第1回 デジタルカメラの便利さって何?

(1) 撮影がその場で見れるよー。
ご存知のごとく最大のメリットは、撮影直後の画像をそのまま瞬時に確認できることです。かなり低価格のカメラ以外はカメラ本体に液晶モニターがついてます。これで被写体の様子からアングル、露出、色味(ホワイトバランスの調整)を見て、う-んいまいち、じゃあもうワンショット行こうかな。と言ったぐあい。
実際、プロカメラマンでもポラ撮影時にしっかりしたパソコンモニターで確認できる事で撮影効率も上がったという声も多いのですよ。立ち会うクライアントにも説得力がありますし、フィルムロットが変った場合や、ラボの違いによるCCフィルタの補正の必要がない事もその要因といえます。もうデジタルに移行したら銀塩には戻れないという意見があるくらいです。
高級一眼レフを除いて、カメラのモニターは通常ファインダーを兼ねていますので、リアルタイムに実写レンズでの撮影状態の絵を確認することができます。それ意外に光学式のファインダーも備えている機種も多い様です。
うちの会社のK次長。なけ無しの小遣いで買ったカメラには光学ファインダーがついて無いのですよ。
子供の運動会でカメラ構えたら、「日中の明るさで液晶ファインダーが見えないよ~」とおっしゃっておりました。

カメラの液晶モニター
太田原愛用のCoolPiXの背面
NikonD1xの背面
モニターを使ったスタジオでの撮影風景
NikonD1xの液晶モニター部分
液晶モニターで画像一覧表示
デジタルカメラにはパソコンとオンライン接続する端子がある。これはD1XにパソコンのFireWireケーブルでつなげたところ

(2)撮影データはメディアの中、消去再利用は自由自在
フィルムが無い(当たり前!)。その代りに画像をデジタルデータとして記録するメディアを備えています。これをパソコンに簡単に取り込む事が出来ますし、取り込んだ物を個々で消去するのも自由自在。
銀塩ではフィルムをDPE店で現像という事になりますが、当然デジタルカメラはDP代は無し、時間もかかりません。保存もパソコンやCD-ROMなどで簡単に管理保管できますし、データ保管しておけば、プリントのように色あせたなんてことはありません。記録メディアはプロスタジオユースのビューカメラは別として、高級一眼レフからコンシューマ機まで非常に小型で取扱いが楽な形になっております。種類は機種メーカーによって様々。
容量もマイクロメディアの様に1GBなどの大容量の物もあり、高画素時代を反映しています。
もちろん高価なメディアを初期化して何回も使用出来ますから、惜しみなく撮影できます。撮影途中でのメディア交換もできるので、報道関係の方には有利な機材です。

記録メディアの種類
コンパクトフラッシュ
スマートメディア
メモリースティック
SDカード
記録メディア(コンパクトフラッシュ)をカメラから取り出す
Macへとコンパクトフラッシュを入れる
PowerBookへコンパクトフラッシュを挿入するPCカード利用

あるプロカメラマンの話。
スタジオ商品撮影の合間、ちょっと表に出たら何と素敵な夕日だろと思った。制作意欲が掻き立てられ、早速カメラを持ってきてシャッターを押す。そのままメディアを自分のノートパソコンに入れて自宅パソコンにネットで送る、帰宅してプリントアウト。「やっぱ俺って写真が好きなんだなぁ。」

(3)小さなデジカメをポケットに。
高級1眼レフクラス以上はちょっと関係ありませんが、デジタルカメラは小型化しやすいのです。なぜなら撮影有効面積と言われる物が小さいからです。
撮影有効面積とは銀塩で言えばフィルムサイズの事。6×6版ブロニーより35mmスチルカメラの方が小型である事でも分かるように、有効面積が小さければ焦点距離だって短いし、レンズ口径だって小さくなります。10万円以下の一般コンシューマ機の撮影有効面積はAPSフィルムより小さいのです。でもこの有効面積の小さいという事は(レンズも含めて)、画質レベルがその大きさに影響を受けている事もフィルムと同じ。この事も忘れずに。

手のひらに乗るコンパクトさと持ちやすさ

小さなポケットにも入る手軽さは、コンシューマ向けカメラの持ち味、何か気に入った対象物があれば、いつでも逃さずシャッターを。

(4)撮影画素数で残り枚数を加減しましょう。
「あ!このフィルム残りあと数枚だ。まずいなぁ慎重にいかなきゃ。うわぁ、いけねぇまたつまらん所でシャッターを!」
フィルムは36枚24枚と決まった規格。カメラの記録メディアの容量サイズも32MBとか64MBなどのスペックにより撮影枚数が決まります。しかし撮影画像の画素サイズと圧縮記録レベルを変える事により、撮影残り枚数を変化させる事ができます。画素サイズを小さく圧縮率を高くすれば画質は落ちますが、記録容量を節約する事ができます。撮影内容により1枚1枚調整するのもデジカメの一つのテクニック。ここぞという時はフルサイズで。
もちろん予備の記録メディアで持って交換できれば、それにこしたことはありません。
失敗撮影をその場で消す事もできますが、
「あれ~、今日確かあそこで撮影したんだけど、無いよ~、無い! もしかしてぇ。いやな予感」
くれぐれも誤消去には気を付けましょう。

残り記録枚数を表す液晶モニター
デジカメでは撮影直後でも1点1点画像消去ができます
同じ記録メディアでも容量は何種類か揃っている

撮影枚数は記録メディア容量と画素数および画像圧縮率により決まります

今回はこれくらい。ごくごく当たり前の事で申し訳ありませんでした。
次回も「デジタルカメラの便利さパートⅡ」フィルムにゃ真似出来ないこんな事。
どうぞよろしくお願いいたします。

第2回 フィルムにゃ出来ないこんな事

カメラに付いているISO感度変更メニュー

(5) コマごとに変えられるISO感度。

ISO感度とはフィルムの外箱には必ず記入されている国際規格の指標で、フィルムの光に対する感度を数字で表しています。昔はASAなんて表示でしたよ。まあ簡単な話ISO400はISO100より光に敏感でその分、絞りを2段絞ることや、シャッタースピード1/60を1/250などと高速に出来ます。この当たりはデジカメでもフィルムカメラでも基本は同じです。
フィルムカメラでは撮影前にフィルム選択するわけですから、1本撮り終わらなくては感度を変えられません。周りが暗くなってきた時に、「あ~、400のフィルム入れてくれば良かったなぁ」
つまりISO感度はフィルム単位。しかしデジカメならば被写体、撮影条件によって1コマ毎撮影感度を変える事ができるのです。
だからシャッタースピードや絞りをよりコントロールしやすいのです。これにより暗いところから明るい所のモデル撮影、スポーツ現場とオールラウンドです。
え、それがどうかしたかって?
だって、だって、ポートレートの時は感度を下げた分、絞りをあけてバックぼかすことできるし、屋内のスポーツ写真の時は、感度を上げればシャッタースピードを速くできます。
撮影中はISO感度の事なんか気をまわしていられるか、と思いでしょうが、オートに設定もできるし、これって「フィルムにゃできない」デジカメ特有の効果で、結構有効なテクニックの一つなんですよ。
ここで忠告がひとつ、感度は上げられますが、上げた分だけノイズが出たり画質が若干落ちることも頭に入れておいて下さい。まあISO400位なら問題ないでしょうけど、暗くてブレちゃうよりいいですよね。

※こんな効果がある。ほんの一例ですよ
下の写真Aはバックの三重の塔をぼかしたいと思い、ISO100で絞り優先にてF2.8の開放で撮影、シャッター速度1/125となっています。仮に後ろの三重の塔までをピントに入れたい時は、絞り込めば済むことなのですが、その為にはシャッター速度が1/15となってしまい、手持ち撮影ではちょっと苦しい状況となってしまいます。そこで感度をISO400に上げてF8に絞り、シャッター速度1/30で撮影すれば写真Bの様な感じになります。2つの写真のバックのぼけ足の違いがお分かりでしょうか。
これはISO感度をかえられる事で、より自由なコントロールが可能になると言う、一例でした。

写真A  拡大表示(36K)
写真B  拡大表示(43K)
ISO100
ISO400
ISO100 1/125 F2.8 f11mm撮影
ISO400 1/130 F8 f11mm撮影
三重の塔をぼかして「ゴーヤマン」とキユーピー君のインパクトを強くしてます。
「ゴーヤマン」とキユーピー君だけでなく三重の塔もそのピント範囲に入れてちょっとはっきりさせました。

(6)ホワイトバランス(WB)が調整できる。
銀塩フィルムでカラー撮影する時、曇り空と晴天では色の感じが違いませんか。電灯光や蛍光灯下と日中を同一フィルムで、という時も経験をされるかと思います。それは周辺の光が寒色性や暖かみなどの色見をもっているからで、これを光の色温度と言います。この色温度をフィルムが最初から設定して作られている為に環境により写りが変わってしまうのです。ですからフィルムは電灯光ではタングステン用を、太陽光下ではディライトを選択する。又はCCフィルターで補正しなくてはなりません。 しかしデジタルカメラでは自動で光源色温度を測定し、色かぶりを取り除くようになっています。またマニュアルでの設定も可能です。白い物が白く写るようにする訳です。この事をホワイトバランスセット(WB)といいます

日中の(ある晴れた日ぃ~)太陽の下でホワイトバランスの設定をかえた場合の画像
プリセットホワイトバランスにて設定
電球モードの設定
雲天モードの設定
太陽光モードの設定
電球モードの設定
スピードライトモードの設定

本日、休日出勤の続いたわたくし太田原は久々の土曜休み。おまけにとても良い天気なので、写真を撮りに公園に行きました。ところで公園で遊んでる子供たちは土曜日ずっとお休みなんですね。
上の写真を御覧下さい。この晴天下ではホワイトバランス(WB)設定はオートor太陽光(カメラによっては晴天、昼光)or被写体でのプリセットモード以外で撮影すると、このような悲惨な結果になってしまいます。
環境により周りの光はこれだけ色味が違うという証拠です。
電球(カメラによってはタングステン)モードでは太陽光よりカメラは低い温度に設定するのに対し、実際は電燈光より高い色温度の太陽光がレンズから入ってくる訳ですから、当然青くなってしまいます。
スピードライトモードでは、太陽光より若干高い色温度設定ですので、少し赤味が入ります。
とにかく環境にあったWBを設定しましょう。

でもこれをうまく利用してこんなことも出来ます。
レストランなどの照明は比較的暖かみのある白熱電球を使っているお店が多い様です。昼光色の蛍光灯等では青みがかかって美味しく見えないからで、一種の演出でしょうか。
これをデジタルカメラで撮影する場合、先程のようにWBは電球モード?。よりも太陽光などの方が暖かみのある写真になります。
日中に電球モードで撮った時の逆の現象でカメラの設定より低い色温度の環境光なので、赤味が増えるのです。、これを利用するのも面白いかもしれません。

写真C
写真D
電球下での撮影、WBを電球モードにした。白のバランスはちゃんと取れているが、何となく冷たいオムレツで、子供たちは食べたくないと騒いでいます。
WBを太陽光モードに設定、ちょっと赤味だが、料理としては美味しそうに思えませんか。

カメラのホワイトバランス設定メニュー
プリセットホワイトバランスに設定し撮影時の色温度をとるカメラのメニュー

この中でホワイトバランスを白い紙でとる方法があります。プリセットとかカスタムホワイトバランスなどと言いますが、撮影光源の下で白紙をカメラにシロと認識させるモードで、同一環境では一番確実でしょうか。

→カメラの前に白紙を置いて、プリセットモードにて設定しているところ

(7)撮影画像は後でゆっくり料理する。
デジカメにかぎらずデジタル画像データを扱う醍醐味はやはり画像処理です。
最近はパソコンの高速化大容量化が進み、安価な処理ソフトも豊富です。
印刷会社など15年くらい前は写真のような大型コンピュータを、クリーンルームに入れて処理を行なっていました。価格も億単位の機材で印刷会社が社運をかけて運用していたものです。今では10万そこそこの価格で、プロで使用するに有り余る能力を備えたソフトを一般家庭の中で楽しめます。
暗い撮影や逆光は後でトーン修正、青白い肌色はやや赤めの健康色に、せっかく撮った我が子の写真頭から木が生えてる、スタンプツールで消去しちゃいましょう。ついでにほくろも取りましょうか。写真合成だってお手の物。
プロのデザイナー、印刷会社のDTPオペレータのテクニックを取得して、簡単な社内報などの出版物も作れますよ。

その昔、太田原のおじさんが太田原君と呼ばれていた若い頃の時代。
そう15年前の画像処理風景です。
CPUは汎用ミニコンを使用し、コンピュータ用のクリーンルームという恐ろしく大きな部屋に置かれてた、バカでかいハードディスク(大きくても数百MBしかない)で作業をしていました。
価格も、ん!千万~よりご用意されておりました。
ところでこのオペレータの女の子今頃どうしてるのでしょうね。

画像処理
コンピュータの今昔

Apple Macintoshでの作業風景
もちろんDeskTop(机上)です

現在では大きな部屋で無く机の上に乗せて,作業ができます。もちろん自宅で。これこそDTPの世界。コンピュータもお手ごろ価格です。

画像処理すれば地球を手で持ったり、
車でサッカーやったり自由自在ですよ

子供のかぶったヘルメット、いろんな色はあるけれど、よく見りゃメットの顏はみな同じ、わざわざヘルメットかぶり直さずとも悪戯すれば、こんなもん。
カラフルになったよ、いかがかでしょ。
ところで本物はどれでしょう。

ちょっと見の、恐いご面相のお兄さん、
じゃなかったこのおじさん。(何のことはない太田原でした)
よく見れば頭のバンダナ信号機
本物と思われる写真をクリックして下さい。

(8)撮影画素数をいろいろ有効利用できる。
デジタルカメラの撮影データは加工する事により、色々なジャンルに使用出来ます。一般的なインキジェットプリンタでの出力はもちろん、プロラボでのプリント出力。画素サイズを変え圧縮を施してWebでの写真に、パソコンのPowerPointに画像を貼り込みプレゼンテーションの説明に、商品の電子カタログでもブラウズ閲覧ソフトとの組み合わせで利用できますし、社内の広報や掲示、取扱い説明書など、もちろん印刷会社へデータ入稿しての印刷も可能です。
1つのデータから色々な方面に活用する。このような事をワンソースマルチユースといいます。
これは元のデジカメデータがRGBチャンネルの為に、条件としては有利です。元データ(ソースデータ)を変換する事で色々なジャンルに持っていく事が出来るのです。例えば我々のようなプロセスインキでの印刷ではYMCKという4チャンネルデータを使用しますが、一般的にはRGB方が利用範囲が広いのです。プロセス印刷については当然YMCK変換を行ないます。

デジタルフォトフロー
銀塩写真でのフロー

(9)写真をネットで送る。電子送稿
年々ネットワークでの環境が良くなり、速度(bit/秒)、価格とも以前と比べ物にならなくなってきました。当然一般向けデジタルカメラは撮影記録時点で圧縮がかかっておりますから、かなりの高画素データも簡単に送れます。点数が多くなければ家庭でのインターネットでも全く問題ありません。印刷会社へのデータ入稿も時間との勝負といった場合には、断然有利といえるでしょう。
実際プロの撮影スタジオでも撮影データは専用ファイル形式(RAW)ですが、画像補正後は取り回しの事を考えて、圧縮ファイル形式(JPEG)にして送稿するケースが多いのですよ。
圧縮方式はJPEGという形式が多い様です。
これが時間勝負の報道関係等になると、カメラから直接JPEG圧縮された画像をネットで転送する等、まさにデジタルならではの早業と言えるでしょう。

いかがでしょうか。
デジタルカメラの有利さ理解して頂けたでしょうか。
次回はデジタルカメラの画像サイズと解像度について記載いたします。
デジタルカメラの?万画素って何?
デジタルカメラのしくみってどうなってるの?

