第3回


さて皆さん今年の暑〜い夏から一転、秋も本番といったところいかがお過ごしでしょうか。
太田原は今年の夏の猛暑はシュノーケリングを大いに楽しみまして、というか、満喫し過ぎでそれが影響してか、このデジカメ読本3回目が遅れてしまい、深くおわび致します。
さて今回よりデジタルカメラの構造について2回にわたり、お付き合い願いたいと思います。
そこでごく簡単な質問、デジタルカメラのカタログ仕様に○○万画素ってあるけど、これって何でしょうか。

先ずはその前に簡単なカメラの仕組について。
自動車が発明された頃のT型フォードも最新型のフェアレディも、4つのゴムタイヤを回転させて路面を走る事ではしくみは同じで、ここ何十年変っていません。これと同じでデジタルカメラもフィルムのカメラも基本的な構造はみな同じです。
A図、B図の様に光をレンズに通して結像させる。この間には光量を調整する絞りや、光を制御するシャッターがあります。違うのは画像が写る受光面が異なるという事で、皆さんご承知のとおり写真としての記録が、かたやフィルム、そしてもう一方がデジタル処理による電子的記録法、つまりコンピュータ処理なのでありますねぇ。
これって飛行機でたとえると機体翼の流体力学で空を飛ぶ原理は同じだけど、プロペラレシプロ機からジェット機に進化した様に、エンジンが入れ替わった事で機体構造も変り、飛躍的に性能が上がった事に似ていませんか。大変な技術革新だと個人的に思うのですが、ちょっと例題が飛躍し過ぎたかな。

●ここで2つの違いを見てみましょう

A)35mmフィルム一眼レフの内部   B)一眼レフタイプデジタルカメラの内部
 

《フィルムカメラでは》
フィルムの場合は化学的処理の現像により絵を見る事ができる事はご承知の通りです。ネガ、ポジともフィルムは薄いベースに感光性の乳剤が塗られている訳ですが、撮影するとカメラのレンズを通して光が入ります。この露光によりフィルムに絵が焼き付けられ、その後の現像でフィルム上に色が表われてきます。

C)カラーリバーサルフィルム現像のしくみ
フィルムの三層の乳剤面中のハロゲン化銀が、露光により潜像ができ、その後の現像で銀が黒化する。   第2露光発色現像にてハロゲン化銀を用い、各層のカプラーと言われる小さな粒子を発色させる。   漂白工程にて脱銀し、黄、紅(マゼンダ)、藍(シアン)の3色の色の粒子が残り、それをフィルムベース面に定着させて、リバーサルフィルム現像の終わり。

《デジタルカメラでは》  
デジタルカメラの場合は受光面に映し出された画像を直接電気信号に変え、その後LSIなどで処理し、画像ファイルとしてメディアに保存されます。
ここでフィルムに代り登場するのが、光を電気信号に変えるCCD(Charge Coupled Deviceの略)と言われる電荷結合素子です。これはフォトダイオードでして、D図のようにシリコンチップ上に小さな感光素子が面状にならべてある平面センサーです。
最近ではCCDではなくCMOSという素子を使用するメーカーもありますが、やはりCCDが多いようです。
このCCDからの電気量(アナログ)は一時的に蓄積され、その後信号処理回路に転送し、読込ませた後デジタル信号に変換(AD変換)、画像記録データへと信号処理回路を通じてデジタル変換が行なわれていき、モニター表示したり、メディアに記録されていきます。
この処理には、とても重要なホワイトバランスとか色分解、モニタ表示するガンマ変換、圧縮処理などがあります。まあ早い話、デジカメの小さなボディの中は、フィルムカメラと比べ物にならないくらいに、処理装置がいっぱいあって、一つのコンピューターなのですね。

D)



《CCDの原理》

D図はデジタルカメラのCCDです。平面状のチップに碁盤の目のような格子状に並んだ多数の画素から出来ています。(トンボの目みたいに複眼なのですね。)これに光があたると半導体内に電子と正孔が発生、電子は電極に引きよせられ、蓄積されます。この電子は隣りの画素の電極の下に次々と転送され、読み出し装置で順番に電子数が電圧として読取られます。この電子数が光の強さを表わす事になります。これが画像を作る電子信号という訳です。

