撮影された画像の大きさを表わしまして、デジタルデータの容量そのものです。いわばコンピュータ的な数値で、我々が親しんでいる何センチという単位の寸法ではありません。ちょうど自動車のエンジン排気量のようなものですか。


デジタル画像はビットマップデータ
画素数2000×1600は320万画素

(本編のデジカメ読本第3回)でも言いましたようにデジタル画像というのは、碁盤の目状の四角な”Pixel”(ピクセルと読む:画素)が並んで成り立っています。それ一つ一つが色と階調を持っており、たくさん集まる事で写真を形成している、まあ人文字のようなものですね。これをビットマップデータといいます。この画素が横2000個、縦1600個整列している画像は横2000pixel×縦1600pixel=320万(画素)pixelという面積計算で表わします。これら画像面積の画素の総数を、デジタルカメラの「画素数」といいます。時に「絶対解像度」という言葉で表現する場合もあります。
画素数が多い画像は当然データ容量も大きいし、画質的にも精細といえます。例えば211万画素のカメラより320万画素のカメラのほうが1.6倍高解像といえます。

ところで最近のデジタルカメラは高画素時代と言われるようになってきました。なんたってカメラ付き携帯電話が120万画素の時代です。しかし、これも一般コンシューマ機ではそろそろ上限にきたのではとも思える今日このごろです。といいますのは、画素数が増えれば当然データ容量も大きくなり処理にも負担がかかるわけですが、それとは別にプリンタで出すプリントサイズも大きくなります。高画質出力でのインキジェットプリンタでは210万画素あれば写真プリントのL判(88×127mm)~キャビネ判(130×160mm)は充分対応できますし、320万画素でもキャビネ判(130×160mm)~B5判(182×257mm)くらいは余裕でプリントできるのです。もちろん画質を若干落してもっと大サイズを出力することも可能なのです。プロの印刷屋さんにA4で印刷してもらうのなら別ですが、家庭用のプリンタでは500万画素カメラでL判出力ではあまり意味ありませんし、家庭用のプリンタはA4サイズ(210×297mm)が一般的ですから、これ以上は必要ないという一般的な需要でしょうか。

図1)各用紙プリントサイズの種類

さてここで画素数からどのようにして印刷する寸法(プリントサイズ)に置き換えるのでしょうか。
ここで(本編のデジカメ読本第3回)で述べたモニターのディスプレイサイズを思い出して頂きたいのですが。例えば640×480の30万画素の画像をモニターに100%表示したとします。100%表示とはパソコンモニターの壁紙と同じです。これを別の大きさのモニターを使ったり、“画面のプロパティ”や“モニター解像度変更”でピクセルを多くすると画像は小さくなって表示されます。つまり100%表示していてもモニター上でのドット数によって、表示される大きさが違ってみえるわけです。(図2)
このようにデジカメの画像には画素の数[pixel数(ピクセル)、ドット数]で表わしますが、何×何センチなどという現実の大きさは存在しません。ですからプリントする際の大きさを指定する必要があるので、「解像度」という値を使用して画素の数でしか表現できなかった画像をプリントサイズの実際の大きさに変換するのです。

同じモニタでもモニタ表示解像度を変えると同一画像を100%表示した場合絵の大きさが変わる。
左は30万画素画像を画素数の少なく大きいドットのVGAモニタで、右は画素数の多く小さいドットのXGAモニタで表示したところ

【解像度という値の意味】
例として横が50画素(ドットorPIXEL)の画像を1センチ当り10個の画素(つまり1ドットが1ミリ)でプリントするとプリントの大きさは5センチになります。
この計算は
[画像の画素(ドット)数:50]÷[1センチ当りに出力する画素(ドット)数:10]=5センチ
という単純計算で寸法が求められます。
ここで解像度とは:1センチ当り10個の画素(ドット)の事で、[dot/cm]という単位で表わします。もしプリントする解像度を10dot/cmを20dot/cmに変えると大きさは上の計算から2.5センチという事になるのです。
このように縦横のある画素数を持つ画像は、解像度によって初めて大きさが決められる訳です。これらをまとめて「相対解像度」という言い方をする人もいます。
一般的に解像度はセンチメートルでなく、インチを基準にしますので
[dot/インチ](ドットパーインチ)これを→「dpi」(ディーピーアイ)という単位で表わします。下のマッチ棒の図3を見てください。

(図3)

一本のマッチ棒は2インチ、その中に144個ドットがあれば72dpi、288個あれば144dpiになります。
製版業界ではミリメートルを基準にした単位「ppm」(ピクセルパーミリ)で表わす場合もあります。レゾリューションをとってレゾ○○という言い方をします。
ちなみに印刷で使用する解像度は「400dpi」で「レゾ16」になります。
1インチは25.4ミリですから解像度400“dpi”を25.4“ミリ”で割ればこの数値になります。
また1画素(pixel.ドット)のサイズは
[1インチ=25.4ミリ]÷[解像度(dpi)]=1画素のミリメートル
で算出できます。
やはり印刷で使用する解像度「400dpi」の1画素寸法は0.065mmです。
ここからだと画像の大きさは計算しやすいでしょう。
なにかずいぶんややこしくなってきましたが、要は実寸法とドットと解像度とは相対関係にあるという事です。で、混乱するのはメートル法とフィートインチの単位が異なるので、わからなくなるのです。
ここでまとめてみると

となります。

実は余談ですが(余計な話が好きな太田原)以前乗っていたバイクはヨーロッパ使用でして速度計がマイル表示なのですね。1マイルは1.6Kmで計算しないとスピードが分からない。で、走りながら計算している内に訳が分からなくなって、お巡りさんに速度違反で捕まっちゃいました。馬鹿といおうか、頭悪いといおうか。自制心がないといおうか。あ~情けない。

【プリンタの種類】
さてさてお話は続きます。この「解像度」、デジタル画像としてカメラやコンピュータ内ではさして気にする事はないのですが、現実に物として出す(つまりがプリント)時に大きさに左右する事は分かったかと思います。
ところがですよ皆さん。この「解像度」、デジタル画像その物以外に、プリンタ側自身にも「解像度」という物があるのです。あ~もうやめて欲しい。面倒くさい話ですね。

この「プリンタ解像度」の前に、プリンタの種類について簡単に説明致しましょう。


《1.インキジェットプリンタ》
ご存知、パソコン出力になくてはならない、おなじみの低価格プリンタです。構造的には小さなノズルからピコリットルレベル(一兆分の1リットル)の細かな色の液状インキを、紙に向かって飛ばし、ペーパー上に付着させたインキの粒で像を形成するプリンタです。お手ごろな数万円でA4サイズの家庭用の物から、B0サイズの業務用まで様々。大型になると100万円以上します。30年程前は壁の装飾やカーテンなどにプリントする工業用機材だったのが、ここまで一般に浸透するとは、正直言って夢にも思いませんでした。品質的にもすばらしく、色があせない顔料タイプの物も普及しはじめました。ペーパーによって品質が左右されます。これがポイントね。

インキジェットプリンタ
(図4)インキジェットプリンタのしくみ二種

《2.静電式カラーレーザープリンタ》
原理はコピー機やファックスと同じで、帯電させたドラムにレーザー照射し潜像を作り、更に色のついたトナー(粉)を、静電気を利用しキャリアから紙に付着後熱で蒸着させるタイプです。スピードが速く普通紙でのプリントができます。
でも値段が高くメンテナンスも必要、機械も大きいので主に業務用です。また画像品質はインキジェットプリンタより落ちます。

カラーレーザープリンタ ゼロックスタ
(図5)カラーレーザープリンタのしくみ

マイナスの静電気を与えられた感光ドラムにレーザー露光し像を生成、帯電した各色トナーを付着させる。その後、プラス帯電させた紙に転写し、熱を与えて定着させる

フジピクトログラフィ

《3.ピクトロ方式プリンタ》
フジピクトログラフィ  フジフィルムの製品で「ピクトログラフィー」といいます。デザイナーや写真家などフォトグラファーには絶大な信頼を得てきているプリンタです。原理はフィルムに相当するハロゲン化銀を含んだドナー(感光体)にレーザーで画像を写し潜像を作り、それをペーパーに転写するという方式。品質は銀塩プリントのようで、印刷の写真原稿に使用出来る位ですから、高品質です。価格も高くユーザーもほとんどがプロです。