第3回 デジタルカメラの構造 1

さて皆さん今年の暑~い夏から一転、秋も本番といったところいかがお過ごしでしょうか。
太田原は今年の夏の猛暑はシュノーケリングを大いに楽しみまして、というか、満喫し過ぎでそれが影響してか、このデジカメ読本3回目が遅れてしまい、深くおわび致します。
さて今回よりデジタルカメラの構造について2回にわたり、お付き合い願いたいと思います。
そこでごく簡単な質問、デジタルカメラのカタログ仕様に○○万画素ってあるけど、これって何でしょうか。

先ずはその前に簡単なカメラの仕組について。
自動車が発明された頃のT型フォードも最新型のフェアレディも、4つのゴムタイヤを回転させて路面を走る事ではしくみは同じで、ここ何十年変っていません。これと同じでデジタルカメラもフィルムのカメラも基本的な構造はみな同じです。
A図、B図の様に光をレンズに通して結像させる。この間には光量を調整する絞りや、光を制御するシャッターがあります。違うのは画像が写る受光面が異なるという事で、皆さんご承知のとおり写真としての記録が、かたやフィルム、そしてもう一方がデジタル処理による電子的記録法、つまりコンピュータ処理なのでありますねぇ。
これって飛行機でたとえると機体翼の流体力学で空を飛ぶ原理は同じだけど、プロペラレシプロ機からジェット機に進化した様に、エンジンが入れ替わった事で機体構造も変り、飛躍的に性能が上がった事に似ていませんか。大変な技術革新だと個人的に思うのですが、ちょっと例題が飛躍し過ぎたかな。

●ここで2つの違いを見てみましょう

A)35mmフィルム一眼レフの内部
B)一眼レフタイプデジタルカメラの内部
《フィルムカメラでは》

フィルムの場合は化学的処理の現像により絵を見る事ができる事はご承知の通りです。ネガ、ポジともフィルムは薄いベースに感光性の乳剤が塗られている訳ですが、撮影するとカメラのレンズを通して光が入ります。この露光によりフィルムに絵が焼き付けられ、その後の現像でフィルム上に色が表われてきます。

C)カラーリバーサルフィルム現像のしくみ

フィルムの三層の乳剤面中のハロゲン化銀が、露光により潜像ができ、その後の現像で銀が黒化する。
第2露光発色現像にてハロゲン化銀を用い、各層のカプラーと言われる小さな粒子を発色させる。
漂白工程にて脱銀し、黄、紅(マゼンダ)、藍(シアン)の3色の色の粒子が残り、それをフィルムベース面に定着させて、リバーサルフィルム現像の終わり。
《デジタルカメラでは》

デジタルカメラの場合は受光面に映し出された画像を直接電気信号に変え、その後LSIなどで処理し、画像ファイルとしてメディアに保存されます。
ここでフィルムに代り登場するのが、光を電気信号に変えるCCD(Charge Coupled Deviceの略)と言われる電荷結合素子です。これはフォトダイオードでして、D図のようにシリコンチップ上に小さな感光素子が面状にならべてある平面センサーです。
最近ではCCDではなくCMOSという素子を使用するメーカーもありますが、やはりCCDが多いようです。
このCCDからの電気量(アナログ)は一時的に蓄積され、その後信号処理回路に転送し、読込ませた後デジタル信号に変換(AD変換)、画像記録データへと信号処理回路を通じてデジタル変換が行なわれていき、モニター表示したり、メディアに記録されていきます。
この処理には、とても重要なホワイトバランスとか色分解、モニタ表示するガンマ変換、圧縮処理などがあります。まあ早い話、デジカメの小さなボディの中は、フィルムカメラと比べ物にならないくらいに、処理装置がいっぱいあって、一つのコンピューターなのですね。

D)
《CCDの原理》

D図はデジタルカメラのCCDです。平面状のチップに碁盤の目のような格子状に並んだ多数の画素から出来ています。(トンボの目みたいに複眼なのですね。)これに光があたると半導体内に電子と正孔が発生、電子は電極に引きよせられ、蓄積されます。この電子は隣りの画素の電極の下に次々と転送され、読み出し装置で順番に電子数が電圧として読取られます。この電子数が光の強さを表わす事になります。これが画像を作る電子信号という訳です。

●デジタルカメラの画素数

さてレンズを通って受光面に絵を写すところまでは、基本的にフィルムカメラと変わらず、通常カメラのフィルムに相当するCCDが、デジタルカメラの重要なところ、そしてこの撮象した画像データの品質と大きさ、またその処理内容がポイントである事は、お分かり頂いたと思います。 そこで冒頭の何万画素というお話になってまいります。
CCDの説明でお分かりかと思いますが、デジタル画像という物はフィルムがアトランダムの小さな粒子で出来ているのに対し、CCDからの電気信号によって作られた碁盤の目状の四角なピクセル(画素)が並んで成り立っています。
デジタル画像をパソコンで拡大していくと、写真の様なモザイクになっている事が分かります。 デジタルカメラのカタログ仕様で必ず出て来る、「300万画素」などという言葉はこのピクセル(画素)の総数にあたります。
例えば413万画素のデジタルカメラでは、このモザイクが縦1734個、横2384個で単純に乗算して面積計算したものが413万という事になります。つまり画素数は、写真サイズそのもので、その情報量により保存画像データ容量も変わります。

(画素数)

下の【表1】にデジタルカメラの主要画素数を明記しました。
ここでの印刷寸法は350dpiで印刷会社で印刷した場合の寸法です。
【表2】はモニタの解像度です。
これはモニタがどれだけの情報を表示できるかを示すもので、ドット数が大きくなれば広いエリアが表示できます。その代わり同じ17インチモニタならその分、表示文字などは小さくなります。Windowsでは画面のプロパティ内のディスプレイの精細で、Macはコントロールパネル内のモニタで、それぞれ変更できます。
もしデジタルカメラの解像度指定の中でXGA(79万画素)を選んで撮影し、自分のパソコンのモニタ解像度を1024×768ドットにしてこの画像を背景に指定すると、そのままの絵が表示されます。192万画素での撮影では、モニタでは入りきれなくなります。これを頭に入れておけば、Webなどで見る画像がどの程度の画素数か、ある程度の目安になるかと思います。

【表1】 デジタルカメラの画素数について
デジカメ有効画素数
350dpiでの印刷寸法
画像ピクセル数
94万画素
116mm×87mm
1600×1200 pixel
321万画素
149mm×112mm
2048×1536 pixel
398万画素
165mm×124mm
272×1704 pixel
495万画素
186mm×139mm
2560×1920 pixel
610万画素
220mm×146mm
3026×2018 pixel

【表2】 ディスプレイサイズの画素数
規格名
縦横画素数(pixcel)
総画素数(画素)
VGA
640×480
30万
SVGA
800×600
48万
GA
1024×768
78万
SXGA
1280×1024
131万
UXGA
1600×1200
192万

MACでのモニター
解像度変更画面

Winでのモニター
解像度変更画面
E)

Canon EOS-1D
(ちょっと一言)

ところで一般的に画素数の高いカメラが高級高価格機に近いので、画像品質が良いように思われがちですが、決してこの画素数が高いから、品質が良いという訳でなく、画像品質はもっと別な複雑な要素(レンズ、データ処理のソフトハード能力、CCD自体の性能、使用感、システム、その他)により左右されるということです。
確かに画素数が多ければ解像面では有利ですが、色合い調子シャープさなどの複合的要素も評価のうちです。


Canon PowerShotG2

極端な例ですが、“Canon EOS-1D”というプロ用のカメラは415万画素、かたやハイエンドアマチュア用カメラ“Canon PowerShotG2”は400万画素、解像度など品質的には“Canon PowerShotG2”も評判は良いのですが、同じ画素数でもやはりプロ機にはかないません。価格だってプロ用はボディだけで約75万、“Canon PowerShotG2”は全部で約11.5万円、カメラ本体もレンズ、画像処理なども、カメラとしての位置感、ランクが異なるので、評価する方が間違いかも知れませんが、要は画素数だけで品質評価できるほど単純なものではないと言う事です。

(ちょっと余談)

今年の日韓ワールドカップですが、スポーツカメラマンが雨中持っていたカメラ、“Canon EOS-1D”多かったように思いますねがねぇ。気がつきましたか?
なに!世界の一流プレーヤーのワールドチームなんて、めったに見られない。その試合が1日3回もあるんだ。カメラなんか見てられるか!おまえはどこ見てんだ!
ハイ、すいませんでした。

●CCDのサイズ(撮影面積サイズ)

カメラカタログに「2/3型524万画素CCDを搭載」とか「35mm判換算で34mm~102mm」と記入されている項目にお気づきの方もあると思います。これはカメラの撮像面積に関係する事です。

(1)
前者「2/3型」はフィルムカメラで言えば35mm版とかAPS版とか、ブロニー版、或いは4×5インチ版、撮影面積がそれぞれ違うフィルムの様に、デジタルカメラではCCD面積サイズの事をいいます。2/3型は対角線が2/3インチ=16mmの大きさになります。ただしこの寸法はCCD以前の撮像管の表示方式で真空管の直径を示しています。実際の撮像面の対角線はもっと小さくなります。
【表3】にコンシューマ機でよく使用される物と一眼レフタイプの物ををならべました。

【表3】 各種CCD(CMOS)のサイズ
CCD名
型番
対角線寸法
CCD面積サイズ
1セルの寸法
画素数(H/V)
画素数
SONY ICX282
2/3型
11mm
8.8×6.6mm
3.4μm
2658×1960pixel
524万画素
SONY ICX252
1/1.8型
8.9mm
6.9×5.2mm
3.45μm
2140×1560pixel
334万画素
SHARP RJ21R3BA
1/1.8型
9.1mm
7.0×5.7mm
3.1μm
2530×1659pixel
420万画素
  
1/2型
9.1mm
6.4×4.8mm
3.9μm
1715×1230pixel
211万画素
Canon D30
  
27.3mm
22.7×15.1mm
10.1μm
2226×1460pixel
325万画素
Nikon D1H
  
28.3mm
23.7×15.6mm
11.8μm
2012×1324pixel
274万画素
Nikon D1X
  
28.3mm
23.7×15.6mm
11.8×5.9μm
4024×1324pixel
533万画素
Nikon D100
  
28.3mm
23.7×15.6mm
7.8μm
3026×2018pixel
610万画素
Canon D60
  
27.3mm
22.7×15.1mm
7.4μm
3072×2048pixel
630万画素
Canon 1D
  
34.5mm
28.7×19.1mm
11.5μm
2664×1681pixel
448万画素
(ちょっと一言)

CCDは高いクオリティを要求され、開発製造コストもかかります。ですから一部のプロ用一眼レフカメラを除き、各メーカーは、特に一般コンシューマ機の場合、ある会社の製造するCCDを使用している事が多く、カメラメーカーが異なってもCCDサイズ、種類も同一のケースが多いのが現状です。でもCCDが同じだからといって、A社とB社で全く同じように写る訳じゃないのですよ。カメラ内での後処理するソフトによっても画質が変るのですね。

(2)
次に「35mm判換算で○○mm~○○mm」の意味なのですが、「35mmフィルム使用カメラの画角に換算する」と「○○mm~○○mmの焦点距離ズームレンズに相当します。」という事です。
標準レンズは画角40°前後なので撮影フィルム判の対角線寸法近くです。35mm判は約50mmです。当然フィルムサイズにより標準レンズは、ブロニー中判カメラが105mm近辺、4×5判では150mm以上になります。
で、デジタルカメラはというと、F図にあるようにCCD対角線寸法はかなり小さいので、当然標準レンズは10mm程度ですが、CCDサイズはもっかカメラによってさまざま、ですから焦点距離もいろいろでとり揃う事に、なっちゃったのです。そこで最もなじみの深い35mmフィルムのカメラを基準にして表わせば、皆さんが分かりやすかろうと、この表示が登場した訳です。

ちなみにプロ用35mm一眼レフシステムカメラでもF図にあるようにCCDサイズは通常APSフィルムサイズ(16.7×30.2mm)より小さいのです。ですからCCD専用でない広角として設計されたレンズも標準になってしまうのですね。
う~ん、ちょっと広角側の効果も、長焦点でのボケ味も失われ、ザ・ン・ネ・ン……かな。このために、長焦点のボケ味をデジタルカメラで表現できるように、わざわざボケ味を作るソフト市場に出てきたくらいです。
でも、コダックの”KodakDCSプロバック645”という1600万画素のブロニー判プロカメラに付けるデジタルカメラでさえ、CCDサイズは6×6cmでなく37mm×37mmなのです。
CCDは小さいのだ。

ここで注目のコメント)
最近でたぁ!(お化けじゃない~つぅの)コンタックスの”NDIGITAL”はとうとうCCDサイズ36×24mmのフルサイズを実現!やったねぇ。
などと言っているうちに、キヤノンが“Canon EOS-1Ds”という名称でフルサイズが発表されました。続いてコダックからもNikonベースの1眼レフが発表になるとの話もあります。
デジタル一眼レフの世界もすごいですね。

●CCDとフィルムの撮影面積寸法

F)

●CCDサイズと品質
アマチュア用コンシューマ機と1眼レフタイプのCCDの面積サイズですが、F図にあるように、1眼レフタイプの方が大きい物を装着しております。前にも述べましたように、画素数だけが画像品質を決めるものではありません。むしろ画素数よりもCCDの面積寸法が重要なのです。例えば、一般アマチュア用の最新型高級機“SONYサイバーショットDSC-F707”と、1眼レフタイプの“NikonD1xは”、同じ500万画素クラスですがCCDサイズは、かたや8mm四方、一方のD1xは長辺が23mmもあります。という事は、CCD中の一個づつの素子(セル)の大きさは“D1x”の方が、当然大きい事になります。セルが大きいという事は、その分多くの光量を取り入れる事になり画質、特に描写力優る事になります。G図参照
画像データが同じ情報量を持っていても、その写真はハイライトの白飛び、シャドーのつぶれなどにも差が出てきます。また感度の面でも差が現れます。
まぁプロや目の肥えたアマチュアの人たちの厳しい要求にこたえる様、一眼レフタイプは高い完成度を持ったメーカー独自の受光素子を、研究開発し装着しているのです。

G)

さて、だんだん込み入った話になってきたところで、今回はここまでといたします。
で、アマチュア機(コンシューマ機)とプロ機のお話しが出てきたところで、次回はもう少しその違いについてお話ししましょう。それからCCDのカラー表現について。
「またぁ、“トンボ”の目玉の話ばっかしやがって」
とお怒りの方いらっしゃるかもしれませんが、写真の“か・い・ぞ・う・ど”解像度も理解しちゃいましょうね。
じゃ、よろし~く。

第4回 デジタルカメラの構造 2

さてさて今回も引き続き、デジタルカメラのしくみについてお話していきたいと思います。この前は“アマチュア機(コンシューマ機)とプロ機(プロシューマ機)では一般的には画素数が同じであっても、セルサイズがプロ機の方が大きいのだ” “だから画像品質もその分よいのだ”というところで終わりました。
ですから、もう少しこの当り突っ込んだところからはじめましょう

(じゃあアマチュア機はプロ機と比べてどうなのか!)