●デジタルカメラの画素数
さてレンズを通って受光面に絵を写すところまでは、基本的にフィルムカメラと変わらず、通常カメラのフィルムに相当するCCDが、デジタルカメラの重要なところ、そしてこの撮象した画像データの品質と大きさ、またその処理内容がポイントである事は、お分かり頂いたと思います。 そこで冒頭の何万画素というお話になってまいります。
CCDの説明でお分かりかと思いますが、デジタル画像という物はフィルムがアトランダムの小さな粒子で出来ているのに対し、CCDからの電気信号によって作られた碁盤の目状の四角なピクセル(画素)が並んで成り立っています。
デジタル画像をパソコンで拡大していくと、写真の様なモザイクになっている事が分かります。 デジタルカメラのカタログ仕様で必ず出て来る、「300万画素」などという言葉はこのピクセル(画素)の総数にあたります。
例えば413万画素のデジタルカメラでは、このモザイクが縦1734個、横2384個で単純に乗算して面積計算したものが413万という事になります。つまり画素数は、写真サイズそのもので、その情報量により保存画像データ容量も変わります。


(画素数)
下の【表1】にデジタルカメラの主要画素数を明記しました。
ここでの印刷寸法は350dpiで印刷会社で印刷した場合の寸法です。
【表2】はモニタの解像度です。
これはモニタがどれだけの情報を表示できるかを示すもので、ドット数が大きくなれば広いエリアが表示できます。その代わり同じ17インチモニタならその分、表示文字などは小さくなります。Windowsでは画面のプロパティ内のディスプレイの精細で、Macはコントロールパネル内のモニタで、それぞれ変更できます。
もしデジタルカメラの解像度指定の中でXGA(79万画素)を選んで撮影し、自分のパソコンのモニタ解像度を1024×768ドットにしてこの画像を背景に指定すると、そのままの絵が表示されます。192万画素での撮影では、モニタでは入りきれなくなります。これを頭に入れておけば、Webなどで見る画像がどの程度の画素数か、ある程度の目安になるかと思います。

【表1】 デジタルカメラの画素数について
デジカメ有効画素数 350dpiでの印刷寸法 画像ピクセル数
194万画素 116mm×87mm 1600×1200 pixel
321万画素 149mm×112mm 2048×1536 pixel
398万画素 165mm×124mm 2272×1704 pixel
495万画素 186mm×139mm 2560×1920 pixel
610万画素 220mm×146mm 3026×2018 pixel


【表2】 ディスプレイサイズの画素数
規格名 縦横画素数
(pixcel)
総画素数
(画素)
VGA 640×480 30万
SVGA 800×600 48万
XGA 1024×768 78万
SXGA 1280×1024 131万
UXGA 1600×1200 192万

MACでのモニター
解像度変更画面

Winでのモニター
解像度変更画面
E)

(ちょっと一言)

Canon EOS-1D
ところで一般的に画素数の高いカメラが高級高価格機に近いので、画像品質が良いように思われがちですが、決してこの画素数が高いから、品質が良いという訳でなく、画像品質はもっと別な複雑な要素(レンズ、データ処理のソフトハード能力、CCD自体の性能、使用感、システム、その他)により左右されるということです。
確かに画素数が多ければ解像面では有利ですが、色合い調子シャープさなどの複合的要素も評価のうちです。

Canon PowerShotG2
極端な例ですが、“Canon EOS-1D”というプロ用のカメラは415万画素、かたやハイエンドアマチュア用カメラ“Canon PowerShotG2”は400万画素、解像度など品質的には“Canon PowerShotG2”も評判は良いのですが、同じ画素数でもやはりプロ機にはかないません。価格だってプロ用はボディだけで約75万、“Canon PowerShotG2”は全部で約11.5万円、カメラ本体もレンズ、画像処理なども、カメラとしての位置感、ランクが異なるので、評価する方が間違いかも知れませんが、要は画素数だけで品質評価できるほど単純なものではないと言う事です。

(ちょっと余談)
今年の日韓ワールドカップですが、スポーツカメラマンが雨中持っていたカメラ、“Canon EOS-1D”多かったように思いますねがねぇ。気がつきましたか?
なに!世界の一流プレーヤーのワールドチームなんて、めったに見られない。その試合が1日3回もあるんだ。カメラなんか見てられるか!おまえはどこ見てんだ!
ハイ、すいませんでした。


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