(図6)ピクトログラフィのしくみ
感光材が塗られたフィルム(ドナー)にレーザー露光し、画像を生成する。ドナーに生成された画像はレシーバーという用紙に貼り合わせて加熱し、ドナーの色素を用紙に転写させる事で現像を行う。

《4.昇華型転写プリンタ》
サーマルプリンタともいいます。近年インキジェットプリンタに押され気味ですが、10年ほど前はプロのフォトグラファーで使用するフォトプリンタの代名詞と言われるくらい普及しました。
原理は各色インクリボンに画像をレーザー照射し、リボンの染料が昇華してペーパーに付着する方式です。品質は高いのですが使い捨てインクリボンを消費するので、ランニングコストがかかったのが、インキジェットにおされた原因かも知れません。

(図7)オフセット枚葉印刷機のしくみ

《5.オフセット印刷》
(図7)オフセット枚葉印刷機のしくみ
出ましたご存知「い・ん・さ・つ」です。これを人はプリンタと呼ばないかもしれませんが、このデジタル時代、巨大な印刷機はあえてプリンタと呼ばせて頂きます。職人さんが額に汗、インキ油にまみれて動かしているイメージが強いですが(実際それに近い)、今日ではコンピュータから直接オンラインで印刷できる機械もあるのですから、高速大量出力できる最も高価な巨大プリンタとしてとらえる事には間違いはありません。
原理はパソコンを使った「DTP」などでレイアウトされたデータから「PS版」に画像を出力します。「PS版」とは紙にインキを付着させる「ハンコ」の事です。この「ハンコ」を印刷機に巻付けインキを供給させます。「ハンコ」からインキは一度ゴム版に、ゴム版から紙にインキ転移させると画像が紙に写り、印刷が終了するわけです。(図7)
実はハンコを作るにしてもコストは高いし、印刷機も太田原さんちの木造2階建てが数軒建つほど高価なので、高速で大量に刷らないと採算が取れません。しかし近年、部数少なく種類多くという需要も増えてきまして、デジタル印刷機で安価に出力する方向にも進みつつある印刷業界です。

以上おおまかにプリンタの種類を述べました。
そこでプリンタの出力解像度のお話にしたいのですが、画像自身の解像度と混乱するといけませんので、今回はこれくらいにして、続きは次回にいたしたく存じます。
では次回「プリンタ解像度」に御期待ください

【ちょっとここで外出】
前にも紹介しましたが、私が毎月出席しております勉強会があります。その名も「デジタルカメラ学習塾」通称「電塾」“早川塾長”といいます。実はこの中に“技術者に学ぶというコーナー”があるのですが先月の定例会で招かれたのは、レタッチの神様と言われる「坂本恵一」氏でありました。「レタッチ」とは印刷のカラー写真を、お客様の注文に従い、写真をよりよく見せたり、印刷特性にあわせた色補正を行なう製版の作業の事です。

かつてコンピュータのない時代には、筆やペンを使ったり、暗室に入ってのフィルム作業など、きわめて手工業的な仕事でしてまさに職人のなせる業だったのです。今はデジタルで合成、色修正など簡単に出来るのですが、10年以上前はある一部の人しか出来なかったのです。まあその様な職人はいつぞやデジタル化が始まり消えてしまったわけですが、その中にあって生き残って(ん?こりゃ失礼神様の罰が当る)職務に従事されていらっしゃる不滅の方が坂本氏なのであります。とにかく私たちの大先輩にあたるこの坂本先生73歳になられましたが、実に元気でジョークがうまく、50名ほどの場内は爆笑の連続、そしてとても興味深いお話をなさいました。
坂本氏は現在ある印刷会社のプリンティングディレクターをされています。プリンティングディレクターとは直接デザイナーやメーカーさんなどクライアントの意向を伺いそのポイントを現場に伝え、作業をスムーズに且つ良い品質に上げる、コーデネータの役目なのです。これはお客様と印刷両者内容を理解していないと出来ない仕事なのです。まさにキャリアが無いとできません。

さてこの講演の中で氏が特におっしゃっていた事は、何においてもヒューマンコミュニケーションがとれなくてはいけません。どんなに技術が進化しようとも、これは大事であるという事でした。最近の若い人は人とのコミュニケーションが取れない、話をしない、返事をしない人が多い。席にいないからトイレと思いきや、知らないうちに帰宅しちゃった、挨拶の一つもすりゃぁいいじゃねぇか。しゃべらないから孤独だなと思いきや何のことはない、声の届く距離の同僚とメールでおしゃべり。そりゃねぇだろ。
(こんなことあなたの職場ではありませんか。ところで氏は神田のうまれ生っ粋の江戸っ子です)
これは印刷業だけでなく、どんな職種でもそうかもしれませんが、デジタルになったからといって何でも自分で出来るわけではないし、ましてやすべてがコンピュータがするわけでもなし、むしろデジタルになればボーダレスで、余計にデータ流通は激しくなるのですから、要求主張は明確に伝わらなくてはいけない。これは今の時代だからこそ重要といえるのではなかろうか、と思った次第です。
また我々色を扱う印刷屋には、まこと肝に銘じなくてはいけないお言葉が氏より発せられました。

【イメージ出来ないものはマネージできない】
この意味は、
グラフィックアーツである限りアナログの感性は大切であり、アートのセンスが画像を扱うものには必要です。美しいものを見る目を持ちましょう。
という事です。
う~ん。センスの無い私には頭の痛い話でしたよ。でもほんと技術とは“想像力、理解力なり”という事でしょうか。料理人が「味おんち」じゃうまいもの作れないものね。舞台俳優さんはコンサートや舞台演劇を見て感性養うのですって、俳優さんだけでなく体操の金メダリスト具志堅幸二さんだって、審判採点よりも観衆の目をひきつける表現力を得る為に、現役時代コンサートに出かけていたそうですよ。
写真だって、自然の風景や絵画も含めた良い作品親しんでないといけないのですね。感性は磨くもの。ハイライトが飛んで、シャドーがつぶれた様なガチガチした変なデジタル写真ばかり見てると、目がおかしくなっちゃいますね~。
昔LP盤からCDに変った時、耳にギンギンきちゃって聞きにくかったけど、今はそんな事ありません。それは生の音を聞き鍛練した人がCDでの録音再生技術に、そのノウハウを注ぎ込んでいたのではないでしょうか

【新技術】
有機ELディスプレイ(エレクトロルミネッセンス)
「EL」とはエレクトロルミネッセンスといい、液晶に変わる新しいディスプレイといわれてます。ではどこがよいのか、先ずは
◆自ら発光するので液晶のようにバックライトが要らない。
◆ゆえに軽量薄型になり画面も明るい。
◆かなり横や斜めから見ても、液晶のように見えにくい事がなく、視認性がよい。
◆画面自体の模写スピードが速い。液晶は電界で分子の向きを変える、これにより光を遮断して表示するのに対し、電圧を掛けて電子と生孔が発光物質の中で出会いさえすればいいので、反応が速いそうです。(分かりにくいですか?プラズマディスプレイとは違うらしいです)
◆消費電力が低い。
これらの利点はデジタルカメラには良い事ずくめなんですね。
「有機EL」は1980年代後半にkodak社から始まった技術ですが、今回、初めてイーストマンコダックの「LS633」なるデジタルカメラに搭載されたのであります。日本機ではまだのようですが。
ところで私、このエレクトロルミネッセンスという単語、実になつかしく感じるのです。といいますのは大学時代の技術論の教授が、「今後注目を浴びるのはエレクトロルミネッセンス、つまり発光する壁TVとホバークラフトだよ。学生諸君企業に入ったらこれを頭に入れておきたまえ」と講義してくださいましたのが約30年前。その言葉を信じて若き日のわたくしめは、数億円もする機械で「わが社の社運を背おっとるんだよ」との言葉を浴びながら、画像処理を行なったりしましたが、待てど暮らせど相変わらずモニターは重く大きな物、我が愛車にもタイヤはついたまま、そのまま忘れてしまった単語でしたが、ようやく商品名称として出てきた訳ですね。どういう経過で30年も経ってしまったのか分かりませんが、技術面コスト面で簡単には処理できない問題があったのでしょうね。
これとは逆な技術もあります。世界初の実用超音速旅客機(SST)コンコルドが今年5月にとうとう運航廃止になりました。技術的には完成されたものなのに、コストや騒音、環境破壊などの諸問題に適合できなかったからですね。「人間月に立つ」のアポロ計画も存在意義そのものを否定され、その後月面着陸をした人間はおらず、NASA開発技術を商業的な他の分野に生かすという事に努力が注がれた時期がありました。
こう考えますと科学技術って、これだけが一人歩きするのでなく、開発意図が世の中の環境、経済情勢、利害を、そして何よりもヒューマンコミュニティを把握していないと朽ちてしまうと言う事を時々思いますね。
こと印刷や写真のデジタル化に関しても、先ほどの坂本氏のお話ではありませんが、人の目で評価する以上今までの養われたノウハウを上手くデジタルに反映する事が大事で、デジタル技術だけでグラフィックアートは成り立たない訳です。だって人間はあくまでもアナログで「感情」も「好み」もある生き物だからです。あまりに機械的なグラフィックは抵抗がありますもんね。
最近、周辺のデジタル化に対しちょっとそんなとりとめのない事を思う太田原めであります。今日はこのような一方的なお話でおしまいにいたしとう存じます。
今日もご覧いただきありがとうございました。