アマチュア向け一般コンシューマ機は、このように小型サイズのCCDを使用していますが、それはそれで一般ユーザーに受け入れられる、使用目的に合った設計がなされています。それなりの特徴をつかんで評価して下さい。

A)一眼レフタイプとコンシューマ機のレンズ焦点距離の違い

1) 右図はレンズ交換型一眼レフタイプと、2/3インチCCDを備えた一般コンシューマ機の焦点距離を表わした図です。長辺23mmのCCDの一眼レフでは標準が30mm位、2/3インチCCDカメラの焦点距離は11mmです。という事は小さなCCDを使用したコンシューマ機は小さなレンズで済むという事です。望遠効果の高く明るい(F値)ズームレンズなどカメラボディに装着する事も容易になります。これによりカメラボディの小型軽量化につながります。
またCCDの小型化は省電力なので、長時間の使用面でも有利。感度だって一般撮影に支障のないレベルで、高画素が実現できるようになってきました。
これらは、コスト面に反映されてきます。オリジナル設計でない同一メーカーのCCDを使用する理由も、この当りを考慮しての事と思います。
おかげでずいぶん手軽に、使いやすい小型カメラを私たちは持てるようになりました。

2)コンシューマ機のもう一つ有利な点は、CCDに合わせたレンズ設計ができるという事です。
下図を見てください。撮影レンズは何枚かの凹凸レンズで構成されていますが、レンズ群の最終レンズから撮像面までの距離をバックフォーカスといいます。一眼レフでは、ミラーがあるので広角短焦点レンズでも、バックフォーカス距離は一定になるように設計されてます。また元々35mmフィルム用なのでCCDには関係無い周辺部も、収差などを押さえ画質が落ちない様に作られています。
レンズを通った光線はある角度を持って受光面に入ります。しかしここでCCDの性格上光の侵入角度は、できるだけ面に垂直の方が効率よいのです。この事を「テレセントリック性」が高いと言います。
でも汎用レンズはそんな設計がされておりませんから、またしたくてもレンズ本体が長くなり、設計にも無理がかかります。レンズにとってはフィルムよりCCDの方が分が悪い事になります。
その点コンシューマ機はレンズ交換もしないし、レンズ自体自分のカメラしか使用しません。ですからCCD専用の「テレセントリック性」の高いレンズ設計をする事により、よりCCDの性能を引出す事ができるのです。

35mmカメラを対象とした1眼レフタイプは、CCDへの光入射角度が大きいのに対し、デジカメ専用レンズのコンシューマ機はCCDへの入射角度が垂直に近く理想的
最新情報補足です
前回のデジカメ読本第3回でもの受光CCDの事は書きましたが、プロ用一眼レフタイプはフィルム一眼レフとレンズなどシステムを統一するために、ほとんど機械構造は同一です。しかし一部最新フルサイズカメラを除き、CCD寸法はフィルムより小さく、実際にはデジタルカメラだけで考えれば、レンズボディともこのような大きさのものは必要無いのです。
ところが今回「オリンパス」&「コダック」よりデジカメ専用レンズ交換式一眼レフの統一規格を発表されました(フジフィルムからも賛同の意向有り)。「フォー・サーズ」というそうです。
つまりCCD受光面寸法も、交換レンズマウントの標準規格とし、メーカー間の互換性を高くし、なおかつデジカメレンズ交換式一眼レフの小型設計が出来るというのが、このメリットです。
今後。好みのレンズ、ボディをメーカーの選択自由に、コンパクトな物を購入できる日も近いかも知れません。今後の動向に期待しましょう。
今年の初頭登場した「ミノルタディマージュX」、デザインがユニークで話題になりましたが、中身を見るとレンズが縦に配置されているのですね。これなどもテレセントリック性を高くする事と薄型ボディを両立させた一例です。


ミノルタディマージュXの前面図
ミノルタディマージュXの透視図
薄い平台状のボディ右側の縦型に置かれている光学系。入光部は右上端に見える。

薄型ボディを横から見たもの。
前面から来た光を90度下に向け、ボディ底部のCCDに導く。これで3倍ズームのレンズ群もスペースのじゃまにならないユニークな設計

毎度お馴染み太田原めのちょっと一言
ただしこれらの一般コンシューマ向けカメラのメリットは、受光面が小さいからできることです。 ところで小さなレンズを製造するのは、許容誤差も厳しくしなくてはならず、それなりに製作技術も高度になるという事も付け加えておきます。

図は「NikonCoolpix」1/2CCD搭載機のレンズ構成です。結構複雑でしょ。

C)Nikon Coolpixのレンズ構成図

表D)はCCD用レンズの解像度要求度を表わした物
APS-Cサイズの一眼レフと1/2サイズコンシューマ向けCCDが要求する、レンズに対して要求するレンズ解像度です。各画素数ごとに、この程度の精度は必要であるという数字です。レンズメーカーはMTFとか、OTFなどという関数で表したりするそうです。 実は大型一眼レフよりも小型コンシューマ機レンズの方が、mm当りの解像本数は多く、より高解像度でシビアな設計製造が要求されます。
D)CCD画素数と必要なレンズ解像度(要求値)
有効画素数
APS-CサイズCCD
1/2型サイズCCD
300万画素
44本/mm
125本/mm
400万画素
51本/mm
144本/mm
600万画素
62本/mm
176本/mm
800万画素
72本/mm
204本/mm
1000万画素
80本/mm
228本/mm

【またまた脱線太田原氏】
ところで話は180度変わりまして、いきなりデジタルからクラッシクなお話しに移ってしまうという一席。珍道中の様相を見せ始めた太田原めであります。早い話がちょっと“だっせん”でなのであります。
ふる~い昔のライカ、コンタックスを代表するレンジファインダー型のカメラ。(レトロだレトロ) これは一眼レフの様にミラーが無いからバックフォーカスを気にせずレンズ設計出来ます。レンズ構成もシンプルにでき、今のようにコンピュータが無い時代でも、小型で性能の良いレンズを製作できたのではないかと想像できます。自宅にあった”ライカIIIf”写り良かったですよ。
ついでだからミラーが無いのでシャッター音も静か、もちろんシャッターを切った瞬間のタイムラグ、一眼レフよりは有利でしたよ。しかもプリズムが無いから軽い。ロバートキャパも一眼レフ持たなかったですものね。(もっとも当時は一眼レフの商品化された物は少なく未完だった。)
望遠なんてぜいたくいわなきゃ、速写性抜群。スナップ撮影には持ってこい。今でもこのレンジファインダーの新しいカメラ(コンタックスG2など)、サブカメラとして使っている方おります。
でも、いるのですよ~。かたくなに「おれはデジカメなんか持たんぞィ」とおっしゃっているおっさんが近くに。
私が子供の頃からずっと見て親しんできた、スマートなレンジファインダカメラ。大きな一眼レフでなくて、ミラーが無く見やすいファインダーのカメラ。このようなものその物がデジタルになればと思う事ありますね。これ太田原の望みです。でもこれに近いカメラ、手ごろな価格で出てきてますね。

私のおとーさんが持っていた往年の名機ライカIIIf35mmフィルムフォーカルプレンシャッタースチルカメラの基礎を造ったカメラ。僕より2才年上です。
巻上げは摘み回し、低、高速二つに分けられたシャッターダイアル、パララックスの補正も無く、ピント合わせ専用の連動距離計と、レイアウト用に分けられたファインダ、のどかな物ですが、これ持ち味が良いのですよねぇ。
ちなみに最近の若いプロカメラマンに持たせたら、持ち方が分からなかったという結果でありました。

僕の大好きなNikonS3。最近この復刻版が2000年に続き再度ブラックボディで限定販売されました。昔の図面から忠実に再現したんだって。1950年代の名機カメラマニアにはうれしい限りです。

大いに脱線、ですが、たまには昔のことも振り返りましょうよ。ね~皆さん

事のついでだから、よそ見もしちゃおう。
プロとアマ機の差、こんな内容を述べている最中なんですが、某雑誌の先月月号には 同じような内容が特集で載ってましたね。
印刷された写真を見ると、コンシューマ向けはちょっと見きれいで、どちらかというと、プロ機より絵柄のインパクトが強く、私の会社の画像処理の社員にどちらが良いか聞いても、コンシューマ機を指差しました。でも個人的意見ではプロ機の方がディテールが繊細で模写も忠実、本当の色はこんな渋い色だろうな。でも修整すれば、好みに応じた絵柄になりそうな気がしました。絵柄の持っているポテンシャルとしては奥が深いというところでしょうか。

今回はよそ見したまま終了といたしとう存じます。
脱線、よそ見、はたまた、デジタルカメラとはちょっと遠い古いお話になったことここに深く反省いたすと共に、次回へのデジカメ読本への新たなる内容
大いにがんばりたく思う所存であります。

第5回 デジタルカメラのカラー表現

さてさて、今回は前回のCCDを取り巻くレンズその他のお話に引き続き、これにもう少し色を付け加えまして、まさしく
『カメラのカラー表現ってなんじゃぁ!』へと続くのであります。

[まずは色とはなんぞや]から
1図

自然界の白色光はいろいろな色(可視光内で波長430nm~780nmなんだって)が混じって白い光線になっています。

ところで光は色によりその光の周波数がそれぞれ決まっておりまして、波長が短ければ青紫側、長ければ赤い光となります。

さて、1図のように太陽の光をプリズムを通す虹色になるのをご覧になった方もいるかと思います。まあ7色の虹などと言いますが、この中のある波長が光量が強くなったり弱くなったりするそのバランスで、人の目は色を感じる訳ですね。2図は白い光がそれぞれの物体に当り反射した光の波長の強さにより、その物体の色が分かるという例です。例えば黄色いタイルに光が当ると、ブルーの波長の光をそのタイルは吸収しレッドとグリーンの波長光を反射します。これを合わせると黄色に見えるのです。これらは光の3原色のという理論で説明されています。
三原色のカラー表現にはレッド、グリーン、ブルー(R,G,B)を加えると白くなる加色混合法と藍=シアン、紅=マゼンダ、黄=イエロー(C,M,Y)で表現しこれを合わせると黒になる減色混合の二種類が有ります。3図参照。

2図
2-A図

3図

加色混合
3色の光が重なったところが白くなる

減色混合
3色のインキが白紙に重なった所が黒くなる
レッド、グリーン、ブルー(RGB)の3色の原理を応用したものにカラーモニタがあります。モニタをルーペで見ますと(R,G,B)の光の粒子が発光していることが分かります。2-A図。
一方、藍=シアン、紅=マゼンダ、黄=イエロー(CMY)の減色混合は、インキや絵の具に光が当ると思って下さい。光の一部が吸収、反射してで表現します。これには印刷物やD.P.Eでのカラープリントなどが上げられます。但し、一般の印刷物は3色のインキ重ねても黒にはならないので、これに墨(Blackインキ)を入れてシャドー側(写真の暗い方)をしめます。
さて色を表現するには、被写体の色の成分を光の3原色に分解する必要があります。そして3原色別々に記録され、3色バランスを忠実に再現する事により、被写体を模写する事ができるのです。3原色に分解する為には、色のついたフィルターを利用します。これはアナログであろうがデジタルであろうが同じで、テレビカメラにも、フィルムの感光面内にもフィルタに相当するものがちゃんと有ります。デジタルカメラのCCDにも、もちろんフィルタが備わっています。
【CCDのカラー表現】

デジタルカメラの撮像部には、CCDなどの受光素子が使われている事は以前述べました。さて被写体からレンズを通ってきた色気づいた光。あ~、じゃない色のついた光(失礼)をそれぞれの成分(チャンネル)に分解する為にはフィルターという物を通して3色の成分にわけます。このフィルターですが、これはカメラの構造により場所がだいぶ異なります。これによりカメラのタイプが別れるのです。

《デジタルカメラの種類》

一般的ではないのですが、デジタルカメラの短い歴史の中で、広い範囲で種類を分けますと、
●ワンショットカメラ……1回のシャッターで撮影できる。(プロ、アマ問わず一般向け)
●マルチショットカメラ……複数回のシャッターで撮影(プロ用、静物専門、どうしても人物を撮りたい方、動いちゃダメだよ、ぐっと我慢のモデルさんですな。)

スキャンタイプデジカメ

●スキャンタイプカメラ……一定時間の露出で撮影
(プロ用、静物のみ。まさしく被写体をスキャンニングする。時間をかけて撮影、というか入力)
最近はプロ用の1500万画素クラスのカメラでもワンショットが殆どです。更にワンショットでも、下のような構造上のタイプが有ります。

最近はプロ用の1500万画素クラスのカメラでもワンショットが殆どです。更にワンショットでも、下のような構造上のタイプが有ります。

1)3CCDタイプ
4図
4図の様に贅沢にもCCDを3個持っており、それぞれのCCD面に赤緑青(RGB)フィルタがあり、これにより3チャンネルバンドに入力される。
2)単版CCDタイプ
5図
最も一般的なもので、1CCDである。フィルタはCCDにオンチップされており小さな素子一つ一つそれぞれにフィルタが装着されている。CCDの断面図は7図の様になっている。
[CCDのフィルタ]

単版タイプのCCDにもちゃんと3色のフィルタが付いている訳ですが、それには6図の様にセルというセンサー一つ一つにフィルタがかかっているのです。
CCDフィルタにはRGB色の原色フィルタタイプとCMYG色の補色フィルタタイプが有ります。前者は発色の再現性にすぐれているためプロ用一眼レフなど大きなサイズの物に、後者は感度に優れている為、1画素サイズの小さなコンシューマ機に使用されるケースが多いようです。

6図
/////????CCDにどうやってフィルタが付いているの?????//////

さてこのフィルタは小さな小さなセンサーひとつひとつに付いている訳ですが、どうなって付いているのでしょうか。

7図

7図を御覧ください。デジタルカメラの受光素子の拡大断面図です。下の方にあるのがCCDやCMOSなど光を捕らえるセンサー、そうさぁ。で、その前に見えますのがかの有名なマイクロレンズでございます。(有名じゃないか)

どうです、ただ単純に光がセンサーにあたっている訳じゃ無いのですね。ちゃんとレンズという光学的な方法で集光させているのです。これらは受光素子と一体化されており、上部レンズとセンサーに近い方のレンズが有りその中に各色のフィルターが組込まれているのです。これらすべてミクロン単位の工作なのです。凄いですねェ。これってヒゲはやした古時計屋さんみたいな人が、眼鏡かけてピンセットでフィルタに色なんか塗っているのでしょうかねェ。

ん?……… シラケー ごめんなさい。

(前回もこんなことで感心していた太田原でした)

まあともかく、この断面図を見ると第4回のテレセントリック性のところで述べました様に、センサーへの侵入光はできるだけ面に対し垂直の方が良いことが分かりますね。

CCDカメラの色処理は
さて6図を見て頂きたいと思いますが、単版CCDタイプのワンショットカメラでは、それぞれの素子にフィルタにより色が付けられており、ある部分はブルー、そのとなりはグリーンなどとなっています。実はこの方式ですと、ブルーの部分にはレッドフィルタの色の成分は記録されない事になります。つまりRGB各チャンネルでの記録データは面積的に欠如している事になるのです。そこでこの無い部分を周辺の情報から計算して補う処理をしているのです。これを補間というのですが、もちろんこの為の処理をカメラ内で瞬時に行ないます。
でもやはり品質的には細かな柄などは補間でききれずに、虹色の縞模様が出てきたりする事も有ります。3ショットカメラでは各色すべてのセンサーを使用しますので、画質的には有利です。


赤枠部分の拡大

生地の模様の細かなところで色が部分的にはみ出ているのが分かりますでしょうか。
細かな模様の部分を3色で再現しきれず、偽色モアレのでてしまった例。
もちろん後処理でこれを消すことは可能です。1ショット単版式のわずらわしいところです。
今でもモアレには3ショットタイプが、有利といわれています。

じゃ~ん。一大事!全く新しい新方式(だぶっている)センサーをつけたカメラがでたぁ!
今年の秋、これは従来の撮像素子と全く違う方式で、解像度、偽色などに対し実にすばらしい画質を持った、レンズ交換式の一眼レフがフォトキナで発表されました。その名は”シグマ”の「SD9」。”なんだレンズメーカじゃないか”と思う方もいらっしゃると思いますが、シグマという名前は国内より海外で知れています。(昔のミランダみたい)もちろんデジカメ作るのは初めてです。このカメラ、「ファピオンX3」というCMOSセンサーをつけている事が最大の注目点です。従来ですと、一つ一つのセルは別々のRGB情報を受け取るので、結果的にセルサイズ一点には全情報でなく欠如している事は述べましたが、8図に有るように「ファピオンX3」ではRGBの波長の違いにより、異なる受光層(フォトデテクター)で各チャンネルを読み取る様です。結果的にデータの欠如していない、一定面積に対し各RGBのそろった画像データを作る事ができるのです。なんでもシリコンの性質を利用しているのですって。
これって画質にもろ影響するのですよ。実機は一度触った事が有るのですが、残念ながら画像は見ていません。でも驚く程画質は好いらしく、偽色モアレも皆無、354万画素でありながら、600万画素カメラより良いそうです。価格だって本体のみで20万円、しかもRAWデータの現像処理ソフトが付いての金額だから、とても親切。これからシステムをそろえようとする人には、うれしい製品だと思います。