第11回 プリンタの解像度

皆さん、いよいよ暑い、あつ~い“夏”が到来したのであります。若者の季節“夏”なのであります。“祭だ!祭だぁ~い!”しかし、私ども五十に近づきつつあるおじさんらにとっては、工場の冷房にくしゃみし、はたまた外の日ざしにバテ気味と、いささか若き日がうらやましく思う季節でもあるのです。(ああ~、元気のイイ同世代のサザンの桑田ちゃんよ、あんたはえらい!)


そんな話はどうでもよいのですが、 今回は前回、 画像の解像度で終了してしまいましたので、その続きとして「プリンタの解像度」の話につなげていきたいと思います。どうぞよろしくおつき合いをお願いいたします。

【プリンタ解像度】
前回、プリンタの種類を5種類申し上げましたが、これは使用目的や価格グレード、対象ユーザーの業種など考慮せず、単純にその方式構造にて分類した物です。

さて今度は「解像度」を中心に考えて分類すると、「擬似階調方式」と「連続調方式」に分れます。写真というものはご存知のように、色の薄い部分濃い部分があり、これで“静物・風景・人物・絵”などを表現しています。これを階調といいますが、人の目はアナログなので写真の濃い薄いグラデーションは限りなく滑らかに見えなくてはなりません。
さてアナログの印画紙プリントの写真は滑らかで連続調子ですが、デジタルプリンタはその様には行きません。粉(トナー)にしろインキにしろ紙に付着する、付着しない、という表現しか出来ません。そこで小さな点や一定パターンで調子を再現します。これを擬似階調方式といい、《①インキジェットプリンタ》《②静電式カラーレーザープリンタ》 《⑤オフセット印刷》がこれに当ります。
一方連続階調プリンタの方ですが、デジタルプリントはデジタル画像と同じくに出力時に小さなドットで断続的な転写を行なうのですが、この出力ドット自体に濃い薄いの調子を持たせています。《③ピクトロ方式プリンタ》と《④昇華型転写プリンタ》がこれに当ります。

疑似階調方式の《①インキジェットプリンタ》の解像度
インキジェットプリンタ出力解像度は最高レベルで1440dpi~2880dpi位です。印刷で使用する画像解像度の300~400dpiに比べずいぶん細かいのですがこれには以下のような理由があります。

疑似階調と連続階調方式のプリンタのドットの違い
 A 図) 疑似階調方式
 B 図) 連続階調方式
疑似階調方式プリンタの階調表現二方式静電式カラーレーザーで一般的に使用される
パターンティザ法より、インキジェットでの誤差拡散法の方が写真表現には優れている
C-1 図)パターンティザ法
カラーレーザープリントの表面
C-2 図)誤差拡散法
インキジェットプリントの表面
 D 図

擬似階調方式はA図)のようにドット自身は付くか付かないだけで、濃淡は表現できません。ですからこれで調子再現するには点の数やパターン形状を変えて表現するのです。インキジェットの場合ではC-2)図のように点の量で明暗の調子を表現しています。ここで言う出力解像度とは1インチ当りの実際に紙に付くインキの粒の数の事ですが、画像の1画素の濃淡を表現するには、画像自身の解像度よりもっと細かな粒が必要になるわけです。D 図)
プリンタのカタログの解像度1440dpiとは、1インチ当たりに紙に付く粒(dot)の数です。ちなみにプリンタカタログの「1440×720dpi」と記されているのは、ヘッドの動く方向が1440dpi、紙の動く方向が720dpiということで、縦横の出力解像度が異なる事を示します。

連続調方式の《③ピクトロ方式プリンタ》の解像度
一方「ピクトログラフィー」や「熱昇華型プリンタ」はB 図)のように出力1ドットごとの階調表現が可能なので、インキジェットやレーザープリンタのような高解像度でなくても、奇麗な画像品質が得られます。 D 図)で示すように、プリンター解像度は300~400dpiで充分です。画像解像度もこのプリンタ解像度に合わせて出力するのがベストです。もし大きく出力したい場合には画像解像度をプリンタ解像度の1/2にするのが実用的です。

《⑤ オフセット印刷》の解像度
まずオフセット印刷は擬似階調方式としてはインキジェットプリンタなどとは異なります。E 図)の印刷物の写真を良く見ると小さな点が連なっているのは擬似階調なのですが、F 図)を見ていただくと分るように、この点を大きくしたり小さくして濃淡の調子を再現しております。これを網点といいまして規則正しく点が並んでおり、この整列した点の数を、紙により変更する訳です。新聞などでは整列した点のラインが1インチ当り70ライン、一般商業印刷では150~175ライン並んでいます。商業印刷ではラインとラインの間は0.14mmになりまして、一般商業印刷物の方がより細かく、新聞では見えた網点を、見えにくくしています。
これら網点の粗さ、細かさを「線数」といい、175線/インチとして表示します。
「線(Line)/インチ」:基本的にはこれも印刷物の解像度です。
さてこの大小の網点を出力する機械がレーザーセッターと言われるもので、当社ではレーザーで直接「PS版」(ハンコ)に画像形成するする「CTP」という方式を使用してます(G 図)。実はこれにも出力機にも解像度があります。要するに網点を形成する解像度ですね。「CTP」は2400dpiの細かさでレーザーを出力します。これも解像度が高ければ階調豊富にはなりますが、ある限界以上高くしても意味はありません。

E図)
印刷は網点というドットで表現されている
F図)左は印刷網点の拡大したもの整列した網点は絵柄により大きさが異なる
右はインキジェットプリントの拡大、細かな点の密集度が場所によりに違う
マトリックスで
形成された網点列
350dpi画像を175線印刷時の
網点形成の状態(拡大図)
350dpiの画像を175線/インチの印刷で出力した場合。1個の網点は4個のピクセルから成り立っている。ここで網点はさらに細かいレーザービームで照射されたドットにより形成されている。この際、1画素の階調は印刷の場合は256階調であり、これを表現する為の網点形成ドット数は16×16=256個のマトリックスでになる。 これを表現する為のレーザー出力解像度は16×175線/インチ=2800dpiが理想となる。
 G 図)印刷の「PS版」(ハンコ)の出力

【プリンタに対する画像データの解像度はいくら】
上記のように擬似階調プリンタや連続調プリンタなどがある訳ですが、では一体画像自身の解像度はどれくらいにすれば良いのでしょうか。印刷の場合は印刷の網点線数の2倍の画像解像度、つまり(175線/インチ)の印刷では(350dpi)あれば問題ないと言われています。網点ひとつを4個の画素で表現しているわけです。
画像解像度は高ければその分、高精細にはなりますが、ある解像度以上ではあまり効果なく、ただ容量と時間がかかり不効率になります。
一般のプリンタではどうでしょうか。印刷レベルの画像解像度(350dpi)があれば全く問題ありません。例えばエプソンのPMシリーズのプリンタ解像度は1440dpiですが、その1/4の画像解像度(360dpi)で充分、もっと大きくしたい場合は更に1/2で(180dpi)以下にならなければ、それ程は出力結果には大差はありません。画像解像度に対する実際のプリント寸法は下の表1)に示した通りです。
一方、ピクトロに代表される連続調プリンタでは、先ほども述べましたように、画像解像度をそのプリンタの解像度(300~400dpiが主)にマッチさせます。やはり1/2でもある程度は満足できます。