8図
【デジタルカメラの現像処理】

「デジタルカメラで“ゲ・ン・ゾ・ウ”だと、なんだそりゃ!」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、プロ用のカメラでは化学的現像では有りませんが、ちょうどフィルムの現像の様なデータ処理を行なっているケースが多いのです。
先ほどカメラ内で補間処理を行なっていると言いましたが、一眼レフのプロ使用の場合では、報道関係を除き補間処理をカメラではなく、パソコン側で行なうケースが多いのです。カメラからのCCDでの読取りデータをRAWデータと呼びます。このCCDからの撮影生データは画像としては特殊で、一般の画像ソフトでは見る事ができません。これを一般コンピュータのアプリケーションで見れるようなフォーマットにしたり、圧縮かけたりをパソコン側に専用アプリケーションを持たせて行なうのです。
この処理は、撮影後でもホワイトバランスやトーン、露出(絞り+-1.5位まで)の補整をある程度かけられる事と、品質的に高い画像を出力できるので、例えパソコン側での処理に時間がかかっても、プロの場合ではこの方法を使っているケースが多いようです。
コンシューマ機では、安いカメラにそんな面倒な事させたら、誰も買わなくなってしまいますから、カメラで撮影された後は、圧縮のかかったそのままで、パソコンで見れるようなフォーマットにして出力してくれます。

現像処理を行うソフトニコンキャプチャーの画面

撮影データのホワイトバランス、露出、グレーバランス、トーン補正、シャープネス(輪郭強調)などの項目をカメラを離れて、ある程度の修整が可能です。

ここで吐き出されて撮影画像は、他のアプリケーションで見れるフォーマットになります。また出力するカラー領域も指定できます。

【デジタルカメラでの色再現】

私がデジタルカメラのカラーCCDの構造を聞いた時、あの小さなミクロン単位の素子ひとつずつに色の違うフィルタがついている、と知って大変驚きました。さらにその前にレンズまで付いているのですから、その工作技術というものは人間業じゃないな、いったいどうやって製作しているのだろうと今でも疑問なのです。そう思いませんか。
ところで最近のデジタルカメラは本当に色再現が良くなってきました。これは単純にあるメーカーが作ったCCDの性能が良くなったからだけにとどまらず、光の色をデジタルデータに変換後のソフトの処理による物も大きいと思います。
かつてカラーフィルムにしてもその歴史の中で人の目によく見える特性を模索して現在まできた訳ですから、これから考えると驚くべき進歩ではないでしょうか。

さて今回も御覧いただき有り難うございました。
最近、このホームページはデジタルカメラの構造とか、種類とか一般ユーザーにとってはマニアチック過ぎるとも思いましたが、次回はこんな内容をお話したいと思います。
よいとこだらけを載せているデジタルカメラ、でも実は使用上こんな不満、欠点も有るのです。
『デジカメってこんなもの、使うの嫌になる、デジカメのくら~いお話』
あえてこんなテーマでお送りしたいと思います。ぜひ御覧になって下さいまし。

第6回 デジタルカメラ学習塾

デジカメ読本 第6回 新春号 皆さぁ~ん、遅くなりまして申し訳ございません。あけましておめでとうございます。本年もこのSpDigital.netとデジタルカメラ読本をよろしくお願いいたします。

さあ年も新たに2003年、デジタルの世界はどんどん前に進化するでしょうねぇ。後退するのは私の髪の毛と、置いてけぼりをくった頭の中だけというありよう。う~ん情けない。それはともかく、一般的使用のカメラも次々に新製品、新技術が出てくるでしょうね。楽しみでもありますが、あまりの変わり方の激しさにちょっとばかし恐くもある太田原であります。。

私たち印刷でのお仕事も常に径時変化していきまして、新しい機材も導入せにゃ、人も育てにゃ、古い方法から新しい方式へうまく融合させた形で変化させにゃ、なかなかこれでいて大変なんですよ~ん。


太田原めの愛車BMWR100R
BMW最後のキャブレター車です。

ところでお正月はどうされましたか。

私は毎年1月2日には伊勢神宮に初詣と決めております。

朝5時の日の上がる前に静岡を出て、9時頃には外宮、内宮へお参りです。東海地方にお住いの方は、「渋滞してるお正月なのにずいぶん到着が早いじゃないの」とお思いでしょうが、実はオートバイで寒い中突っ走っていくので短時間で行けるのです。その数約20台程、女性もいますよ。もう15年位続けております。冷たい朝私たちを見ると、回り人たちが「馬鹿だねぇこの寒いにあの人たちは」という目つきで見られますが、本人たちは(若い頃は初日の出を見に夜通し走ったものだワィ)といたって元気。


伊良岬から鳥羽へのカーフェリーを駐車場で待ちます 。

毎年、同じ時間、同じ場所に車を停めるので、ある時ご近所の方が、ご夫婦で熱いおしるこを作ってくださり、私どもの来るのを待っていて、もてなして下さった事もありました。まぁ毎年の事と思いながらも、いつまで続くやら。今年は特に冷たかったのですが、愛車BMWのボクサーエンジンはすこぶる快調、しかし私のカメラにちょっとしたトラブル、冷たくなったデジカメを出して電源を入れたところ、シャッターがきれずに無反応、では再立ち上げとばかり電源をOFFに、落ちないのですよ。しょうがないからバッテリーを外してリセットをしたら問題無し。これは寒さの為かそれとも日ごろ乱暴に扱っている罰なのか。


早朝の過激な寒さ!最高齢者バイク屋の社長も頑張ります
とうとうあまりの寒さで気が触れた者も出てきました

う~さみぃ~! でも後で敬老会の方が
暖かい甘酒をごちそうしてくれます

伊勢神宮への参拝客。朝9時でこの混雑ぶりです。

さて前おきが長くなりました。
前回予告しました。デジカメ欠点を取り上げる
『デジカメってこんなもの、使うのが嫌になる、デジカメのくら~いお話』
を掲載する予定だったのですが、当社Webmasterの佐藤課長より、正月早々から、縁起でもない話するな!とのご指摘をいただき、「あ、そりゃそうだ。」とあっさり納得の太田原氏です。この当りは対応が良いと言おうか、変わり身が速いと言おうか、主義主張が無いというか、いい加減と言おうか、無責任と言おうか。まあ、あっさりと題材を次回に持ち越し。勝手に変更してしまう私をお許しあれ。
そこで、今回は私がいつもお世話になっております「デジタルカメラ学習塾」略して電塾(早川廣行塾長)の去年行いました名古屋での勉強会と、12月スタジオエビスを借り切っての電塾大勉強会のもようの一部をお伝え致します。

さて「デジタルカメラ学習塾」とはどのようなものかと申しますと、世に出てきたデジタルカメラを今後普及するにあたり、問題無く仕事に使えるよう、その関連した業種がお互いのジャンルを超えて、デジタル化に向けて勉強をしていこうというまさしく学習塾なのです。いわばデジタルの広がりの啓蒙活動を行なっている営利を目的としていない任意団体です。ですからプロカメラマンだけでなく、私のような印刷屋さん、カメラフィルムメーカーさんから機材資材関係、デザイン、広告出版、また医療、大学など教育関係、アマチュアカメラマンの方など、老若男女、背の高い人低い人、マスクのいい人悪い人(あ、俺か)など様々な方が集まってこられます。
内容は定期的にテーマを決めて勉強会を開き、ある時は講師を、メーカーさんを、著名人を招いたり、また自分たち参加者の実務内容を持ちより、知識を深めていこうというもので、内容はWebでも公開されております。またWebにはBBSもあり、デジタルカメラだけでなく、コンピュータや画像処理ソフトについて話題もジャンル別に掲示板が備えられており、皆さんちょっとした疑問点でもどんどん書込み、情報交換されたり、また親切に返答してくれる方もいらっしゃいます。
場所は東京、名古屋、大阪、新潟で、だいたいそれぞれ月1回土曜日などに行われます。

中部電塾運営委員の板野氏の
説明にて検証会開始

先ずは、去年9月~11月の3ヶ月間、名古屋の「ステージバク」にて中部電塾が行われ、カラーマネージメントシステムという考え方について検証を行ないました。題して「CMS大検証会」
これはデジタルカメラマンが撮影した画像を実際にデザイナーがデザインし、最後に印刷会社数社が同じ物を印刷する。当然各印刷会社により色のでかたに違いが出てくる。これを最後の11月の検証会ではある方法によって、各社印刷物のバラツキをある程度妥協できるところまでそろえる事ができましたよ、という実験的内容でした。これにより、デザイン会社にも、どの印刷会社にも撮影側の意図が反映されて印刷されるという証でもあった訳です。このある方法というものが「カラーマネージメントシステム」(CMS)というものなのです。
これはまたこのページの中で詳しく紹介致しますが、今後の私ども印刷会社を含めたグラフィック業界の、データを流通する際に必要である色の評価を統一する為の、なくてはならない新しいシステムといえます。

準備が整ったところでスタートです
講議をされる早川塾長
説明を皆さんに聞いて
いただいている太田原氏
参加者はここでここで学んだ事
取得しようとみなさんメモをとります。
各印刷会社のサンプルを広げカメラマン、デザイナー、製版印刷関係者が一同にそれを囲み、評価が始まります。
作者の意図はどうだったのか、プリントはどうしたのかなど、結構突っ込んだお話が出ます。
3回目の11月にはこの結果を繁栄し、再度印刷、各社バラバラだった刷り物を一応そろえる事が出来ました。
『うーむ、デジカメの色を統一した環境で見る事ができる。』

12月7日には電塾毎年恒例の大勉強会が東京スタジオエビスで開催されました。これは展示会形式で、各ブースにてメーカーさんの展示、実演、説明が行なわれました。今回はカメラメーカー、フィルムメーカー、プリンタ、撮影機材、液晶ディスプレイ、測色データ変換関連、など30社参加されたまして、各社さまざまの機材を公開しました。普段あまり高価で触れる事のできない機材を直に吟味できて、御満悦な、或いは頭を悩ませているカメラマン諸氏もおりました。
またセミナーも3会場で、
1) 「カラーマネージメント(CMS)徹底理解」
2) 「デジタルカメラ入稿ワークフロー検証実例報告」
3) 「最新デジタルカメラ&レンズ情報」
という、実務をされていらっしゃる方による、実戦向きなセミナーが開催されました。 この中で1)のセミナー「カラーマネージメント徹底理解」では私くし太田原も、会場に当社で行なった印刷と出力プリントを展示した関係上、30分程皆さんの前に出て説明らしき事をさせて頂きました。 参加人数はのべ170名程、最後はビンゴ大会で親睦会。

デジタル化というものはお互いの専門の垣根をを越えてしまうものと私は思います。
(だって家電メーカーがカメラ作ったり、カメラで音楽聞けたりするじゃないですか)
このような会はカメラマン主体での形なのですが、この電塾はそれにこだわらず、いろいろな人たちが集まり発言できる事がすばらしいと思いました。

今後はもっと他の部門の人たちが この世界に出入りしてくる事と思います。

2002年電塾大勉強会の様子 2002年12月7日


高い所から早川塾長の御挨拶

それを聞く参加者のみなさん

カラーマネージメントツールの説明です
各セミナー会場


液晶モニターの展示

モニター展示の向側ではモニタキャリブレーション測定器の展示が

大型インクジェットプリンタの展示です。プロの作業現場ではA1以上のサイズを使うケースもあります


星光社印刷より出展した印刷物とカラープリントサンプル

展示会場はスタジオ内なので実写のデモを行いながらの説明です


各セミナーの様子です

各セミナーが終わった後はお待ちかね懇親会とビンゴゲーム 卑しい太田原めは密かにカメラをねらっていたのですが、リーチ時間がえらく長く、結局黒い帽子をかぶっていたにもかかわらず、黒い帽子が当りました。

最後に当社内においても、勉強会を時に行います。以下は営業を交えてのカラーマネージメント説明会でのワンショットです。題して「なんと!カラープリンタで印刷物の色がでる!」です。これによりコスト削減、時間短縮へ還元できればと思っています。今後のクライアントさんの要望を把握し、お客さんに喜ばれ、なお且つ社員の負担が軽減できる方法を社内で検討している訳ですね。 常に新しいものをい追い求めているといってはちょっとオーバーかも知れませんが、当社の社員は若いだけあってとても意欲的なのです。

(注意:左端で偉そうにしているおじさんは全然若くありません。あしからず)

さて新しい年を向かえ気持ちも新たに希望を持っている中、今回もご覧いただきありがとうございました。
では次号まで。

第7回 デジカメが嫌になる暗~いお話 1

皆さんこんにちわ。
さてさて今回はデジタルカメラを使っていて日ごろ皆さんが、不満に思っていらっしゃる事などをまとめていきたいと思います。「デジカメェ、こんなのじゃだめじゃねぇかー」というところ、そうデジカメの欠点をつっついちゃおうという訳ですね。

題して『デジカメが嫌になる暗~いお話』なのであります。
ここで、「あ~そうか自分のカメラだけじゃなかったのだなぁ。それでこれからよくなるのかしら、他のデジカメはどうなのよ。」と、ふだん不満に思っている事が少しでも解決できれば幸いです。
ところで本題に入る前に私の方から誤解を招かないように、最初に一言。
デジカメと一口に言っても、プロが使用する高性能機から、家族で使用する一般向けコンパクトカメラまで様々です。その能力も当然違う訳ですが、それをデジタルカメラの欠点として同じ土俵で見比べるのには、ちょっと無理があります。ですのでこれから述べるデジタルカメラの欠点なるものは、あくまでも一般平均的な内容でありまして、一眼レフデジタルカメラなどの例外があるように、どの機種にも当てはまるものでもありません。逆に、デジカメにだけでなく、APSカメラなどにも共通している内容もあるかもしれません。一応この当りご了承した上で解釈して頂ければと思います。

(いやなとこその一)
【シャッターチャンスをのがす!】

よくある細い踏切りです

実は私が中学時代住んでいた家の近くにJRとローカル線を跨いだ小さな踏み切りがあります。車は通れず朝など近所の高校生やサラリーマンなどが通勤通学に使って結構にぎわっているのですが、線路がカーブしており見通しが悪く、昔はよく人が跳ねられた魔の踏み切りなのです。(写真)
その供養ために小さなお地蔵さんが立っています。でも回りからは線路の見晴らしがいいので、良く中学生の頃は機関車、列車の写真を撮ってみたものです。鉄道ファンならご存知、野球帽をかぶったおっさんみたいな顔をした万能型のEF58形とか、ブルートレインを引く65形、EH10形の2両編成マンモス機関車、たまらなく魅力的なEF57はかなり昔の記憶、楽しかったですねえ。

この小さな踏切りをお地蔵さんが見守ります

今回はここで朝、通勤電車をちょっと撮ってみました。機種は2年前から使っているNikonの“Coolpix990“というカメラ。まあ一般カメラの中堅機でしょうか。ではいきなり「パシャ」 あん?、思い通りの位置に電車が入りません(写真A)。私の写真の腕はたいしたこと無いのですね。今度はシャッターを半押し状態で待ち、軽く呼吸に合わせて指先を柔らかく動かします。う~んなんとかおさまりましたなぁ。(写真B)


(A)電車が来ていきなりシャッターを押すと御覧の通り思い通りの構図におさまりません

(B)今度はシャッターを半押し状態でAFロックし電車を待ち、電車が見えたらシャッターを押込みます。こうすれば電車を撮らえる事が出来ます。
撮影も回数を重ねると慣れてきて、タイミングが合ってきます

デジタルカメラだけにかぎらず、一般の全自動カメラでも言えるかもしれませんが、よく子供の運動会やソフトボールの試合などで、うまく撮ったつもりが足しか写っていない、撮れた写真を見るとバッターは振り終わってバットが手になかった、などという経験はありませんか。
俗に言うシャッターチャンスを逃しちゃった、という奴です。実はこれ、古いカメラしか使っていなかった私が、デジタルカメラを購入して一番びっくりした事なんです。えーデジカメってこんなものなのー。
これはシャッターボタンを押してから、実際にカメラが反応し光を受光面に入れるまでの、つまり実際に絵が写る時間。これを“レリーズタイムラグ”というのですが、このタイムラグが大きい為に起こる現象です。通常のカメラに比べデジタルカメラの場合はこのタイムラグが大きい機種が多いのです。