表1) 画像の各画素数の解像度によるプリントサイズ

規格名 画像/縦横
ピクセルサイズ
総画素数 画像解像度240dpiの場合 画像解像度180dpiの場合
プリント寸法 縦 プリント寸法 横 プリント寸法 縦 プリント寸法 横
XGA 768×1024pixl 79万画素 81.0mm 108.4mm 108.4mm 144.5mm
SXGA 1024×1280pixl 131万画素 108.4mm 135.5mm 144.5mm 180.6mm
UXGA 1200×1600pixl 192万画素 127.0mm 169.3mm 169.3mm 225.8mm
1536×2045pixl 315万画素 162.6mm 216.7mm 216.7mm 289.0mm
1704×2272pixl 387万画素 180.3mm 240.5mm 240.5mm 320.6mm
1920×2560pixl 492万画素 203.2mm 270.9mm 270.9mm 361.2mm
1944×2592pixl 504万画素 205.7mm 274.3mm 274.3mm 365.8mm

【出力時のプリントサイズとサイズ変更】
インキジェットプリンタの場合
以上の事が分かったら印刷する為に画像解像度を変更しましょう。画像処理のソフトは色々ありますが、ここではadobe社の「Photoshop」で話を進めます。このソフトMac、Winともそろっており、低価格版の「Photoshop Elements」では1万円強で購入できます。また「Photoshop Elements」が添付されているデジタルカメラもあります。

〈解像度を変えてサイズを決める。〉
まずファイルブラウザから画像を選び画像を開きます。この際、H 図)の様なメッセージが出てきた場合、インキジェット出力が目的なら編集をプルダウンしカラー設定を開き、設定を[Webコンテンツ作成用設定]にして開きましょう。(一般カメラ、プリンタはほとんどsRGBという色域を使用してます)I 図)

疑似階調方式プリンタの階調表現二方式
静電式カラーレーザーで一般的に使用されるパターンティザ法より、
インキジェットでの誤差拡散法の方が写真表現には優れている
 H 図)
 I 図)
 J 図)

開いたらイメージをプルダウンし画像解像度を開きJ 図)のように、“画像の再サンプル”のチェックをはずします。 解像度の覧に数値を入れて“OK”にします。大体カメラは72dpiが多いようです。
これを変えると瞬時にドキュメントのサイズで幅、高さの数値がかわるので、プリントの大きさを判断できます。

 K 図)

〈サイズ変更〉
この大きさではプリントが大きすぎる。L版で充分だとおっしゃる方は、そのまま解像度を大きくしていけば、ドキュメントの寸法が小さくなります。
ただ画像データ量は変らないので、出力効率をよくする為に画像自身を小さくするリサイズ方法もあります。
“画像の再サンプル”にチェックをいれ、上のピクセル数の単位を%にして値を入れます。K 図)
欲を言えば、ピクセル数が割切れる数字が望ましいのですが、絶対的なものではありません。単位を変えて%指定もできますし、ドキュメントサイズで印刷の寸法を指定する事もできます。
これで解像度は変らず寸法及び、データ自体が変更します。

 L 図)

〈プリンタの設定〉
各社プリンタドライバにより内容は異なりますが、用紙設定で紙サイズ。印刷設定で、プリンタ解像度を指定しましょう。
用紙設定から用紙サイズ、方向を指定します。

次に印刷設定で、用紙の種類を使用するペーパーの物で選びましょう。
プリンタの解像度ですが、これはエプソンPMシリーズの例を上げると、モードの“推奨設定”では最高解像度ではありません。一般ものでは問題ありませんが、高画質な写真を望むなら“詳細設定”にして〈現在の設定〉から“高精細”を選ぶか、または“設定変更”のダイアログで“スーパー”にチェックを入れれば、最高解像度で出力できます。M 図)

 M-1 図)
 M-2 図)

〈プリントプレビュー〉
「Photoshop」の便利な機能としてプリントプレビューがあります。出力前にプリントサイズ位置を確認できます。ここでも比率で%を指定したり、プリントサイズ合せて自動的に拡大縮小もできます。
プリンタの中には「用紙にフィット」なる項目で用紙サイズに合わせて印刷できるドライバもありますが、高画質写真を望む場合は「Photoshop」側でリサイズした方が、結果は良いと思います。

プリント拡縮小100%

プリントサイズを倍率で指定

プリントサイズに合わせる

以上プリントする為の解像度の内容を述べましたが、最近ではDP店でデジタルプリントが結構安価に出力出来るようになりました。「フロンティア」という機械が多いのですが、ずいぶんデジタル写真も手軽になってきましたね。

フォーサーズ規格カメラOlympus E-1

さてまたまた新製品のご紹介であります。
今回オリンパスよりレンズ交換式の一眼レフデジカメの登場です。
その名も「Olympus E-1」。
あ、そう、一眼デジカメの新製品最近多いねぇ、とあまり感激示さない方も多いかも知れませんが、実はこれ以前このサイトでも御紹介しました「フォーサーズ」という新規格始めてのデジタル一眼レフカメラでございます。
他メーカの一眼レフのように現状35mm一眼レフの規格をそのままデジタルカメラ化した物と違い、デジカメ本体からレンズまで全くの専用設計です。受像素子サイズは4/3型CCDでAPSより若干小さい17.3×13.0mmで500万画素。交換レンズ郡もズイコーレンズが5本用意されました。また、なんでもレンズ交換時に入り込むホコリをCCDに付着しない様に、超音波振動を利用したスーパーソニックウェーブフィルターが設置されているそうです。発売は10月だそうです。
このOlympus、Kodak、Fujiの「フォーサーズ」というデジタル一眼レフ専用統一規格、小型軽量のマウント、ボディという利点をうたって他2社からも発表になるのではと思います。

さて今回は、分かりにくいプリンタの解像度についてご説明申し上げました。
まだこれでも分らんゾィとおっしゃる方いらしゃるかも知れませんが、これ、ひとえに私の説明のいたならさ、ご勘弁していただきたく存じます。
実は色々な方々から、
(ほんとは社員で自分では何もせんと、色々聞きたがるおっさんが1名だけですが)
色々なご質問がございまして、
(といっても、色、いろ.イロの話なのですが)

イロイロ検討した結果、この中で「なぜモニターで見た色がプリンタで出ないんじゃ」と言う素朴な疑問に答えるべく、次回はプリンタのカラーマッチングについて述べたいと存じます。
では今回もご覧頂きありがとうございました。

第12回 プリンタででる色、モニターに映る色

【序章】
皆さんお久しぶりです。まずは“デジタルカメラ読本№12”が大変遅れてしまった事、深くお詫び申し上げます。
弁明その1といたしまして、9月に風邪をこじらせてしまい、それが元で肺炎をひき起こし、休んだりしたのが原因でございます。大体私、すぐに風邪をひく性質なのですが、夏風邪なんて始めてでして、ましてや“は・い・え・ん”などまったく持って自分には全然関係ないものと思っておりましたが、一応人並みに病気もするのでございます。
それにしても今年の気候は不純で、夏寒く、9月になれば暑さぶり返し、彼岸の頃も肌寒いかと思えば次の週は蒸し暑い、10月になっても9月の様な大雨は降るわ、時期はずれの気温にはなるわで、1日の中でも寒暖の差が激しく砂漠じゃあるまいしと思ったりもしましたね。いやはやのどかな日本の四季も節操のない情景となってきたものです。

さてさて前回の続きとしてプリンタの事に立ち入っていきたいと思います。
デジタルカメラで撮影した物をカラープリントしたい。紙にして見たい。とても当然の気持ちであります。しかしながらよくモニターで見た絵とプリントとは色が合わない。どうすれば良いのじゃ。と言う声を時に聞きます。まあ私も含めてモニターで見た色とプリンタでは色が違うという事は、実際皆さんもいつも感じている事でないでしょうか。