まあ、人間でも声をかけてもなかなか反応しない、これに近い奴が時におりますが。そういつもイライラするそこのおにィさんあんたのことだよ。ほんとにもう~イライラ。
ですねえ。

まあそこで今度は6年ほど前のフィルム型の一眼レフ“Canon EOS-10”を持ち出し、これと“Nikon Coolpix990“を同じ場所で同じように撮影してみました。被写体はお正月に撮った新幹線です。
先ずはフィルムの“EOS-10”にて、富士山の山頂の下に新幹線の鼻先がちょうど来るように撮影してみました。うん、まあよろしでしょう。(写真C)
今度は同じ感覚で私の“Coolpix990”のシャッターを。鼻先が真下のつもりが意図した位置より通り過ぎていました。(写真D)そのうちにかっこがよろしくスピードも速い“JR500”が来たので再度軽くシャッターを。もっとずれております。(写真E)これは太田原の運動神経の悪さもあるかもしれませんが、デジカメの撮影反応の悪さではなかろうかと思います。ところでこのレリーズタイムラグ、シャッタースピードとはまったく別の概念ですので勘違いしないように。
シャッタースピードの事が出てきましたので、今度は流し撮りでデジタルとフィルム両方のカメラを試しました。プログラム撮影を解除しシャッタースピードを1/15秒位で撮影。まあバックは流れていますが、動いている物体を追っているので、タイムラグはあまり関係ないみたいで、フィルムの“EOS”もデジカメの“Coolpix”も同じように撮れています。(写真F.G)


(C)35mm一眼レフEOS10での撮影
思い通りのシャッターチャンス

(D)デジカメCoolPixではタイムラグの為か富士山頂よりずれてしまった

(E)JR500が早いのかもっと富士山を通り過ぎてしまった。うまく撮るにはなれが必要

(F)35mm一眼レフEOS10での流し撮りシャッター速度は1/15

(G)デジカメCoolPixでの流し撮り。フィルム、デジカメ両方とも思い通りの形
今回使用したフィルム.とデジタル2機種のカメラ

35mm一眼レフCanonEOS10

デジタルカメラのNikonCoolPix990
購入以来2年経過そろそろ買換えたい

(H)35mm一眼レフCanonEOS10での撮影。
タイムラグが少ない為か指針は真中に近い

(I)NikonCoolPix990での撮影。
指針を真中で撮ったつもりが振切れた所で撮れていた

もっとシビアに両機を検証。今度はメトロノームを動かし、指標が真ん中に来た時にシャッターを切って見ました。
フィルムの“EOS”では比較的指標が真ん中に近いところで写っています。(写真H)しかしデジカメの“Coolpix”ではすでに指針は振り切れており、やはり撮像される時間の差がでました。(写真I)
今回のこの実験は、たまたま私がデジカメの“Coolpix990”という一般向けコンシューマ機と、レンズ交換式一眼レフのフィルムカメラしか持っていなかったので、グレードの違いがあり正当な評価ではありません。デジタルカメラが一眼レフであればタイムラグの差は同じだったかもしれません。でもあくまで一般的にはこのような特性がある事はおぼえていた方がいいと思います。

おーっと、ここでこちらを恐い顔してジッと見ているデジカメ君が物申すと言っておりやす。
言い訳を聞いてみましょう。

【デジカメ君の言い分】
僕らの仲間をいじめているようだけど許せないなぁ、こちらはこちらで言い分はありますよ。迷惑かけてることはあるけどさぁ。
まずレリーズタイムラグなんだけど、これはシャッターを押してから絵が写るまでのズレじゃないんだ。シャッターを半押ししてから軽く押す事で絵が写る時間、これが「レリーズタイムラグ」というんだ。シャッターをいきなり切ってから絵が写るまでの時間差の事は「シャッタータイムラグ」って言うの。なにが違うのかって、うん、最近のカメラは皆オートフォーカスでしょ。


タイムラグをの欠点を補うには被写体に狙いをさだめて、シャッターボタンを半押し状態で構え待ちます。チャンスがきたらやや早めにボタンを軽く押し込むのがこつ。
あわててシャッターを押した場合はタイムラグの影響をもろ受けます

シャッターをいきなり切るとその瞬間から僕らカメラはピントを合わせようとするわけ、そこから距離を測定してピントを合わせ、そこではじめて撮影プログラムにうつる訳です。だからレンズを動かす時間だけ遅くなるのね。ここまではデジカメだけに限った事でなく、他のアナログカメラも理屈は同じです。だからシャッターを半押し状態にして構え、ピント露出を固定してからシャッターボタンを押し込み露光する。これが自動焦点カメラではベストなんだ。マニュアル撮影だって最初にピントは合わせるものね。
じゃあレリーズタイムラグ。これは上の状態がカメラ側で準備が整ってからの時間ですけど、フィルムの場合シャッターが開いて、決められた露光すれば後はフィルム側の問題。でもデジカメの場合は光を画像にする工程までカメラ側でするの。それにはホワイトバランスとか先に設定されたISO感度とか露出時間を瞬時に計算して露光という行動を起こすのでどうしても遅くなっちゃうんだ、ごめんなさい。

でもねぇ太田原さんの言うように、同じデジカメでも機種によってかなりの差があるよ。“CoolPix990”は接写とか静物風景には評判いいのだけど、タイムラグはあまり小さい方じゃないから、一眼レフしか使った事のない太田原さんが購入時に文句言っていたのも分かるけど。でもこれが一眼レフデジカメになると殆どフィルムタイプと変わらないよ。なんだ高いカメラじゃないとだめかとおっしゃる方、ちゃんとあるのだよー。カシオの“QV-R4”などは6万円位で買える400万画素の普及機モデル。でも一眼レフよりタイムラグが少ないんだ、15万円クラスのハイエンド機なども、例えばオリンパス“E-20”一眼レフに近い数字ですね。

レリーズタイムラグの時間ってどれくらいか、教えちゃいますね。単位は1000分の1秒の1ms(ミリセカンド)で表わしますね。


高速露光のリアルタイム35mm
一眼レフ1989年製の Canon EOS RT

まず、フィルムの電子制御式一眼レフもピンキリで100msなんて物もありますが、50ms以下なら優秀なカメラと言われています。これが一眼レフでないレンジファインダー型カメラ、コンタックスGシリーズやライカMシリーズなどですが、ミラーが無い分レスポンスが良く20ms以下じゃないかなぁ。余談だけど太田原さんの親父さんはずっと昔一眼レフのミラー音や、消える画像、タイムラグが嫌でCanonのレンジファインダー、“7s”というのを放さなかったらしいよ。30年前の話だから僕はまだ生まれていなかったけどね。撮影をポートレートに変えてから一眼レフになったみたい。もう一つ僕らカメラの先輩の話。35mmフォーカルプレンシャッター式一眼レフで15年前に“Canon EOS-RT”というのが発売されたんだ、“Real Time”というサブネームだけの事はあり、このカメラのレリーズタイムラグはわずか8ms。最短機の部類でしたよ。ミラーにペリクルミラーを使っていたので、ミラーが跳ね上がらない。だからファインダーが消えないショックも無い。たいしたもんだなぁ。


Canon EOS 1D

OLYMPUSの最上位機種 E-20

400万画素のコンパクト機
CASIO QVーR4

Panasonc DMC-LC5

MINOLTA Dimage F-300

さてデジタルカメラは。
報道の方が使っている“Canon1D”は55ms
先ほどのオリンパス“E-20”で60ms
冒頭の普及型コンパクト、カシオの“QV-R4”は何と10ms、これは特殊だ。
ライカレンズの“パナソニックDMC-LC5”は100ms以下。今年の新型の普及型コンパクトデジカメ“ミノルタディマージュF300”も100msで問題ないレベル、このクラスではタイムラグは短い方だと思うけどねぇ。一般的にはもっと長くて200ms以上の物もありますよ。うん。


はいはい、デジカメ君ありがとね。
要はカメラの自分が使用しているカメラのタイムラグをつかむ事でしょうか。プロのスポーツカメラマンはなれてくると、コンパクトカメラでもずれを予測してシャッター切り、すごいショットを撮影しちゃうそうです。クレー射撃のクレーの飛ぶところ予測するみたいな物でしょうか。なんか星飛雄馬が投げる大リーグボール1号みたいですね。
(これ知っている人ってかなりのおじさん。飛雄馬はバッターの動きを予測してボールをバットに当てて討ち取るのだ。そりゃぁすごかったぜ)
中にはレリーズタイムラグは短いけど、オートフォーカスに時間のかかるカメラもありますから、気を付けましょう。

(いやなとこその二)
【ああ、連続撮影ができない!】
「よぉ~しぃ、ゴール間近かだぞぉ。それいけェ~、連続のショットを撮りたい。よし、1カット、2カット、3カッ、3、サ、あぁ~ん、シャッター倒しても切れない!どうしたぁ!故障かぁ!だめだぁ!あーボールはもうはいってしまったぁ!。——-ア、今ごろ切れた……。」
こんな経験ありませんか。デジタルカメラでは短い時間に多くのシャッターを切る事が出来ない事が良くあるのです。まあ撮影間隔が一般フィルムカメラに比べ長いのです。
では再度新幹線の写真をお見せしましょう
まずは先ほどのフィルムの一眼レフ“CanonEOS-10”で上りの新幹線JR700をモータドライブを使わずゆっくり手動で撮影してみました。通り過ぎるまで全部で10カット撮影できました。次にデジカメの“Coolpix990”で撮影、300万画素でファインモードを選び連続撮影はOFF、3カットが精いっぱいでした。そう撮影間隔がずいぶん長いのですよ。連写モードなるものを使用しても、最初だけは多く撮影できますが、そのうち撮影できなくなります。
お~いデジカメく~ん。なんとかしてくれぃ。

35mm一眼レフCanonEOS10でモータードライブを使用せずに1枚毎シャッターを切って撮影。
余裕をもって10枚は撮影できます。
デジカメの場合は3枚がせいぜいでした。


報道用に開発された
297万画素のNikon D1H

【デジカメ君の言い分】
え~まずプロが使っている一眼レフタイプはこんな事ないよ。先ほどの“Canon1D”は8コマ/秒の高速連写、報道陣ご愛用の“NikonD1H”も5コマ/秒で40コマまで連写出来るんだよ。どお、すごいでしょ。え!そんな高価なカメラの事はどうでもいい。あ、そう。え~フィルムカメラの様に連写が得意でない理由をお話します。デジタルカメラの場合はフィルムの役目もカメラ側が行なっている事は先ほども言ったよねぇ。だからデジカメとしてはフィルムカメラより余計な仕事を行いその分ハンディを背負っているのが、この撮影間隔の長さに出てくる訳なんだ。もう少し詳しく説明するね。デジカメはねぇシャッターが切れ露光が始まった直後からの仕事がすごく大事なんだ。

これらは複雑な仕事を僕らの小さな処理装置で行なっているのです。パソコンCPUでも結構かかる仕事をいっきに行なうから、そりゃもう大変なんですよ。そこへ次の撮影指示が来ても対応できないのがコンパクトカメラなのね。

あともう一つ。図を見て欲しいのだけど、写真はデジタル信号だから、これをデジタル処理するには一時的にデータを保存しておく必要があるんだ。この場所をバッファメモリというのだけど、ここからカメラに装着したメディアに受け渡し保管される訳。このメモリの大きさはカメラによって違うから、撮影間隔もそれぞれカメラにより異なるよ。高価な一眼レフはバッファメモリは大きい、処理スピードは速い、だから連写性能もいいのです。それと写真の大きさつまり画素数、圧縮率によっても違うし、データを受けるメディアの性能にも影響されるんだ。まあ連続撮影したければ、JPEGモードで画素数を落し性能の良いメディアでフォーマット済みの物を使えば少しは良くなるかも知れません。
ちなみに撮影間隔は一眼レフの“NikonD100”だと0.4秒くらい、ハイエンドデジカメで最新型のNikon“Coolpix5700”では3秒くらいになってしまうのです。

本格プロ用D1xより価格的に有利な、一眼レフNikon D100
レンズ交換は出来ないが画質的に一眼レフと見劣りしないハハイエンドコンパクトデジカメ
Nikon CoolPix5700
しかしコンシューマ向けコンパクトカメラにも連写にすぐれている機種もありますから、購入時はよく調べて買いましょう。
パナソニック DMC-LC20
Fuji FinePix F401

連写性がよい

まだあるぞィ(いやなとこその三)
【写真を撮りたい、はよ立ちあがらんかぃ!】
いつでも撮影出来るよう常にポケットの中に小さなカメラを忍ばせている写真好きな人がいます。撮りたいと思えば直ぐ撮れる。「お、うん、パチャ、バシャ」う~ん立派というか暇というか。
で、私も真似事を。とある成人式の日信号待ちの車の中で外を見ると、晴れ着のきれいな女の子、いきなり咥えたばこで歩き出す、しかも着物と思えない大胆な歩き方、「お、すげぇなあ。そんな事してると、撮っちゃうぞぉ~」私も悪趣味、いざ記録撮影。でもデジカメSW入れても直ぐ撮れません。そのうち吸い殻捨ててもみ消した。何かすごいものを見た感じ、と思った瞬間我がデジカメスタンバイ。
まあデジタルカメラの場合、電源を入れてからしばらく立たないと撮影状態になりません。また入れっぱなしの状態では普通スリープモード(主要操作部分が起動していない状態)に設定し、バッテリーを節電しますが、この時もいざ撮影という時は若干時間をみないと撮影できません。瞬時の撮影には困りものですね。
それから撮影後直ぐ結果を見れるのもデジカメの良さ。でもプレビュー後直ぐに撮影できない機種も結構ありますね。これもネックです。

【デジカメ君の言い分】
太田原さんもカメラ持って、普段何を見ているのか、お里が知れるよね。私たちデジカメも人間と同じで仕事をするのにまず準備が必要なんです。ユニフォームに着変える人もあれば、機械のスタンバイしなければ仕事できない職場もある。印刷機だっていきなりは印刷出来ないでしょ。それと同じでデジカメもそうなんだ。デジカメだけじゃなくてパソコンも立上がるのに時間がかかる、電子機器はプログラムの読込みが必要なのです。問題は時間、普通4~5秒かかるカメラもあるけど、最近のデジタルカメラはそれでも速くなってきて2秒半位の物もあるよ。これからも期待して下さい。ところでどうでもいいけど太田原さんの場合は、仕事の朝の出だしは速いでしょうね。だって前日、机の上全然かたづけずに散らかったままご帰宅、そのまま朝になって始業時間だものね。まったくしょうがないなぁ。

カメラの立ち上がりが結構早い

Fuji FinepixF401(左)

MINOLTA Dimage Xi(右)

私の事はほっといて。
まあ、今回はこの辺で止めときましょう。
でもまだあるぞー。ざっと述べると。
・あの内部液晶ファインダーはいやだ
・かっこうが変。
・借りてきたカメラ、マニュアルが無いと使い方が分からん
・夕日を撮ったら夕日っぽく写らない。
・バックをぼかしたいけど、ぼけない。
・友人が一眼レフの受光面にゴミが入ったと騒いでいた。
・デジカメ一眼レフのファインダーってなぜあんなにせまいの
・ハイライトの飛びかたが嫌み。
・露出ラチュードは案外狭い
などだぁ。
いいかデジカメこれからビィッシ、ビィッシいくからな覚悟しとけよ。
う~。

(デジカメ君)
ああ~。太田原さんうなり声上げて帰っちゃったよー。たくーモー、また机散らかしたまま。しょうがないなぁ。
なにが“ビィッシ、ビィッシ”だよ。新日プロレスの星野総裁じゃないんだから、はっきりいってプロレスの見過ぎ!
じゃぁ今回は僕からご挨拶、色々迷惑かけますが今後もよろしく。では次回を。

第8回 デジカメが嫌になる暗~いお話 2

皆さんこんにちは、今年の浮き世の春、思いっきり桜満開でしたねぇ。そんな事を尻目に今回も「デジカメの嫌になる暗~いお話PARTⅡ」です。
こんなところ嫌だなと思う事じゃんじゃん述べちゃいます。

でも皆さん、デジカメの嫌なところといいながらも、技術は日々変りつつあります。今日感じた事は、新製品では当てはまらないかもしれません。またこのように対応したらどうでしょうかという事を考えていきます。これらを特徴として捕らえて、デジカメを使いましょう。本当にデジタルカメラが嫌にならないで下さいね。
では、まいりましょう

(いやなとこその四)
【電子ファインダーって奴は】
デジカメ背面に備わっている液晶モニタですが、これ便利、とても。でも頼り過ぎてこのモニターを見てスナップショットを捕らえると、時に失敗します。なぜなら液晶表示は画像処理して表示するので、実際の画像より微妙に時間がずれて、けしてリアルタイムに表示してくれないのです。
このような時は予備の光学ファインダーを使用しましょう。この方が構えが良くてカメラを固定でき、ブレませんものね。でも備わっていないカメラは困ります。それに日中の明るい所などは液晶では見えません。
さて、光学ファインダーの無いカメラで、レンズ交換は出来ないが一眼レフに近いハイエンドカメラがあります。(以下の写真)

これには光学式レンジファインダーがありません。しかしファインダーアイピースに目を当てるとそこは電子ビューファインダー(EVF)になっています。光学画像でないところが一眼レフとの違いです。実は三年ほど前にフジフィルムの“Finepix4900”というカメラを見た時すごく抵抗がありました。だってテレビの画面みたいだもの。
(映画ロボコップでのロボコップ自身の目にはこのように見えていた)
これで絵柄を確認するのかい。てぇことはこれはあくまでも補助ファインダー。外部の液晶モニタを頼りたくなりますよね。
今はかなり見やすくなっておりますが、あっしのような古りぃ奴にゃぁ、ちっとばかし愚痴も出ようってもんでござんす。覗くにはやっぱ明るい光学式じゃなくっちゃねぇ。
(ちょっと一言)ちなみに一眼レフの液晶ファインダーはリアルタイム表示はしません。あくまで撮影後の画像表示です。だから光学式ファインダーがメイン。だって読んだとおり一眼だもの。

一眼レフに近いコンパクトハイエンドカメラの各機種


OLYMPUS E-20:
このカメラのみファインダーは一眼レフと同様の光学式です。オリンパスのフラッグシップ機だけの事はありファインダーを覗いた感じは実にきれいです。
Nikon CoolPix5700
Fuji FinePix s602
ミノルタ Dimage 7Hi
Sony Cyber-shot DSC-F717
パナソニックLUMIX DMC-FZ1

ミノルタ Dimage 7HiとFuji FinePix s602の背面
背面パネルに液晶モニタ、その上部に電子ビューファインダー(EVF)が備わっており、切り換えて使用します。撮像素子からの信号をリアルタイムで表示するのは他のコンパクトカメラの背面の液晶モニタと同じ。

(いやなとこその五)
【カッコウが変】
デジタルカメラのスタイルだけど、どうもカメラらしくないなぁ~。と思うのは太田原がかなり古いおじさんだからでしょうか。そう、ものを見るとカメラなのかMDウォークマンなのか、シガレットケースなのか、弁当箱の小さくしたような……よう分からんです。
でもこの自由な形でデザインできる事がデジカメのすばらしいところ。ポケットに入るような小型で高性能のカメラが設計できるのです。スパイラルボディなんて昔は考えられなかったですものね。なんたってカラーも豊富でスタイルのかわいらしさは女の子には受けると思います。

スタイリッシュな各社のデジタルカメラ(太田原表現ではおかしな格好のカメラ)
スパイラルボディのNikon CoolPix SQとCoolPix 4500

クレドールに
おさまった
CoolPix SQ
携帯性とレンズ性能を両立する為に
ボディ自身を回転式にしたデザイン

ボディ上面に
レンズを向ける
フジフィルムのFinePixF601とM603
ウィスキーポケット瓶かシガレットケースかと思うような縦型デザイン。思ったより持ちやすかったですが、滑って落としそうになった。
M603は動画もお得意

カラフルかつコンパクトボディの各新型機種


ミノルタ DiMAGE Xt

Sony Cyber-shot DSC- P8

Sony Cyber-shot DSC-U-20
300度回転するスパイラル式
レンズがユニークな
Sony Cyber-shot DSC-F77
ほんとに小型軽量薄型ボディの
PENTAX Optio S

レンズの光軸を平行にずらして収納するという今までの常識では考えらない方法により薄型ボディを可能にしてます。

レンズがボディより前に繰出ない薄型ボディのサンヨーDSC-J1ザクティ

ミノルタ DiMAGE Xtと同じプリズムを使い
ボディと平行に配置したインナーズームが特徴
ボディよりレンズの方が大きいまさしくレンズ付きCCD
片手で操作できるのかな

Sony Cyber-shot DSC-F717

最近の撮影スタイルです。
デジカメのユニークなデザインと共に機能的なのが液晶モニタのフレキシブルさ、自由自在に動かせて無理なアングルを可能にします。
Nikon CoolPix5700
Nikon CoolPix5000
PENTAX Optio 33L

ただ時として自由度があまりに高くて、シャッターボタンが押しにくいカメラもあります。
撮る姿勢も最近は変りまして、カメラを構える姿勢から腕を突き出して撮影をされる方の姿を多く見かけるようになりました。シャッターボタンの位置が悪かったりすると、この姿勢での撮影ではカメラが軽量なだけに、ブレるなんて事にもならないでしょうかねぇ。

(いやなところその六)
【白トビが嫌だ】
女の人を撮ったら顔がただ白いだけのベタ顔になっちゃった。
女性を撮影したところ、顔が真っ白になっちゃった。それだけならいいけど、どれが鼻でどれが頬なのか分からんという事ありませんか。まあ昔、TVでやたら白く写り、「美白の女王」という方いらっしゃいましたが、これは別としてあまり感じの良いものではありません。私どもの業界では「調子がなくなっている」とか、「ライトが飛んでいる」「白トビ」などと表現します。これはなにも女性だけの事ではありませんし、デジタルカメラに限った事ではなく、単純に部分的露出オーバーという事です。ストロボ発光をもろに受けた場合などに良く起こります。
写真の白トビ部分はキャッチライトといい、被写体のテカッている部分です。被写体によっては光っているところはありますが、キャッチライト面積が必要以上に多い場合は気になります。
ハイライト側の白飛びはフィルムでもおきますが、デジタルの場合はその飛び方が嫌みです。ある部分から一気に飛びます。やはりデジタルなのですね。フィルムの方が同じ飛ぶのも滑らかな感じです。ですからスキャナでフィルムの写真を入力する時は、入力のセッテイングである程度素直に写真を表現する事ができます。
写真1の女性(この人私の同級生)これはやはり飛び気味で頬や額にキャッチライト部分が多く見られ階調がありません。これはストロボ光をもろに浴びたからですね。デジタルカメラはハイライトの調子再現があまり得意でないようです。私たち印刷人としましては何とか補整しようとします。通常Adobe社の「Photoshop」というソフトを使用して補整し、何とかテカリを押え、顔の表情の調子をだそうとします。これが女性写真2です。


写真1


写真2
Adobe社の画像処理ソフト「Photoshop」を使って、ハイライト側の調子を引き出す際に時々使用する方法
元の画像よりレイヤーを複製コピーし、レイヤースタイルのブレンド条件を調整します。
オプションキーにて▲マークを分割させないとジャンプがおきるので注意
すべてがこの方法でうまく行く訳ではありません。かすかに存在するハイライト側の調子を無理矢理引っ張り出すので、かえって逆効果の場合もありますが、救える場合もあります。
人物よりも静物や建物の壁などに使用する事が多い様です。

さらに調子のある有効なチャンネルからマスクを作成、このマスクに手を加えライト側以外の必要の無い部分を隠します。
これによりコピーレイヤーのハイライト側のみを乗算させるようにしてハイライトの調子を引き出します。

ところで最初から飛んでいるところはどうしようもありません。デジタルデータは通常1チャンネルが8bit(2の8乗で256階調)で記録されますが、キャッチライト部はデータ数値の上限に来ており調整不可能なところなのです。
下の写真を見てください。このおじさん達は私の大学時代の悪友でして、以前秋葉原で飲んで帰る時の写真です。良い気持ちで酔っ払っておりますが顔がブッ飛んでおり、赤ら顔が見えない代りに顔が真っ白で真平ら、こうなるとどうにも救いようがありません。しょせん救いようのない連中ですから、私の方も修整するつもりも有りませんが。

【デジカメ君ここで一言】
再び僕の登場。確かにハイライト側の飛びは気になるところ。でも多くは露出の問題でデジタルカメラの方がフィルムに比べ反応がシビアですね。逆にシャドー側の方は調子を出しやすいといえるよ。
通常のネガフィルムはプリント焼きの時に調整してある程度は補えるけど。プロビア等ポジタイプのリバーサルのフィルムになるとやはり露出には結構正確さが必要になるのだ。
いずれにしてもフラッシュ撮影の時などは、光をバウンズさせて自然な感じにするとか、自動露出も露出補整というメニューがあるので、これで目的の被写体がオーバー目になりそうな時にはEV値をマイナスに補正にして撮りましょう。何でも自動に任せずにコントロールするのが腕というもんだ。あ!言っちゃった。
ここで便利な機能もありますよ。カメラの液晶ファインダーに撮影後のヒストグラムといって露光状態の表示や、白飛びの具合を警告してくれるカメラもありますから、これを見て写真の状態を直ぐ判断できます。また撮影前にリアルタイムでヒストグラムを表示するミノルタの「ディマージュ7Hi」など、親切なカメラだよ。この当りすばやく教えてくれる事もデジタルカメラのメリットだもんね。

img01
img02
カメラの液晶ファインダーで
撮影画像の確認
白トビ警告とヒストグラム表示により露出を知ることができます。
外部ストロボを使用する時は、発光源を上向にするバウンズ露光なる方法で、白トビを避けることもできま

(いやなところその七)
【ラチチュードは案外狭い?露出設定は正確にしなくていけない。】
例えば白から黒までを写真として表現する事、いわゆる階調再現ですが、この最大最小の範囲を「ダイナミックレンジ」といいます。デジタルカメラとリバーサルフィルムは数値的にはほぼ同等ではないでしょうか。
ただきわめて人間的などのようにきれいに表現するか、という階調再現性となるとデジカメはアナログと違い階段状に表現するので不利ではないかと思います。前でも述べましたように特にハイライト側に良く見られる調子の飽和はいただけません。印刷物で淡いグラデーションの場合など補整に苦労する事もあります。
ですので、露出オーバー気味の場合は補整が厳しくなります。撮影はオーバーよりアンダー気味の方が救われるのです。人間って暗い方はあまり気にしないのですよ。
結果的に露出はシビアに正確でという事になります。実質的にラチチュードは案外狭いという事なのです。「ラチチュード」とは写真で言うダイナミックレンジと思って下さい。一枚の写真に明るい暗いがあると両方とも真っ黒にツブレ、真っ白で平らで飛んでしまいます。これを「ラチチュードが狭い」などと言います。

【デジカメ君】
え~解説します解説します。
「ラチチュード」を補う方法ですねぇ。良くやる方法はカメラの露出補整機能を使用して明るい暗いの2カットを撮ります。これをパソコンでのPhotoshop等の画像処理ソフトでレイヤーで重ねて必要な部分だけをマスクやブラシで出していく方法。
でもこれは静止画撮影、しかも後処理ですね。
ところがこんな事しなくて撮影時にうまく処理しちゃう僕らの仲間がいるんですよ。サンヨーさんはすごい事やってくれます。
サンヨー「DCS-MZ3」という210万画素のカメラは”ワイドレンジショット”と言って同時に明暗2枚の画像を取込みカメラ内で合成処理を行い、白トビ黒ツブレを押さえるという訳。え!サンヨーって家電メーカーでしょ。と思うかもしれませんが、動画取り込みが特徴のサンヨーさんのカメラ。結構良い製品出ていますよ。画質も機能もそこそこで添付されたソフトも親切なのね。
しかしフジフィルムさんも実に頭良い事考えてくれます。フジフィルムは以前よりハニカムCCDと言って、素子を正方配列から45度傾けて八角形配列し、CCD素子数以上に水平垂直方向の画素数を稼ごうというユニークなCCDを使っています。今度は「スーパーCCDハニカムSR」と言って大小の素子をうまく使いダイナミックレンジを広げた物を開発しました。今回新登場の「FinePixF700」に装備されるそうです。

ダイナミックレンジを広げる為のパソコンやカメラでの画像処理法
レンジの異なる二種類の画像を合成する事により、ライトからシャドーまでの調子を確保する。

明るい画像

暗い画像

階調領域の広くなった画像
サンヨーDSC-MZ3
ワイドレンジショットという処理を持つ
発売が予定されている新型のスーパーCCDハニカムSR搭載のフジ FinePix-F700
フジフィルムの第四世代スーパーCCDハニカムの原理、なんでもネガフィルムからの発想なんだって、撮像素子の構造に注目。二種類の素子からのデータより階調領域を広げています。

(いやなところその八)
【借りてきたデジカメ、マニュアルも借りないと使い方が分からん。】
デジタルカメラはデザインだけでなく機能、操作系も自由度があり、各メーカーによって結構個性的に設計されております。この為ちょっと人から借りてきたデジタルカメラは、「あれ、こいつ露出補整どこにあんの?」とか
「絞り優先になってるのかなぁ、絞りはどれ、う~んわからん“Pモード”にしようっと。あぁ、モードダイヤルはどれだ。」とか
簡単な話シャッターボタンもわからなかったりして(私はFujiの“FinePixM603”を触れた時シャッターが分からず恥をかいた)戸惑う事もあるのではないでしょうか。カメラにかぎらず電話やカーナビなど最近の物はメニュー表示も選択していくツリー構造のため、機能が直ぐに見えないのですね。なれてくればどのカメラも基本的な機能はそれ程変わらないので、戸惑いも少ないでしょうが。
まあ各操作が機種により異なるのはその分機能が増えてきたという事でしょうか。前述のサンヨー「DCS-MZ3」は操作が迷わないように、ただ撮る人にはベーシックとそれ以上を望む方にはエキスパートのメニュー切換えがついている物もあり、それなりの工夫はメーカーさんしてくれております。
面倒くさがりやでマニュアルも読まず、携帯の使い方が分からん様な私めに貸す時は、当然ベーシックにしてから貸しましょうね。

さて今回はこのくらいにしまして、また次回に致します。今回もご覧いただきありがとうございました。

第9回 デジカメが嫌になる暗~いお話 3

皆さんこんにちは、新緑の季節から日本列島は梅雨に入ろうかというこの時期、いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回もしつこく「デジカメの嫌になる暗~いお話PART3」と行きますが、デジカメの欠点を突つくのはこれが最後という事にいたしたいと思います。
では行ってみましょう。

(いやなところその九)
【夕日を撮ったけど夕日っぽく写らない】
夕日の撮影では先ずは場所を決め、そして日時を決め、天気予報で天候の状態を良く把握し、寒い時はそれなりの防寒の準備を、真夏の暑い海では少々体が濡れても良いように、地形の険しい場所では転んで大事なカメラを壊さぬように動きやすい格好で、とまあここまで用意周到しなくてもとは思いますが、 いかんせん太陽が同じ気候で同じ位置に落ちるのは年一回、となると失敗した日にゃまた一年待たねばと思うとつい気合が入るものでごわす。
(こんな几帳面さ私じゃございません。別の方です。)
とまぁ思い入れはともかく、夕焼け空に向かってデジタルカメラを向け写真を撮りますと、 それなりに写ってはおります。(夕焼け1)

デジカメ通常撮影の場合(夕焼け1)
35mm銀塩フィルム撮影の場合(夕焼け2)

デジカメ露出補正し撮影(夕焼け3)
ホワイトバランス設定の違い

オートホワイトバランスの場合(夕焼け4)

ホワイトバランスをプリセット
設定にした場合(夕焼け5)