【プリントされた色がそれぞれ、まちまちで揃わない】
「色が違う」というこの言葉、実は私たちの作る印刷物でも当然起きることでして、正直な話、紙を変えたりすると同じ色が出なくなるのです。印刷屋さんの私たちはこの色の違いを合せようとしているわけです。人々はこれを技術と言うのでしょうか。(なんちゃって)
まあ星の数程ある全国の印刷屋さん、それぞれで同じ写真を刷ったら、微妙に色が違うなんてことも現実あるのですよ。恥ずかしながら。でも町のDP写真屋さんでもプリント焼き増しするお店によって色が違いますよね。あそこまではひどくないにしても、色の見本がないとそれぞれバラバラの物が刷れてしまうという事はありえます。ただ印刷は高価で商業目的がほとんどですから、我々プロフェッショナルとしては、見本に色を合せ、刷りはじめと刷り終わりの納品物でも一定のクオリティを持って刷り上げるわけです。
しかしですよ。一般的に出ているプリントだって、インキジェットあり静電レーザープリンタあり銀塩プリントあり様々です。同じ写真をいろいろな機械で出力したら色はバラバラになっても当然ではと思います。これらは少なくても紙ですよね。それに比べたらモニターとプリントなんて全然発色原理が異なるのですから、「あう訳ねぇじゃん」と言ったら怒られますかねぇ。

【先ずは印刷屋さんの立場から、印刷現状を申し上げましょう】
先ほども申しましたように、一般の印刷では例え同じ写真のデータであっても、会社、刷る機械、用紙、インキ、オペレータ、或いは時間や条件により、同じ色に刷れるとは限りません。ただ見本に合せ込む事は100%でないにしてもできます。その為印刷機で刷る際は必ず刷見本を添付する事が一般的です。まあ個々のお客さんの意向に沿ってきれいに刷る事が印刷屋さんの良し悪しだなんて世間一般では言ったりしますが。ところが週刊、月刊雑誌などに載っている広告などはいろいろな大手印刷会社で大量部数刷るわけですが、それぞれの週刊誌や、印刷会社によって、商品の色が異なるのではメーカーとしては困りますから、広告代理店や印刷屋さんに統一された色見で製品にしてほしいとの要望がでるのは当然の事です。ここで色見本となるプリンタやプルーフ(色校正)を統一し、各印刷会社の印刷機からの製品も品質の統一化しようという動きが、大手広告代理店を中心に起こっています。これを“雑誌広告基準カラー”(JMPA)と言いまして、オフ輪の印刷を対象とした色基準です。これを100%使用して雑誌広告をさせようとしている企業がトヨタ自動車です。
例えば、デザイナーさんが作るデザインをプリントしてお客さんに見せるわけですが、このプリンタが“雑誌広告基準カラー”に準じた設定になっておれば、最終印刷物まで統一した色見で確認できるわけですね。ここで各機種の異なるプリンタで“雑誌広告基準カラー”の統一された色のプリントする技術を“カラーマネージメントシステム”(CMS)と言いまして、いま我々印刷屋さんもカメラマンを含めたグラフィック業界では、注目されている技術なのですよ。
しかしながらこれらの技術をフルに使用して、統一したワークフローを行なっているお仕事は大量の大手企業でのお話、一応印刷基準を明確にしたISO(国際標準化機構)の「JapanColor」というものもありますが、一般の印刷会社での普及度はいまいちなのです。しかしながら今後はいかに基準の印刷ができるかという標準化が、印刷会社のレベル決める事になるかも知れません。

【デジタルカメラの色を正直に出すのは何?】
ちょっと話がプロの印刷屋さんの専門話になってしまいましたが、プロの世界でも印刷で、或いはプリンタで、出力される色はそろわないものですから、一般家庭用のパソコンモニターとプリントが色が合わない事も当然かもしれません。ではデジタルカメラで撮影した色の本当の色は、モニターの色かプリントなのかどちらなのでしょうか。これは実はどちらでもないのです。カラーテレビが並んだ店頭で見ると、それぞれ同じ画面でも色が不揃いである事で分かるように、パソコンモニターの設定でそれぞれ異なってしまうのです。またプリンタも出力ドライバによって、またその出力設定、画像を扱っているパソコンのアプリケーションソフトの設定によっても色は異なり標準とはいえないのです。ですからどちらも正直にデジタルカメラ画像を表現していないとなると、必然的にモニターで見た色がプリントでは違って見えるという事になるのです。

【デジタルカメラの画像データは単なる数値、それを表現するのはモニター】
デジタルカメラで撮影したのは、即そのまま絵柄を確認できるのは大きなメリット。この役目を一番多く利用している物が、モニターです。カメラにも付いている物は最近ほとんどTFT液晶でそれなりの性能ですが、写真の調子確認までは難しいので、ここではパソコンモニターのお話にします。
モニターは機種により発光色が異なる事は先ほど述べた通りです。パソコン機種によっても異なります。一般に“Windows”は「ガンマ」と言って調子が硬い、つまりコントラストがやや強め、色温度という数値は高くやや青っぽい感じです。“Mac”ではシャドー側も調子がつかめるような「ガンマ」の設定で、青みのないナチュラルなグレー発色の色温度設定が標準になっています。“Mac”の方が“Win”に比べモニターで見た時の印象は、地味ですが印刷に近い感じなのです。
さてデジタルカメラの撮影データを正直に表現するには、液晶、CRT問わずどのモニターでも基準をとる必要があります。これは例えで言うと、体重計が正確に計測しているかを「kg原器」を使用して誤差を補正する事と同じかな。私たち印刷業の職場ではデザイングラフィックを扱うマシンは“Mac”が多いのですが、特に色の修整作業するパソコンでは、モニター自身をモニターキャリブレーションといって、測定器を使って数台のモニターを合わせています。

液晶モニターの測色

CRTをキャリブレーションしているところ、グラフィック専門の職場では必須ツールになります。色々なメーカーがありますが、単独では5万円前後でしょうか

一般では測定器を購入するなんて考えられませんので、もし正確に色をモニターで見たいというなら以下の方法でモニター調整をしましょう。
この方面(グラフィック業界)では“Mac”を使用している方が多いので、すいませんが“Mac”で進めさせて頂きます。

1)先ず「システム環境設定」より「ディスプレイ」を選び、上部のタグを「カラー」にし、補整をクリックして「ディスプレイキャリブレータアシスタント」を表示させます。ここでは精細モードにチェックを入れましょう。

2)次に進みディスプレイの明るさ調整を行ないます。表示画面にしたがってモニター自身のコントラストキーと輝度キーを調整します。モニターの機種によりそれぞれ操作が異なりますので、わからない時はモニターの取説を見ましょう。

余談ですが、コントラストキーはモニターの白の明るさの調整で、輝度とはモニター自身の明るさですが、実際は黒い部分の濃さが変化します。

3)R・G・B各スライダーで画面指示に従いカラーバランスを調整します。これはモニターからの赤緑青が揃えるためのための操作です。特にCRTモニターは購入時より正確な表示になっているとは限りませんので、RGBで調整しましょう。
「ディスプレイキャリブレータアシスタント」の最初に精細モードにしないと白黒の調整だけになってしまいます。

4)ガンマ調整は1.8を選びます。
Windowsではγ2.2です。

5)使用するホワイトポイントではD65を選びます。これは通常蛍光灯照明下で、日中の太陽より少し赤め、印刷の場合はD50が標準ですが、高価格ディスプレイでないと正確に色温度が出ず黄色っぽくなりすぎますので、一般モニターではD65が適切でしょう。

6)適当なプロファイル名を入力し、作成をクリックする事でモニタープロファイルが作成されます。後はディスプレイのカラータブで作成した物を設定しましょう。

これで一応デジタルカメラの画像を正直に表示している事になります。モニターは経時変化しますので(特にCRT)この調整は定期的にやる方よいでしょう。またモニターを交換したりマシンを交換した時も同じです。
またモニターを見る場所は窓際など自然光によって左右されない部屋で、一定の蛍光灯下にしましょう。
(物を見る場合、周りの光で色が変わってしまいます。そこで印刷など画像の専門業では演色性光源という色評価用の蛍光灯を使用して、一定の色温度光源下で作業しています。)

室内光を演光性を確認する簡単なチェックシート。印刷の営業によってはこれを携帯してお客さんに伺う人もいます

【モニター表示とプリンターでのプリント、2つの色】
モニターとプリンタにはこの図-1)のような関係があります。

図-1)
カラーマネージメントはデジカメデータを一度絶対的な色信号(デバイスインデペントカラー)に変えそこからモニターやプリントの特性を持たせたプロファイルを通訳として表示や印刷する。これにより色の表示を統一する

デジタル画像の色はデータ上では単に数値です。これを表現する時、モニターの明るさや、プリンタでの紙、インキの特性によって表現が異なります。ですから色が揃わないのです。これはそれぞれ機械の“個性”で異なるのですから、先ほどのモニター補整で作ったモニタープロファイル(個性)をつかんで表示すれば、モニターの癖は一応押さえられ正直な色が再現されるのです。正直に再現されたモニターの色をプリンタで同じように表現する為には、やはりプリンタの個性(プロファイル)をつかむ必要があり、このモニターとプリンタの2つのプロファイルふまえて出力してやれば、理論上はモニターとプリントとのカラーマッチングができる訳です。
これらの操作を冒頭でもいいましたように「カラーマネージメント」といい、プロの作業で使用する技術やツールを「カラーマネージメントシステム」(CMS)といいます。カラーマネージメントはパソコンのOSを利用して行なう事が一般的ですが、このジャンルにおいてはWindowsよりMacに一日の長があるというのが、一般的概念です。デザイナーや印刷関係、フォトグラファーなどがわざわざMacを使う理由の一つはここにあるのです。

【プリンタープロファイルは色を変える】
さて皆さんが良くお使いのインキジェットプリンタですが、最近の物はかなり高性能、しかも結構安定したプリントを出力してくれます。またモニターで表現できない様な彩度の高い色も表現してくれます。もっともモニターやデジタルカメラで表現できないような、高い彩度は表現しきれませんが。
さてこのプリンタのプロファイルを出力プリントから作成する事は出来るのですが、作成キットが結構高価で、一般的ではありません。そこでメーカーでの純正プリンタ用紙には、その為のプロファイルが提供されています。これを使用すれば基準となるプリントができます。これはプリンタ機種もさることながら用紙に合っていないプロファイルを使用すれば、色も異なりますので用紙に記されているプロファイルを使用してください。

【カラーマネージメントしてみましょ】
さてそれでは、カラーマネージメントを使いマッチングさせてプリントをしてみましょう。カラーマネージメントを行なう場合、アプリケーションソフト側で行なう場合とプリンタ側で行なう場合があります。ここではまずエプソンのプリンタドライバを使って行なってみます。使用するアプリケーションは「Photoshop」です。

1)プリンター側で色合せ
使用するプリンタを選び、プリントする画像を「Photoshop」で開きプリントプレビューを表示させます。
下方にある「その他のオプション」をチェックしプリント側に「カラースペースの変換しない」を選びます。

次にプリントからプリント画面を出し、右のように印刷設定で使用する用紙の種類をポップアップメニューで設定してください。メーカーの純正紙でない物にも一応明記された物を指定しましょう。

モードは「推奨設定」になっていますから「精細設定」にし、品質の高い紙の場合は印刷品質も高い設定にしましょう。

最後に「カラー調整」からColorSyncを選びプリントします。

2)アプリケーションで色合せ

1)の方法はプリンタのドライバーを使用して色合わせしプリントする方法ですが、「Photoshop」など高度な画像処理を使っている場合は、プリンタドライバ側の補整設定をオフにして、アプリケーション側にて補整する方法もあります。フォトグラファーはこちらの方を使用するようです。

「Photoshop」では、どのように印刷されるかをモニター上で確認する方法があります。ビュー/プルーフ設定/カスタムを選択します。 プロファイルポップアップメニューでプリンタプロファイルを選択します。 「プレビュー」をオンにしてカラー変換による変化をモニター上で確認できるようにし、「OK」をクリックします。 ビュー/色の校正を選択してソフトプルーフのオン・オフを切り替えることでプリンタの色が分かります。 これは図-1)のAに相当します。

「Photoshop」のプリントプレビューのカラーマネージメントを出し、右のように「ドキュメント」を指定。「プリントカラースペース」はその使用するペーパーのプロファイルを指定します。
「ドキュメント」は「Photoshop」の使用しているカラースペースが表示されます。一般コンパクトデジカメは“sRGB”プロ用は“adobeRGB”が多く、最初に「Photoshop」の「カラー設定」でカメラで使用しているスペースを設定しておきます。また画像を開いた時に指定や変換する事もあります。

次に忘れてはならない事は「Photoshop」のプリント画面の「カラー調整」では必ず「色補正なし」を選びプリントします。
(これを怠ると2重処理になり、不正な色でプリントが進む) 色が合わない時などは「黒点の補正」や「マッチング方法」を「相対的な色域を維持」に変えるなりして工夫してみてください。

以上2種類の方法を紹介いたしましたが、必ずどちらかの方法に統一して行ない、色々と試してください。

一応この方法でモニターとインキジェットプリントをそろえる訳ですが、元々反射光で見ているプリントと発光しているモニターでは、質感のような感じが異なりますのでご了承ください。いずれにしてもモニターはちゃんと調整する事が必須です。
まだ不満のある方は、笠井享氏という方がコマーシャルフォト誌の別冊「デジタルプリント」(玄光社)という書籍で書かれているのですが、図のようなチャートを画像として作り、自分のプリンタで出力します。これを見てハイライト、シャドーの四角がどこから見えるか、灰色に見えるバックの中で同じに見えるグレー(灰色)の四角がどれかを探して、その四角の設定した数値でPhotoshop上で画像を補整して出力します。またグレーのグラデーションの帯を見て色の「あばれ」がないかを確認し補整するなど、結構高度な事が書かれています。もし興味のある方は2002年出版ですが注文して見たらいかがでしょうか。http://www.genkosha.co.jp/cp/dgpr.html

シャドー、ハイライト、6色の階調表現の限界やグレーの色浮きや中間調のグレーバランスを確認する為のチャート
秋の新製品!ですワ

さてさて今年の秋は期待のカメラがプロ機アマ機問わず続々と出そろいます。
まずはハイエンドカメラから
ソニーのから最上位機種「Sony Cybershot F858」が登場します。他メーカーのデジタルカメラのCCDはSONY製が多いのはご存じかと思いますが、このカメラはそのCCDが他とはちょっと違います。このカメラの800万画素CCDは通常3フィルターなのに対して4フィルターになっています。レッド、グリーン、ブルー以外にエメラルド色が追加されているのです。何でも人の目に近い色再現ができるそうです。レンズは以前より誉れ高きカール ツァイスレンズで35mm換算で28mm~200mmのズームです。

コニカと合併したミノルタも最上位機種「ディマージュ」が「ディマージュA1」として登場しました。「Sony Cybershot F858」の好敵手ですが、手ぶれ補正機能が付いているのが強みです。

以前にもこのサイトでご紹介しましたフジフィルムの「FinePixF700」。全くのコンパクトカメラなのですが、搭載されているスーパーCCDハニカムIV「SR」という新型CCDがダイナミックレンジが広い優れものなのです。先月これで撮影した画像を見させていただきましたが、デジカメとは思えないくらいハイライトの調子が良く出ており、我々印刷屋さんからするとこのようなデータが入稿してくれると大変嬉しいなと思った次第です。プロ用カメラが皆このCCDの様になってくれると誠に有り難く思うのです。

続きまして一眼レフタイプです。
前回もお話しましたオリンパス光学のデジタル専用のレンズ交換式一眼レフ「Olympus E-1」。内容は前回お話した通りです。

現在のデジタル一眼レフカメラの先駆けである日本光学では待望の「NikonD2H」が10月下旬の発売になりました。全く新しい画像素子「LBCAST」を備えた新型機、報道用プロでも満足できる様、タイムラグや連写性能がぐっとアップしているとの事です。さすがデジタル一眼レフのリーダシップ機ですよね。

アサヒペンタックスからも待ちに待った初のデジタル一眼レフ「*ist D 」が登場。ペンタックスユーザーはこれで“FAレンズ群”を使用できるようになった訳です。デジタル専用レンズも何本か加わる様です。このカメラの特徴はなんと言ってもその小型軽量さで他機種よりひと回り小さく重さもボディだけで550g、そのコンパクトさはこのメーカーの伝統でしょうか。