ここで35mm判フィルムで撮影したものと比較してみましょう。(夕焼け2)
同じ時間に撮影したのですがどうでしょうフィルムの方が、夕焼けらしく表現豊かに撮 影されていると思いませんか。 フィルムには今までの長きに渡ってのノウハウが積み込 まれているのか、夕焼けは赤いのだという人間のイメージをうまく表現しているので しょう。使用フィルムはディーライトタイプで地味な発色の“SINBI”を使用、“ベルビア”の様に特別鮮やかのものではありませんし、使用カメラの“EOS-10”ではオート撮影そのものです。 一方デジカメですが、恐らく風景の色は忠実に再現しているのでしょう。でも人の気持 ちまではまだプログラムの中に反映しきれていないといった感じですね。

それどころか、ホワイトバランス等をオートに設定しておくと、中途半端な光は色カブ リとしてとらえ、勝手に白くしてしまうかも知れません。フィルムではホワイトバラン スを変える事はできませんから、かえって変動要因が無いと言えます。 この当りは撮影側でのコントロールが必要になります。

(夕焼け3)ですがこれはマイナスに露出補整をして撮影しています。これにより夕焼け空の感じをより強くしました。太陽光が直接レンズに入るような場合はオート撮影で画面を動かすと、露出が変ってきますので(特にスポット測光など)、良いと思うところでシャッターを半押し状態にしてAEロックをし、露出を固定、それから構図を決めましょう。すばやくやらないと、夕日って奴は結構速く動くので、あっという間に沈んでしまい、ハイまた次の日という事もになりかねません。

先ほどホワイトバランスの事に触れましたが、機種によっては夕日モードという物がある場合は、これを使用しましょう。夕日が白っぽくなるような事はありません。いわば夕日専用フィルムの様なものですね。オートの場合は対象となる太陽の光源自身をホワイトにしようとするので、プリセットを使いホワイトバランスを固定する事も一つの手法です。 (夕焼け4)と(夕焼け5)はデジタルズームを使用して撮影したので絵が荒れていますが、(夕焼け4)がオートホワイトバランス撮影、(夕焼け5)が別の時刻に白紙でプリセットホワイトバランスを取り、このホワイトバランスにて撮影したものです。他は一切変更しておりませんが、結構違うものですね。

《余談》
毎日拝める朝日と夕日は(新聞の話じゃない)
照明や太陽には色温度があり、色温度が高ければ青っぽく低ければ赤っぽくなります。朝焼け写真は、昼間の日光より色温度が低い為に空が赤く見えるのだそうです。また太陽光を波長で表わすと太陽が地平線ぎりぎりになる夕方は、光の入射角がが浅くなります。波長の短い青い光は波長の長い赤い光より屈折散乱しやすいため、青い光は散乱してしまい。我々の目に届く光は赤味の光が多く、よって夕日が赤く見える事になります。(学校の先生が30年前に教えてくれた)ところで朝日と夕日では微妙に赤みが違うように思えますがいかがでしょうか。

朝焼けの方が写真より白っぽく眩しく、夕日の方がオレンジ色の鮮やかな感じを受けます。実際はどちらもそれ程変らないでしょうが、人のイメージの中での感性がそう思わせているようなのです。ただ、朝の方がチリホコリも少なく酸素量も多い。夕刻は地表温度が朝に比べ高いなどの事から微妙に光の屈折率等に影響しているのではとも思います。
(今度スタジオのカラーメーターで計ってみようと思ってから数ヶ月、実行できないのは朝寝坊を克服できない私の気力の無さが原因です。)

夕方になるとなぜ太陽は赤くなるの?

青い波長の光は赤い波長の光に比べ屈折率が高く散乱しやすい。光の入射角がきつくなる夕刻には赤い光しか地表に届かない。

(いやなところその十)
【友人が一眼レフデジタルカメラの受光面にゴミが入ったと言って騒いでいた】
私の友人で昔からのカメラ好きがおりまして、1年ほど前にデジタル一眼レフを購入したと見せびらかしに来ました。が、最近になってゴミ取りだ、ゴミ取りだと騒ぎはじめました。うむ、公園の掃除でもボランティアでやっとるのかい、感心だねぇと思いきや、何のことはない、彼の愛機のCCDにゴミが付着してそれが撮影画像に写ってしまい、後の画像処理で消去しているとの事でした。レンズの絞りをどうも絞ると同じ場所に出てくるとの事です。「そりゃ大変、買い替えたら」と申し上げましたところ。簡単に言うなと、目を向いて怒りはじめました。


Canon Eos-1Dsのレンズマウント部
フィルムタイプの一眼レフなら屋外ででもレンズ交換をするが、デジカメでは絶対に嫌!。極力屋外撮影にはその撮影をカバーできるズームを最初から付けていく事が望ましい。

レンズを外せばミラーが見えその奥にシャッター、さらにその奥に受光素子が!銀塩一眼レフと構造的に何も変わらないのに、ミラーボックス内に侵入する汚れがデジカメは大嫌いなのです。

一般コンパクトカメラはレンズ固定でCCDが外気に触れる事はありませんが、一眼レフになると銀塩タイプもデジタルタイプもレンズ交換が出来ます。その撮像交換レンズを通した光学ファインダーが魅力なのですが、このレンズ交換の際に空中のゴミホコリがミラーボックス内に混入する事が大変な問題なのです。露光時に跳ね上がるミラーでボックス内の空気をかき回し、シャッターが開いた瞬間、CCD等撮像素子面にゴミが付着してしまうようです。これが影として写り込んでしまいます。フィルムと違い撮像素子は固定ですから、気を付けないと徐々に汚れてくるので始末が悪いですよね。絞りを絞り込めば込むほど、はっきり浮かび上がってきまして、たまたまF22などで撮った時に始めて気がつくといったあんばいです。
そんなのブロアーで吹き飛ばせば、とお思いでしょうが、絞り込んで出てくるゴミはかなり小さく、メーカーでクリーニングしてもらわないと素人では無理。フジのS2Pro等はCCDクリーニング法が“取り説”に記載されているようですが、傷がつく事を考えると、とても恐くて拭く事なんか出来ませんね。(メーカークリーニングは時間がかかるらしい)
会社のスタジオで3年ほど前、“KodakのDCS660”というカメラを購入した時、(当時ボディー価格ウン百万円だった)わたくし早速、野次馬根性むき出しで「CCDはどこだぁ」とレンズを外そうとしたところ、「あぁ~だめ、不潔な人は触らないで、それからウッカリ落すと高級車壁にぶつけるようなものだよ。なんたって太田原さんのポンコツ“パルサー”10台は買える値段なんだから。」
ふん失礼な、私の愛車を対象にだすなてんだ。

(いやなところその十一)
【デジカメの一眼レフファインダーってなぜあんなに小さいの】
デジタルカメラの一眼レフのファインダー覗いた事ありますか。35mmのフィルムカメラのそれに比べ、黒い部分が多く視野がやたら狭いと思いませんか。そうこれは“CanonEOS-1Ds”“KodakPro14n”などフルサイズ一眼デジカメは別にして、ほとんどのカメラのCCD撮像素子は35mmより小さい。(APSサイズ前後)そこへ持ってきて35mm判カメラのファインダー設計をそのまま転用している事が多く、結果として35mm枠の中で小さく表示がされてしまう事になってしまう訳です。中には“EOS-1D”の様にファインダー部をデジカメ専用設計にして、見やすいようにしているものもありますが、ボディ価格が20~30万クラスではファインダーを覗いた時の視野の狭さは、ぐっと我慢してその機種になれるようにしましょうね。

F80のボディを流用したフジFinePixS2Pro

銀塩カメラ ニコンF80

フジFinePixS2Proのファインダーを覗いたところ。視野が狭い。


フジFinePixS2Proと同じボディーの銀塩一眼レフ ニコンF80のファインダーを覗いたところ。
報道スポーツ関係で使用される事を考えたCanon Eos-1Dは高価な分、ファインダーを覗いた時の視界は広い。

(いやなところその十二)
【背景をぼかしたいけどなかなかボケない】
ポートレート写真などモデルさんにピントを合せ背景をぼかして、女性を引き立たせる事は良くやりますね。35mmスチルカメラでは85mm~150mm位の明るいレンズを使う事が多いのでしょうか。ところがデジタルカメラではこのバックを“ボカス”のに苦労するケースが多いようです。これは35mm一眼レフの場合24×36mmというサイズなのに対し、一眼レフデジタルカメラの撮像面積はAPSサイズクラスで、準広角35mmが標準レンズになってしまいます。ご存知のように背景を“ボカス”という事は被写界深度を浅くする事、こうするにはレンズが明るく焦点距離が長くならなくてはならないのに、APSサイズレベルのカメラでは、被写界深度の深いレンズがどうしてもメインになり、結果的に“背景がぼけにくい”という事になります。
一眼レフデジタルカメラでこのレベルですから、一般コンパクトカメラではレンズを見ると大体、焦点距離f7、8mm~20、30mm位のズームレンズ、明るさもF2.0~F3.○○位で、とても35mmスチルカメラのレンズには程遠い代物です。
こんなことでデジカメでは撮影時に出来るだけ望遠よりで、シャッタースピードを上げ絞りを開放近くにしてがんばり、それ以上はあきらめるしかなさそうです。
どうしても不満とおっしゃる方は、パソコン上の画像処理で“ボカス”、或いは高価格な「KodakDCS14n」「コンタックス Ndigital」「Canon EOS1Ds」等の35mmフルサイズ一眼デジタルカメラを購入という事になります。合掌……。

Contax N digital
35mm判フルサイズのCCDを搭載する。

レンズが長焦点で口径が大きい方がピントの合う範囲は狭くなる。55mmレンズでは人物の赤い光束線はピントが合っており、背景の木の青い光束はフィルム上では結合せずピントはぼける。
一方35mmレンズでは両方の光束線は共に近いレベルで結ばれてピントは大体合っている。デジタルカメラの場合銀塩フィルムより撮影サイズが小さい物が多いのでレンズの焦点距離は小さく、その分被写界深度は深くなりバックがぼけにくい。

(いやなところその十三)
【パララックスで失敗した】(デジカメだけじゃないよ)
一眼レフ”ユーズオンリーの人はあまり気にしませんが、近接撮影をした所ファインダーで見た時より、実際に写っているものが切れていたなんて経験ありませんか。
これは「パララックス」と言って、撮影レンズとファインダーレンズが分かれている場合、撮影で写る範囲とファインダーで見える範囲角度に違いが生じ、これによって起こる視差の事です。当然遠方でなく、近い方がその現象が起きます。
これはデジタルカメラに限った事でなく銀塩でも同じ事。嫌、むしろコンパクトデジタルカメラの方が液晶モニターを使用していれば、撮影レンズでの画像を表示しているので気にしなくても良いのです。じゃあなぜここに載せんのよ。
あ~それは紙面をかせぐためー。じゃぁなくって。えーつまりデジタルカメラの撮影時に、屋外での液晶モニターでは頼れない時など、小さなビューファインダーを使って撮影したとします、その時つい「パララックス」を頭に入れずに写す時があるからなのです。普段は視差の事なんか気にしてませんものね。レンジファインダー専用の高級カメラ“コンタックスG2”や“ライカM7”等はパララックス自動補整付きですが、コンパクトデジタルカメラのビューファインダーはあくまで補助使用、それ程お金はかかっておらずズーム機能が精一杯なんですね。だから接写でビューファインダーを使用する時などはそんな事をちょっと気にしましょう。

(写真7)は液晶ファインダーで撮影した場合、それに対し(写真8)はサブのビューファインダーを見てそれをだけを信用して撮影した場合です。
もちろん一眼レフでは、デジタル、銀塩とわずこのような現象はありません。(写真9)

(写真7)
コンパクトカメラで液晶ファインダーを使い撮影。CCDからの画像をそのままファインダーに写し出すので、撮影写真に誤差は少ない。
(写真8)
コンパクトカメラで光学式ビューファインダーのみを使い撮影。白い花がケラレてしまった。
(写真9)
一眼レフカメラでの撮影、視差はない、ただし35mmフィルム全てをファインダー上に表示しない機種が多い。
視野率○○%という数値がカタログ上に掲載されている
撮影レンズとビューファインダーには、各々位置にちょっと差がある。これがパララックスの要因となる。
撮影レンズとビューファインダの位置による視差
img01
Contax G2
レンジファインダー型の35mmフォーカルプレン銀塩カメラとしては最高級レベル。16mmから90mmのツファイス交換レンズが魅力。

さてさて3回にわたりデジタルカメラの悪いところを言いたいほうだいしゃべってまいりましたが、結論としては欠点は日々直っていくものだ、デジタル産業の進化は実に速いもの。欠点、裏返せば利点と成りにけり、昨日の欠点今日はなんぞや、なのであります。
ただデジタルカメラの特徴はそれぞれ把握しておきましょう。 では次回もよろしくお願いいたします。

第10回 解像度ってな~にというお話


梅雨明けまじかの7月、もうすぐ夏、なつ、な~つです。皆さんご機嫌いかがでしょうか。え!この“梅雨が終わりゃくそ暑い日々だっていうのに、機嫌が良いわけないだろう”ですって、まあそうおっしゃらずに、これも日本の四季のひとつ、ありがたい地球から頂いた自然です、その風景なぞを被写体として、肌で季節を感じましょうよ。
てなわけで私、雨の中も気にせず写真撮れるようにと、買いましたねえ。生活防水デジタルカメラ“オリンパスμ-10”を!。これであわて丸のわたくしめ、水にぬらしても安心なんであります。これ最近流行の小さいカメラ、手軽です。便利です。どこでも持って行けます。何も考えなくても撮れちゃいます。まるっきりオートちゅーかぁ、何もいたずらしようがない。しかしメモ替わりにと買ったけど写り良いですね。ついでに海にも潜れるよう、水中ハウジングも買いました。
液晶モニターの動きが“どろん”としていることとストロボが小さいのが気になるけど、まあこの価格では充分なのかな。
今や浮世では写真を撮るのに、薄型コンパクトデジカメか、1メガカメラ付き携帯か、という事で迷っている方も結構いらっしゃるようですな。

さて今回は“デジタル画像の解像度”と“画素数”についてお話したいと思います。「解像度」とは簡単に言えばデジタル画像の密度と思って下さい。「解像度が高い」と言えば密度細かく精細にみえるというわけです。
一方「画素数」とはデジタル画像を形成している小さな色のついたモザイク状のタイルの数と思って下さい。

デジタルカメラの性能を表わすカタログデータに「画素数」という単語を見かけます。よく[300万画素のコンパクトカメラ登場]とか、[手の中に収まる3.3MegaPixelの感触]なんていうキャッチフレーズが雑誌広告などに載っているのは「画素数」の事で、結構なじみ深いものになりました。一種のカメラグレードを表わす代名詞の様になってきたこの「画素数」とは、撮影された画像の大きさを表わしまして、デジタルデータの容量そのものです。いわばコンピュータ的な数値で、我々が親しんでいる何センチという単位の寸法ではありません。ちょうど自動車のエンジン排気量のようなものですか。


デジタル画像はビットマップデータ
画素数2000×1600は320万画素

(本編のデジカメ読本第3回)でも言いましたようにデジタル画像というのは、碁盤の目状の四角な”Pixel”(ピクセルと読む:画素)が並んで成り立っています。それ一つ一つが色と階調を持っており、たくさん集まる事で写真を形成している、まあ人文字のようなものですね。これをビットマップデータといいます。この画素が横2000個、縦1600個整列している画像は横2000pixel×縦1600pixel=320万(画素)pixelという面積計算で表わします。これら画像面積の画素の総数を、デジタルカメラの「画素数」といいます。時に「絶対解像度」という言葉で表現する場合もあります。
画素数が多い画像は当然データ容量も大きいし、画質的にも精細といえます。例えば211万画素のカメラより320万画素のカメラのほうが1.6倍高解像といえます。