さて最後の締めはキャノンから登場した一眼レフ「EOS Kiss デジタル」。これはフィルムカメラ「EOS Kiss 」のデジカメ版で、ペンタプリズムや外装などの工夫により、兄貴分の「EOS10D」より小型軽量の製品に仕上がっているのです。それよりも「EOS Kiss デジタル」の最大の特徴は実は価格にあるのです。
最近の普及型デジタル一眼レフカメラはボディ価格がだいたい20万円弱ですが、「EOS Kiss デジタル」はなんと12万円、レンズ込みでも14万円ほどでしかもキャノンのご自慢の「CMOS」センサーと画像処理エンジンの「DIGIC」は「EOS10D」と全く同じ。画質もなんら変わらないというお買得カメラなのです。これではレンズ交換できないハイエンドカメラの購入を考えている人にとっては、本格的な一眼レフを買おうかなと思わせる魅力的なカメラなのです。
う~んでも他のカメラメーカーにとってはこの価格一大事って感じでしょうね~。

弟分と兄貴分
兄ぃちゃんよ~外面素材はちと控えめやけど、中身じゃ負けやへんでェ

さて皆さん今回のデジカメ読本いかがだったでしょうか。
久しぶりの登場で時期が遅くなった事、重ね重ねおわび申し上げます。
大変申し訳ありませんでした。

今回カラーマネージメントのお話も出てきましたので、次回はカラーマネージメントについて進んでいきたいと思います。
今回もご覧いただきありがとうございました。

第13回 カラーマネージメントシステムってなんですか

【先ずは四方山話】
2004年になり第1回目のデジタルカメラ読本であります。今年もよろしくお願い申し上げます。去年に引きつづき、今年もこのデジカメ読本「とっぷりゆったり」がんばらせて頂きます。もう、別の話題にして、そろそろ本業の印刷に移らんかいとの社内の声にもめげずに、13回目の公開であります。


英語の先生を中心に記念撮影。デジカメの撮影画像をその場でお見せすると、皆さん「オー」とか「ウ~ン」とかおっしゃっていました。このあたりの感嘆詞は万国共通の様です。

さて私事ながら、先日古くからの知合いの女性から、オーストラリアからのお客さんが見えているので、遊びに行きましょうと誘われました。実はこの女性の職業は通訳と英会話の先生だったのですね。
「ぜひに場を盛り上げてちょうだいな」、とのお言葉、「よしゃ任せときぃ」とばかり答えたのは良いのですが、ふと考えてみれば、数多い私のウィークポイントの一つに「語学力」というものがあるのに気が付きました。早い話が英語がまるで駄目。大体が大学受験も英語の点数が他の学科に比べ極端に低いが為に、(いわゆる足切り点)数々の所からお断りの通知。最後に某大学に引っかかったという輝かしい経歴の持ち主なのであります。(情けなや)
そんな訳で不安の中、待ち合せたオールディーズのライブハウスのお店に出かけたのですが、私の場合はどうも口答の会話よりも、手足を使っての形態表現によるコミニュケーションの方が相手に通じるのだという事が分かった次第でございます。
まあ、手話であろうとモールス信号であろうと、はたまた手旗信号であろうとも、要は相手に自分の意志が通じればよろしいので、そこはヒューマンコミュニティの世界、これで国際人の仲間入りだとかなり飛躍した勝手な解釈をしてまいりました。

 さて地球上の人々の言語様々で意志疎通が図れないのは、旧約聖書によると思い上がった人々が「バベルの塔」を築いた時に神の怒りにふれたからだそうです。
 30数億の人間が住む地球に何種類の言語が存在するのか存じませんが、言葉が違う事で意志疎通が図れないのでは、国際会議もできませんから通訳を通して行ないますよね。
 実際上、今は英語が共通言語として役割が大きのでしょうか。

【コンピュータ同士のコミュニケーション】
 コンピュータの世界でも“Windows”や“Macintosh”など色々なOSがあり、コンピュータ自体をOSというプログラムで動かします。データを違うOSのコンピュータに渡す時は、コンバートソフトを利用して行なうのですね。昔は“AppleExchenge”などを使用して「MS-DOS」パソコンから“Macintosh”に移動するなどしてましたが、最近結構データの共有しやすい環境になりネットのインフラも進み“Windows”や“Macintosh”もあまり意識せずに済むようになりました。また共有して使用出来る書体(OpenTypeと言います)も普及しつつあります。しかし、以前はワープロからの文章を「MS-DOS」パソコンに持っていく場合は、必ずワープロコンバータなるものが必要でした。人で言うと通訳ですね。しかしながらこの通訳さん、“NEC”や“富士通”などメーカー毎に違うので、いちいち買わなくてはいけなかったのですね。人間でもドイツ語通訳イタリー語通訳と人が違いますが。でも最後は“どんなメーカーでも変換します”という変換テーブルを持った通訳さんが現れて終止符となりました。
 どんなもんでも「Dos恋(どすこい)」、というお相撲さんみたいなふざけた名前のコンバータソフトでしたが、これ便利でだいぶ助かりましたよ。“もっと早よぅでてくれとりゃよかったによぅ”、と正直なコメントです

 

【さて色の世界では】
 今述べたように、文章の場合は文字コードがそれぞれのコンピュータOSにより異なる場合、或いは文字を持っていない、認識してない場合は違ってしまいます。“Windows”で作成した文章が“Macintosh”で見ると正確な文字で出てこない場合があるのです。これを我々専門業者の間では「文字化け」と言っております。(しかしながら変な単語)
 これは文字ファイルでのお話でした。色の世界でも文章とは毛色の異なる内容ではありますが、似たような事が起こります。
 前回12回号でも述べましたが、同じデータを違う媒体で出力や表示をしますと、勝手気ままな色で出てきます。「インキジェットや静電プリンター、印刷やDPEでのプリント、モニター、同じ出力方式でもメーカーや印刷屋さんによっても色がまちまちで揃いません!」と言う事です。もちろんコンピュータのOSによっても色表現は異なるのです。
 これはそうですね、同じ日本語でも地方での“方言”みたいな感じでしょうか。文字のように“文字化け”で全く意味が違ってしまう様な事ではありませんが。まあ言葉(色)は理解できるが、方言(プリント)では感じが違うなぁ。そんなニュアンスでしょうか。で、「おいら江戸っ子だから関西弁は嫌れェでェ」とか東北弁で恥ずかしがる人や、はたまた「女性の京都弁って良いなあ」と思うなど…、その評価には感情も入りますね。それぞれ方言に親しみや好みはあるでしょうが、日本標準語(画像元データ)のボイス(色評価)としては、ずれているのですよ。

 さあここで文字のお話ではありませんが、通訳さんのご登場となります。
 通訳さんというより、ここではNHKのアナウンサーでしょうか。このアナウンサーによってニュースの原稿(画像データ)を正確に読み上げます。暗い事件も明るいトピックス(暗い写真、明るい写真)も正直に伝えます。
 またTVで方言のある地方に行きインタビューをしたとします、標準語で相手と会話をして、正確に読み上げたり、方言を標準語にして伝えたりしますが、これを画像で言うと「カラーマネージメントシステム」(CMS)という事になるのです。
 ではこのアナウンサーはどこの誰でしょうか。
 文字での通訳は「どす恋」をはじめとした単独のコンバータソフトです。画像の場合、アナウンサーの「カラーマネージメントシステム」(CMS)は単独のアプリケーションソフトよりもどちらかというと、コンピュータ基本OSにゆだねているといった方がよろしいのです。フリーのアナウンサーではなく、所属は“NHK”といういう事と同じですね。つまりは“WindowsOS”や“MacintoshOS”がこれに当ります。
 “Windows”には「ICM」、“Macintosh”の場合は「ColorSync」というプログラムが基本OSの中にすでに入っており、設定を正確にさえすれば、これらが働きモニターの色やプリンタでの出力を元画像データから合せ揃えて出力するのです。

【カラーマネージメントシステム(CMS)を使った場合と使わない場合では】
 ここで、前回12回での(図-1)で述べた事を、もう一度モニターや色々なプリンタ、印刷機により、色が揃わないという内容をおさらいしてみましょう。
 デジタル画像データを人の目が感知できる自然の「色」を「印刷物」として見るためには、モニターを始めとしたプリンタなどの出力装置を介して表示する事になります。これら出力装置をデバイスといいます。実はモニターもプリンタなどと同じ出力装置でして、デバイスの一種なのです。

 A図)は“CMS”を使用しない場合を描きました。
 被写体はデジタルカメラの場合撮像素子(CCD、CMOS)でデジタル画像データに、銀塩カメラの場合はフィルムをスキャナでそれぞれデータ化し、パソコンで見る場合はディスプレイモニターで、紙にして見る場合はプリンタ出力を行ないます。この場合それぞれのデバイス(出力装置)での発色の仕組は異なるため、表示した色はそのデバイスにより違った色に見えてしまいます。