ところで最近のデジタルカメラは高画素時代と言われるようになってきました。なんたってカメラ付き携帯電話が120万画素の時代です。しかし、これも一般コンシューマ機ではそろそろ上限にきたのではとも思える今日このごろです。といいますのは、画素数が増えれば当然データ容量も大きくなり処理にも負担がかかるわけですが、それとは別にプリンタで出すプリントサイズも大きくなります。高画質出力でのインキジェットプリンタでは210万画素あれば写真プリントのL判(88×127mm)~キャビネ判(130×160mm)は充分対応できますし、320万画素でもキャビネ判(130×160mm)~B5判(182×257mm)くらいは余裕でプリントできるのです。もちろん画質を若干落してもっと大サイズを出力することも可能なのです。プロの印刷屋さんにA4で印刷してもらうのなら別ですが、家庭用のプリンタでは500万画素カメラでL判出力ではあまり意味ありませんし、家庭用のプリンタはA4サイズ(210×297mm)が一般的ですから、これ以上は必要ないという一般的な需要でしょうか。

図1)各用紙プリントサイズの種類

さてここで画素数からどのようにして印刷する寸法(プリントサイズ)に置き換えるのでしょうか。
ここで(本編のデジカメ読本第3回)で述べたモニターのディスプレイサイズを思い出して頂きたいのですが。例えば640×480の30万画素の画像をモニターに100%表示したとします。100%表示とはパソコンモニターの壁紙と同じです。これを別の大きさのモニターを使ったり、“画面のプロパティ”や“モニター解像度変更”でピクセルを多くすると画像は小さくなって表示されます。つまり100%表示していてもモニター上でのドット数によって、表示される大きさが違ってみえるわけです。(図2)
このようにデジカメの画像には画素の数[pixel数(ピクセル)、ドット数]で表わしますが、何×何センチなどという現実の大きさは存在しません。ですからプリントする際の大きさを指定する必要があるので、「解像度」という値を使用して画素の数でしか表現できなかった画像をプリントサイズの実際の大きさに変換するのです。

同じモニタでもモニタ表示解像度を変えると同一画像を100%表示した場合絵の大きさが変わる。
左は30万画素画像を画素数の少なく大きいドットのVGAモニタで、右は画素数の多く小さいドットのXGAモニタで表示したところ

【解像度という値の意味】
例として横が50画素(ドットorPIXEL)の画像を1センチ当り10個の画素(つまり1ドットが1ミリ)でプリントするとプリントの大きさは5センチになります。
この計算は
[画像の画素(ドット)数:50]÷[1センチ当りに出力する画素(ドット)数:10]=5センチ
という単純計算で寸法が求められます。
ここで解像度とは:1センチ当り10個の画素(ドット)の事で、[dot/cm]という単位で表わします。もしプリントする解像度を10dot/cmを20dot/cmに変えると大きさは上の計算から2.5センチという事になるのです。
このように縦横のある画素数を持つ画像は、解像度によって初めて大きさが決められる訳です。これらをまとめて「相対解像度」という言い方をする人もいます。
一般的に解像度はセンチメートルでなく、インチを基準にしますので
[dot/インチ](ドットパーインチ)これを→「dpi」(ディーピーアイ)という単位で表わします。下のマッチ棒の図3を見てください。

(図3)

一本のマッチ棒は2インチ、その中に144個ドットがあれば72dpi、288個あれば144dpiになります。
製版業界ではミリメートルを基準にした単位「ppm」(ピクセルパーミリ)で表わす場合もあります。レゾリューションをとってレゾ○○という言い方をします。
ちなみに印刷で使用する解像度は「400dpi」で「レゾ16」になります。
1インチは25.4ミリですから解像度400“dpi”を25.4“ミリ”で割ればこの数値になります。
また1画素(pixel.ドット)のサイズは
[1インチ=25.4ミリ]÷[解像度(dpi)]=1画素のミリメートル
で算出できます。
やはり印刷で使用する解像度「400dpi」の1画素寸法は0.065mmです。
ここからだと画像の大きさは計算しやすいでしょう。
なにかずいぶんややこしくなってきましたが、要は実寸法とドットと解像度とは相対関係にあるという事です。で、混乱するのはメートル法とフィートインチの単位が異なるので、わからなくなるのです。
ここでまとめてみると

となります。

実は余談ですが(余計な話が好きな太田原)以前乗っていたバイクはヨーロッパ使用でして速度計がマイル表示なのですね。1マイルは1.6Kmで計算しないとスピードが分からない。で、走りながら計算している内に訳が分からなくなって、お巡りさんに速度違反で捕まっちゃいました。馬鹿といおうか、頭悪いといおうか。自制心がないといおうか。あ~情けない。

【プリンタの種類】
さてさてお話は続きます。この「解像度」、デジタル画像としてカメラやコンピュータ内ではさして気にする事はないのですが、現実に物として出す(つまりがプリント)時に大きさに左右する事は分かったかと思います。
ところがですよ皆さん。この「解像度」、デジタル画像その物以外に、プリンタ側自身にも「解像度」という物があるのです。あ~もうやめて欲しい。面倒くさい話ですね。

この「プリンタ解像度」の前に、プリンタの種類について簡単に説明致しましょう。


《1.インキジェットプリンタ》
ご存知、パソコン出力になくてはならない、おなじみの低価格プリンタです。構造的には小さなノズルからピコリットルレベル(一兆分の1リットル)の細かな色の液状インキを、紙に向かって飛ばし、ペーパー上に付着させたインキの粒で像を形成するプリンタです。お手ごろな数万円でA4サイズの家庭用の物から、B0サイズの業務用まで様々。大型になると100万円以上します。30年程前は壁の装飾やカーテンなどにプリントする工業用機材だったのが、ここまで一般に浸透するとは、正直言って夢にも思いませんでした。品質的にもすばらしく、色があせない顔料タイプの物も普及しはじめました。ペーパーによって品質が左右されます。これがポイントね。

インキジェットプリンタ
(図4)インキジェットプリンタのしくみ二種

《2.静電式カラーレーザープリンタ》
原理はコピー機やファックスと同じで、帯電させたドラムにレーザー照射し潜像を作り、更に色のついたトナー(粉)を、静電気を利用しキャリアから紙に付着後熱で蒸着させるタイプです。スピードが速く普通紙でのプリントができます。
でも値段が高くメンテナンスも必要、機械も大きいので主に業務用です。また画像品質はインキジェットプリンタより落ちます。

カラーレーザープリンタ ゼロックスタ
(図5)カラーレーザープリンタのしくみ

マイナスの静電気を与えられた感光ドラムにレーザー露光し像を生成、帯電した各色トナーを付着させる。その後、プラス帯電させた紙に転写し、熱を与えて定着させる

フジピクトログラフィ

《3.ピクトロ方式プリンタ》
フジピクトログラフィ  フジフィルムの製品で「ピクトログラフィー」といいます。デザイナーや写真家などフォトグラファーには絶大な信頼を得てきているプリンタです。原理はフィルムに相当するハロゲン化銀を含んだドナー(感光体)にレーザーで画像を写し潜像を作り、それをペーパーに転写するという方式。品質は銀塩プリントのようで、印刷の写真原稿に使用出来る位ですから、高品質です。価格も高くユーザーもほとんどがプロです。

(図6)ピクトログラフィのしくみ
感光材が塗られたフィルム(ドナー)にレーザー露光し、画像を生成する。ドナーに生成された画像はレシーバーという用紙に貼り合わせて加熱し、ドナーの色素を用紙に転写させる事で現像を行う。

《4.昇華型転写プリンタ》
サーマルプリンタともいいます。近年インキジェットプリンタに押され気味ですが、10年ほど前はプロのフォトグラファーで使用するフォトプリンタの代名詞と言われるくらい普及しました。
原理は各色インクリボンに画像をレーザー照射し、リボンの染料が昇華してペーパーに付着する方式です。品質は高いのですが使い捨てインクリボンを消費するので、ランニングコストがかかったのが、インキジェットにおされた原因かも知れません。

(図7)オフセット枚葉印刷機のしくみ

《5.オフセット印刷》
(図7)オフセット枚葉印刷機のしくみ
出ましたご存知「い・ん・さ・つ」です。これを人はプリンタと呼ばないかもしれませんが、このデジタル時代、巨大な印刷機はあえてプリンタと呼ばせて頂きます。職人さんが額に汗、インキ油にまみれて動かしているイメージが強いですが(実際それに近い)、今日ではコンピュータから直接オンラインで印刷できる機械もあるのですから、高速大量出力できる最も高価な巨大プリンタとしてとらえる事には間違いはありません。
原理はパソコンを使った「DTP」などでレイアウトされたデータから「PS版」に画像を出力します。「PS版」とは紙にインキを付着させる「ハンコ」の事です。この「ハンコ」を印刷機に巻付けインキを供給させます。「ハンコ」からインキは一度ゴム版に、ゴム版から紙にインキ転移させると画像が紙に写り、印刷が終了するわけです。(図7)
実はハンコを作るにしてもコストは高いし、印刷機も太田原さんちの木造2階建てが数軒建つほど高価なので、高速で大量に刷らないと採算が取れません。しかし近年、部数少なく種類多くという需要も増えてきまして、デジタル印刷機で安価に出力する方向にも進みつつある印刷業界です。

以上おおまかにプリンタの種類を述べました。
そこでプリンタの出力解像度のお話にしたいのですが、画像自身の解像度と混乱するといけませんので、今回はこれくらいにして、続きは次回にいたしたく存じます。
では次回「プリンタ解像度」に御期待ください

【ちょっとここで外出】
前にも紹介しましたが、私が毎月出席しております勉強会があります。その名も「デジタルカメラ学習塾」通称「電塾」“早川塾長”といいます。実はこの中に“技術者に学ぶというコーナー”があるのですが先月の定例会で招かれたのは、レタッチの神様と言われる「坂本恵一」氏でありました。「レタッチ」とは印刷のカラー写真を、お客様の注文に従い、写真をよりよく見せたり、印刷特性にあわせた色補正を行なう製版の作業の事です。

かつてコンピュータのない時代には、筆やペンを使ったり、暗室に入ってのフィルム作業など、きわめて手工業的な仕事でしてまさに職人のなせる業だったのです。今はデジタルで合成、色修正など簡単に出来るのですが、10年以上前はある一部の人しか出来なかったのです。まあその様な職人はいつぞやデジタル化が始まり消えてしまったわけですが、その中にあって生き残って(ん?こりゃ失礼神様の罰が当る)職務に従事されていらっしゃる不滅の方が坂本氏なのであります。とにかく私たちの大先輩にあたるこの坂本先生73歳になられましたが、実に元気でジョークがうまく、50名ほどの場内は爆笑の連続、そしてとても興味深いお話をなさいました。
坂本氏は現在ある印刷会社のプリンティングディレクターをされています。プリンティングディレクターとは直接デザイナーやメーカーさんなどクライアントの意向を伺いそのポイントを現場に伝え、作業をスムーズに且つ良い品質に上げる、コーデネータの役目なのです。これはお客様と印刷両者内容を理解していないと出来ない仕事なのです。まさにキャリアが無いとできません。

さてこの講演の中で氏が特におっしゃっていた事は、何においてもヒューマンコミュニケーションがとれなくてはいけません。どんなに技術が進化しようとも、これは大事であるという事でした。最近の若い人は人とのコミュニケーションが取れない、話をしない、返事をしない人が多い。席にいないからトイレと思いきや、知らないうちに帰宅しちゃった、挨拶の一つもすりゃぁいいじゃねぇか。しゃべらないから孤独だなと思いきや何のことはない、声の届く距離の同僚とメールでおしゃべり。そりゃねぇだろ。
(こんなことあなたの職場ではありませんか。ところで氏は神田のうまれ生っ粋の江戸っ子です)
これは印刷業だけでなく、どんな職種でもそうかもしれませんが、デジタルになったからといって何でも自分で出来るわけではないし、ましてやすべてがコンピュータがするわけでもなし、むしろデジタルになればボーダレスで、余計にデータ流通は激しくなるのですから、要求主張は明確に伝わらなくてはいけない。これは今の時代だからこそ重要といえるのではなかろうか、と思った次第です。
また我々色を扱う印刷屋には、まこと肝に銘じなくてはいけないお言葉が氏より発せられました。

【イメージ出来ないものはマネージできない】
この意味は、
グラフィックアーツである限りアナログの感性は大切であり、アートのセンスが画像を扱うものには必要です。美しいものを見る目を持ちましょう。
という事です。
う~ん。センスの無い私には頭の痛い話でしたよ。でもほんと技術とは“想像力、理解力なり”という事でしょうか。料理人が「味おんち」じゃうまいもの作れないものね。舞台俳優さんはコンサートや舞台演劇を見て感性養うのですって、俳優さんだけでなく体操の金メダリスト具志堅幸二さんだって、審判採点よりも観衆の目をひきつける表現力を得る為に、現役時代コンサートに出かけていたそうですよ。
写真だって、自然の風景や絵画も含めた良い作品親しんでないといけないのですね。感性は磨くもの。ハイライトが飛んで、シャドーがつぶれた様なガチガチした変なデジタル写真ばかり見てると、目がおかしくなっちゃいますね~。
昔LP盤からCDに変った時、耳にギンギンきちゃって聞きにくかったけど、今はそんな事ありません。それは生の音を聞き鍛練した人がCDでの録音再生技術に、そのノウハウを注ぎ込んでいたのではないでしょうか

【新技術】
有機ELディスプレイ(エレクトロルミネッセンス)
「EL」とはエレクトロルミネッセンスといい、液晶に変わる新しいディスプレイといわれてます。ではどこがよいのか、先ずは
◆自ら発光するので液晶のようにバックライトが要らない。
◆ゆえに軽量薄型になり画面も明るい。
◆かなり横や斜めから見ても、液晶のように見えにくい事がなく、視認性がよい。
◆画面自体の模写スピードが速い。液晶は電界で分子の向きを変える、これにより光を遮断して表示するのに対し、電圧を掛けて電子と生孔が発光物質の中で出会いさえすればいいので、反応が速いそうです。(分かりにくいですか?プラズマディスプレイとは違うらしいです)
◆消費電力が低い。
これらの利点はデジタルカメラには良い事ずくめなんですね。
「有機EL」は1980年代後半にkodak社から始まった技術ですが、今回、初めてイーストマンコダックの「LS633」なるデジタルカメラに搭載されたのであります。日本機ではまだのようですが。
ところで私、このエレクトロルミネッセンスという単語、実になつかしく感じるのです。といいますのは大学時代の技術論の教授が、「今後注目を浴びるのはエレクトロルミネッセンス、つまり発光する壁TVとホバークラフトだよ。学生諸君企業に入ったらこれを頭に入れておきたまえ」と講義してくださいましたのが約30年前。その言葉を信じて若き日のわたくしめは、数億円もする機械で「わが社の社運を背おっとるんだよ」との言葉を浴びながら、画像処理を行なったりしましたが、待てど暮らせど相変わらずモニターは重く大きな物、我が愛車にもタイヤはついたまま、そのまま忘れてしまった単語でしたが、ようやく商品名称として出てきた訳ですね。どういう経過で30年も経ってしまったのか分かりませんが、技術面コスト面で簡単には処理できない問題があったのでしょうね。
これとは逆な技術もあります。世界初の実用超音速旅客機(SST)コンコルドが今年5月にとうとう運航廃止になりました。技術的には完成されたものなのに、コストや騒音、環境破壊などの諸問題に適合できなかったからですね。「人間月に立つ」のアポロ計画も存在意義そのものを否定され、その後月面着陸をした人間はおらず、NASA開発技術を商業的な他の分野に生かすという事に努力が注がれた時期がありました。
こう考えますと科学技術って、これだけが一人歩きするのでなく、開発意図が世の中の環境、経済情勢、利害を、そして何よりもヒューマンコミュニティを把握していないと朽ちてしまうと言う事を時々思いますね。
こと印刷や写真のデジタル化に関しても、先ほどの坂本氏のお話ではありませんが、人の目で評価する以上今までの養われたノウハウを上手くデジタルに反映する事が大事で、デジタル技術だけでグラフィックアートは成り立たない訳です。だって人間はあくまでもアナログで「感情」も「好み」もある生き物だからです。あまりに機械的なグラフィックは抵抗がありますもんね。
最近、周辺のデジタル化に対しちょっとそんなとりとめのない事を思う太田原めであります。今日はこのような一方的なお話でおしまいにいたしとう存じます。
今日もご覧いただきありがとうございました。