 今度は“CMS”を使用した場合をB図)に描きました。
 それぞれのデバイス(出力装置)は固有の発色傾向を持つ為に、一度デバイスに依存しない色信号(色空間)の数値に書き直し、これにて制御、見た目での色の差を補整していきます。これがカラーマネージメントシステム(CMS)です。デバイスに依存しない数値化された色空間は絶対的な値で「デバイスインディペントカラー」と言います。
 このように入力からの色信号は「デバイスインディペントカラー」に置き換えるのですが、ここで各デバイス固有の色再現を把握した「ICCプロファイル」というファイルを利用して出力時の特性を補整して行きます。C図)
 これを操る「CMS」が「ICM」や「ColorSync」です。
 またマネージメントする物は出力系だけではなく、B図)のスキャナなどの入力機(場合によってはデジタルカメラ)も制御の対象になります。スキャナも同じ原稿をスキャンしても、機種により個性があって色に差が出るようです。

【ICCプロファイル】
 前回12回での(図-1)でも出てきたモニタープロファイルとかプリンタプロファイル、または「ICCプロファイル」とは一体なんでしょうか。
 プロファイル:日本語にすればプロフィール。横顔とか顔の輪郭              という事になるのでしょうか。ここではデジタル画像データをプリントやモニターで表現した時の、その機材の持っている癖のような物を数値化したデータファイルの事です。この人はアジア人だけど、米国国籍で英語しかしゃべれませんよ。だから話す時は英語で会話して下さい。という一種の名刺や認識票みたいな物ですね。
 このプリンタではこのような色で出ますからというその個性を事細かに示し、なお且つ記入したた内容を直ぐに公開できる様になっています。この公開内容は一般公開と、ごく限られた部門でしか内容が分からないものとがあります。一般に汎用できるものは「ICCプロファイル」と言います。“ICC”とは、「International  Color Consortiumi=国際カラー・コンソーシアム」という意味で、国際照明委員会の定めた規格に基づいて記述されているものです。つまりオープンでベンダーに依存せず、クロスプラットホームで利用できるような規格になっているようです。どんなOSでも、どんな使用するアプリケーションやドライバーでも解読可能なのです。一方解読できない物は、ある固有のメーカー等が単独で開発したシステムや機材の中にあるもので、あまり見かける事はないと思います。
 この「ICCプロファイル」を受け取り読む込む事で、個性ある出力機でも「CMS」は本来データの持っている色を正直に出す事ができます。逆に「ICCプロファイル」の精度が悪かったり、適切でない物を設定すると、とんでもない色になって見えてしまします。

【ICCプロファイルを作成する】
 「ICCプロファイル」はどうやって作成するのでしょうか。
前回12回ではモニターを標準化する方法を紹介しましたが、これもちゃんと「ICCプロファイル」を作成しています。この時はモニターを目視で行なう方法(目視の方法リンク)と、キャリブレーターという機械で行なう方法を取り上げました。制度的には専用測定器を使用したものの方が、標準化精度は高いのはもちろんです。
 さて次にプリンタや印刷物のプロファイルですが、インキジェットプリンタなどでは、購入時に、あるいはメーカーのWebで供給された物を使えば、まずは良いのではと思います。ただ最近のプリンタは結構安定しているのですが、私が使用している古~いプリンタなど(このプリンタ必ず年賀状作成時期になると調子が悪くなり、修理に出すとお正月開けに戻ってくる)、ある程度標準からずれているのではとも思いますし、純正ペーパーは高いから嫌だという方は、やはり出力されたプリントを測色し専用ソフトとパソコンを使って作成します。印刷物やレーザープリンタのDPEのデジタルプリントからでも同じです。
注)DPE店のデジタルプリントは一般的に自動修整がかかっておりますので、必ずしも撮影画像に忠実ではありません。ですから自動補整をOFFにしてもらってからでないと、正確な[ICCプロファイル]は出来ません。

 測定器やアプリケーションソフトはピンキリでして、安い物では測定器込みで十数万円位から200万以上するスイス製の物まで様々です。我々のような生産工場で使用するには、最終品質に影響しますのでそこそこの精度を必要とします。いずれにしても一般家庭用ではありませんね。

プロファイル作成ツール各社製品
写1)グレタグマクベスとモナコのカラーチャートパッチ測定ターゲットにする
写3)プロファイル作成アプリケーションのメニュー画面

 右の写真(写1)はプロファイルを作成する為の色々なチャートですが、これをプリンタ出力や印刷を行い、その後測定をし各設定値を埋め込んでデータを作成します。プロファイルは一種の変換テーブルですから、チャートのブロック状のパッチの理論色と実際の出力色のギャップをうめる為の測色です。色数も500色~1500色以上あるチャートもあり、なかなか大変なのであります。また印刷にしても不安定で、刷るたびに色が変わる様な印刷物からはやはり正確な「ICCプロファイル」は作成できません。

写2)印刷プリントしたチャートを測定、中にはプロッタでの自動測定もある

 「ICCプロファイル」を本格的に作るというのは、専用の機器を使ったり、測定されるプリント側の方も年中変動したりせず、それなりに安定したプリントが条件など、なかなか簡単な事ではないのですよ。じゃあプロの現場ではいったいこの「ICCプロファイル」をどのようにして使っているのでしょうか。ここはまた次回のお話と言う事にいたしましょう。

またまた新製品の紹介でございます。
 え~今回はデジカメの紹介にあらず、してなんの製品?
 カメラからデータをモニターで見て「あっぁ~、なんだこれは!」とがっくりし、わらをも掴みたい気持ちになった時、思わず涙が出てくるような商品名の画像処理ソフト。その名もズバリ
 「ピンぼけ・手ぶれレスキュー」!
 説明はいりませんよね。ピントの外れたりブレたりした撮影後の画像を、ピントが合ったように見せてこの写真を救っちゃおうという、なんとも情け深い仏さまみたいな画像処理ソフトなのです。
 カメラには手ぶれ防止機構の備え付けられている物があり、撮影時にできるだけ条件よく絵をデータ化する物もありますが、これはカメラとは関係ない全くの後処理で、windowsマシン上で動くアプリケーションソフトです。
 値段はパッケージ版で4,800円と個人レベルで買えるお値段、詳しくはこちらをご覧になって下さい。
http://www.corpus.co.jp/

 早速あわて丸の私くしめ、しめしめとばかりお試し版で試してみました。しかし使用方法がいまいち慣れていない為か、仏さまと言う程ではありませんでしたが、内容によっては文字どおり非常用に救える事もあるかも知れません。また、通常使うPhotoshopの貧弱なシャープネスフィルタから比べると、色々な効果を持つパラメータがあり、シャープネスの工夫による表現はなにか期待できそうですね。ちょっと使いこなすには時間がかかるかも知れませんが、私達印刷屋さんにとっては、カメラマンと違い撮影元データがない状態で入稿してきますから、その分修正する範囲にも限界がある訳です。そこでこのような物で写真をよく見せる事できればと思うのは当然なのです。
 ところで当社のカメラマン氏曰く「うぬ、こりゃぁプロにゃぁ必要無いソフトだなぁ」、一方もうひと方のカメラマン氏、「もしこのソフトほんまもんなら、いざと言う時には助かるなぁ」だって。
 助かるなぁと言ったカメラマン、最近ロケが条件の超悪い撮影でして、その上厳しい御注文お仕事を後処理で補っていて、かなりお疲れぎみだったのです。同じ忙しい撮影をなさっているお二人ですが、片やスタジオ、片や条件の悪いロケ撮影と、状況によっては意見も変わるものでございます。でもプロのカメラマンってほんと体力勝負なんですよ。ご苦労さまです。


撮影のまま(ピンぼけ)
いきなりシャッターを押すとご覧のようにピントが合う前に写ってしまいます。
撮影時はシャッターボタンは半押しで構え、
ここぞという時に軽く静かに押しましょう。

ピンぼけ・手ぶれレスキューで補正後
フェイドというフィルターを使って補正してみました。ピンの甘さが若干よくなっているのが確認できますか
 

撮影のまま(ピンぼけ)

ピンぼけ・手ぶれレスキューで補正後

 さて今回はいつも以上に分かりにくいカラーマネージメントお話。最後までおつき合いいただきありがとうございました。